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4冠統一ウエルター級タイトルマッチまで2日「WBOチャンプの言葉」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 2日後に迫った4冠統一ウエルター級タイトルマッチ。昨日はWBA/WBC/IBFチャンピオン、エロール・スペンス・ジュニアの言葉をお届けしたが、本日はバーチャル会見でのWBO王者、テレンス・クロフォードの発言をお伝えする。

Esther Lin/SHOWTIME  25日、MGMグランドガーデンに到着したWBO王者
Esther Lin/SHOWTIME  25日、MGMグランドガーデンに到着したWBO王者

 「エロールとの統一戦は、自分がこのスポーツで成し遂げてきたことの証になる。外野は、あれこれと私の信用を貶める言葉を発しながら、この試合を求めてきたが、やっと実現するよ。ボクシングに必要な一戦だよな。

 トレーニングキャンプは順調で、大きな変化はない。自分のボクシングは乱れていないので、直す必要もない。我がチームは安定して勝利に向かっている。

写真:ロイター/アフロ

 このファイトは、ベストの準備をするのがどちらで、試合の夜に誰がA+の試合をするかに尽きる。結局はそこだ。

 リターンマッチなんて考えちゃいない。そんな事は頭に無く、このファイトに勝つ。今は目の前の仕事に集中しているよ。

 体格差も気にならない。ジェフ・ホーンとショーン・ポーターの例もあるしな。ホセ・ベナビデス・ジュニアも大きなウエルター級だった。今に始まったことじゃないさ。140パウンドで戦っていた時も、私は小さい方だった。相手が大きければ大きいほど、倒し難くはなるがね。

写真:ロイター/アフロ

 エロールが対戦した選手たちは皆、負けの経験があり、すでに何かを奪われていた。彼は既に敗北を味わった選手と対戦してきたんだ。私はエロールのベルトと、無敗記録である"0"を奪ってみせる。私と対戦した選手は、それまでと同じようには、決してならないのさ。

 何よりも勝利を手にすることが目標だ。我々のキャリアを見てきた人なら、エロールと私が、いつもエキサイティングな試合をしていると分かっている筈。今回も熱戦となることは間違いない。

写真:ロイター/アフロ

 この統一戦の規模、舞台、試合を取り巻く全ての要素において、エロールこそ必要な存在だった。レガシーという意味で、私は既に多くを成し遂げているし、殿堂入りを果たすに十分なキャリアも積んでいる。それでも、今回の勝利は自分にとって最高のものとなるだろう。

 エロールと私は、ボクシング界最大の試合を実現させる為に電話で会話した。我々はそれぞれの価値を理解し、同じ目標と夢を持っていた。統一戦を実現させるべく、2人とも十分に成熟していることを確認し合ってきたんだ」

 両チャンピオンの言葉からは、対戦相手へのリスペクトが窺える。人生を懸けた伝説の男同士の闘いーー勝利の女神はどちらに微笑むか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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