新型コロナに負けない!グレタさん行動呼びかけ―日本でも若者達が本日一斉アクション
新型コロナウイルスの感染拡大で、昨年、全世界的な盛り上がりを見せた地球温暖化防止を求めるデモも中止を余儀なくされている。本日4月24日も国際行動デーであったが、街頭に出てのアクションは中止となった。ただ、「気候正義」を求める若者達のリーダーであるグレタ・トゥーンベリさんはインターネット上での行動を呼びかけている。日本でも、グレタさんに賛同する若者達のグループ「フライデーズ・フォー・フューチャー」(FFF)の各地方支部のメンバーや、その他の環境団体などによる「グローバル気候マーチ」は、本日17時から「 #気候も危機 」とのハッシュタグを付け、一斉にツイッターやインスタグラムに投稿するオンラインアクションを行う予定だ。このアクションでは、先月末に日本政府がまとめた「2030年度までに2013年度比26%削減する」という温室効果ガス削減目標もターゲットとなる。欧州の目標値に比較して低く、「世界平均気温の上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑える」という温暖化防止の国際的な合意「パリ協定」に矛盾する内容だとして、FFFなどの環境団体は、大幅な削減目標の引き上げを求めている。
◯温暖化こそ人類にとって最大の脅威
世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス。米ジョンズ・ホプキンス大学の統計によれば、本稿執筆時点で、全世界の感染者数は約268万人、犠牲者は18万人を超えている。新型コロナのパンデミックは、正に世界的な危機であり、国際社会が一丸となって感染拡大を止めなくてはならないだろう。だが、人類が直面している危機は、新型コロナウイルスだけではない。中でも地球温暖化は、今、食い止めなければ、温暖化の進行がさらなる温暖化を招く「暴走状態」になり、正に取り返しのつかない大惨事をもたらすことが懸念されている。「車椅子の天才物理学者」として知られた故スティーヴン・ホーキンス博士は、その晩年に「温暖化の進行を放置するなら、気温250℃、硫酸が降り注ぐ、金星のような高温の惑星へと地球を追いやるだろう」と警告した。温暖化防止は、正に人類の存亡を左右する最大の危機なのだ。
◯後ろ向きな日本の温室効果削減目標
温暖化の破局的な悪影響を回避する、パリ協定の1.5度目標を実現するためには、世界の温室効果ガス排出を2030年までに2010年比で45%削減、2050年までに実質ゼロにする必要があるのだが、部の利権や産業に忖度して、抜本的な対策を取らない国々も少なくない。その一つが安倍政権下の日本である。日本の2030年までの削減目標(NDC)は、上記したように「2013年度比26%削減」と消極的なものだ。石炭火力発電に依存する大手電力会社、ガソリン/ディーゼル車から電気自動車への移行が遅れている自動車産業に配慮したものなのかも知れないが、「57%削減」とする英国、「55%削減」とするドイツ、「40%削減」とするフランス(いずれも基準年は1990年)に比べると見劣りすることは否めない。
◯日本でも若者達が呼びかけ
こうした中、若者達は日本の温暖化対策へ危機感を抱いている。グローバル気候マーチはそのウェブサイトで以下のように懸念を表明。
その上で、本日17時からのインターネット上の意見表明へ参加するよう呼びかけている。
新型コロナ対策では、各国がロックダウン(都市封鎖)やそれに伴う休業補償、現金給付等、人命を最優先に思い切った対策を行っている。ならば、人類の存亡をも左右するかも知れぬ温暖化への対策も、もっと大胆かつ迅速な対応ができるはずだろう。
(了)