主な新興国/米国経済ニュース(1月17日)
ロシア中銀副総裁、ロシア経済の現状を“スタグフレーション”と指摘
ロシア中銀のクセニア・ユダエフ第1副総裁は15日、モスクワで開かれた経済フォーラムでの講演で、ロシア経済の現状について、「ロシア経済は経済成長率が鈍化しているにもかかわらず、インフレ率が加速するという、スタグフレーションに陥っている」と述べた。ノーボスチ通信(電子版)が伝えた。
ロシアの昨年のGDP(国内総生産)伸び率は1.4%増になったと見られており、これは2009年のリセッション(景気失速)以来の低い伸びとなっている。他方、インフレ率はここ数年、高水準のままで、中銀は2012年と2013年はいずれも物価目標のレンジ内に鎮静化することができていない状況にある。
アレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は15日、同国の今後2年間の平均成長率は2.5%増と、世界経済の3.5%増を下回る低い伸びが続くと警告している。同相もロシア経済の現状について、スタグフレーションというのは適切な表現であることを認めている。
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インドネシア財務相、今年の成長率目標を5.8-6.1%増に設定
インドネシアのチャティプ・バスリ財務相は15日、首都ジャカルタで開かれた会合で講演し、同国の今年のGDP(国内総生産)伸び率の達成目標を5.8-6.1%増に設定したことを明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が伝えた。
また、世界銀行が14日に発表した世界経済見通しでは3年ぶりに全世界の成長率見通しを3%増から3.2%増へ上方修正したものの、今年のインドネシア経済成長予測が従来予想の5.3%増のまま据え置かれたことについて、同相は「昨年の世界銀行のインドネシア経済予測が当たっていただろうか。我々の経済予測の方が正確だ」と述べている。
一方、インドネシア中央銀行は、今年の国内経済の成長率見通しについては、政府予想の5.8-6.1%増のレンジの下限になると見ているが、アグス・マルトワルドヨ総裁は予想レンジの中央値の6%増の成長は可能だとし、楽観的な見方だ。
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ホンダ、インドネシアで第2工場の稼働を開始―年産20万台体制へ
本田技研工業のインドネシア現地法人、ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーター(HPM)は15日、首都ジャカルタ東部のカラワンに3兆1000億ルピア(約270億円)を投じて、昨年6月から建設中だった第2工場の稼働を開始した。
第2工場の年間生産能力は12万台で、既存の第1工場の8万台と合わせると、2倍上以上年間20万台の生産体制が整う。生産車種は主にインドネシア国内市場向けに開発したMPV(ミニバン)「ホンダ・モビリオ」。ただ、今後は第1工場で生産している「プリオ」や「プリオ・サティヤ」、「ジャズ」などのモデルの生産を移管し、需要に合わせて両工場でフレキシブルに生産するとしている。従業員数も既存工場の3600人から3900人増の7500人体制となる。
HPMの昨年のインドネシア国内の自動車販売シェアは7.5%だったが、今年は17万台を販売し、約2倍の14%のシェアの達成を目指すとしている。
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ベトナム鉄道庁、首都ハノイに大量高速鉄道路線を建設へ
ベトナム鉄道庁(VRA)は、首都ハノイに大量高速輸送の鉄道路線を建設する計画を明らかにした。地元オンライン・ニュースメディア「ベトナム・インベストメント・レビュー」が13日に伝えた。
この鉄道路線はハノイのバディン地区バンカオが始発駅で、ノゴックカンやホアラックを経由して郊外のタックタット地区タックビンを結ぶ全長38.43キロで、列車は時速100キロで走行し始発駅から終着駅までをわずか約30分で結ぶ。建設投資額は車両費用を含め過去最大の60兆2720億ドン(約3000億円)に達する見込み。建設は2期にわたって実施され、第1期工事は2014年、第2期工事は2019年にそれぞれ完了する予定。
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米マイクロソフト、次期CEO候補にエリクソンのヴェストベリCEOが急浮上
ソフト世界最大手の米マイクロソフト<MSFT>の次期CEO(最高経営責任者)の有力候補として、スウェーデン通信機器大手エリクソン<ERIC>のハンス・ヴェストベリCEOが急浮上してきた。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが16日にブルームバーク経済通信社の報道を引用して伝えた。
情報筋によると、すでに退任が決まっているスティーブ・バルマーCEOの後継者としては、ヴェストベリ氏のほか、マイクロソフトのクラウド&エンタープライズ部門の責任者であるサトヤ・ナデラ氏やフィンランド携帯電話機器大手ノキア<NOK>のスティーブン・エロップ元CEOらの名前が挙がっている。米自動車大手フォード・モーター<F>のアラン・ムラリーCEOが一時、最有力視されたが、同氏はフォードに残る意向を示しており、事実上、後継者レースから脱落している。
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JCペニー、経営合理化で不採算33店舗の閉鎖と従業員2千人削減へ
経営難に陥っている米百貨店チェーン大手JCペニー<JCP>は15日夕、ニューヨーク株式市場の大引け後に、経営合理化の一環として、採算が悪化している33店舗を閉鎖し、それに伴い従業員2000人を解雇する計画を明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。
同百貨店は現在、約1100店舗を保有しており、閉鎖店舗は全体の3%に相当する。今後は高い成長が見込める分野に経営資源を集中させたいとしている。今回の合理化計画の実施で、年間6500万ドル(約70億円)の経費が浮く見込みだが、店舗閉鎖と人員削減で2013年度第4四半期(2013年11月-2014年1月)中に2600万ドル(約27億円)、その後も1700万ドル(約18億円)の税引き前損失を計上するとしている。
これを受けて、同社の株価は15日の大引け後の時間外取引(米東部時間15日午後4時01分)で1.15%高の7.01ドルと上昇している。(了)