マリナーズのエースを獲得しただけでなく、ヤンキースはさらにもう1人、先発投手を手に入れる
ニューヨーク・ヤンキースが、3人の若手と交換に、シアトル・マリナーズからジェームズ・パクストンを獲得した。
今シーズン、パクストンは防御率3.76を記録した。夏に腰を痛めたのに加え、打球を左腕に受けたこともあり、規定投球回には1.2イニング足りなかったものの、奪三振率11.68は160イニング以上のリーグ3位、与四球率2.36は17位。K/BB4.95は4位に位置する。5月初旬には、母国のカナダでノーヒッターを達成した。
ヤンキースはパクストンを手に入れる前に、CC・サバシアと1年800万ドルの再契約を交わしている。ただ、来シーズンの先発ローテーションは、これで完成ではない。ルイス・セベリーノ、田中将大、パクストン、サバシア。この4人だけでもなかなかの顔ぶれだが、あと1枠が空いている。
ヤンキースからは、サバシアだけでなく、J.A.ハップとランス・リンの両投手もFAになった。ソニー・グレイは残っているものの、ヤンキースは彼をトレードで放出するつもりだ。他にも、ジョーダン・モンゴメリー、ルイス・セッサ、ドミンゴ・ハーマンらがいるが、シーズンを通してローテーションの一員として投げるには、まだ心許ない。プロスペクトのジャステス・シェフィールドは、パクストンの交換要員として手放した。
となると、FAと契約するか、トレードで獲得するかになるが、可能性としては前者が高い。パクストンのトレードに続き、さらに若手を放出すれば、数年後に響いてくる。
大枚を叩くなら、FA市場にはパトリック・コービン(前アリゾナ・ダイヤモンドバックス)がいる。30代半ばのベテランと1~2年の契約を結ぶのであれば、ハップを呼び戻すのが妥当だろう。
2人の他には、ダラス・カイクル(前ヒューストン・アストロズ)、ネイサン・イオバルディ(前ボストン・レッドソックス)、チャーリー・モートン(前アストロズ)も考えられる(個人的には、鬚のないカイクルなんて……という気もするが)。菊池雄星(埼玉西武ライオンズ)もその一人だ。一方、マット・ハービー(前シンシナティ・レッズ)やアニバル・サンチェス(前アトランタ・ブレーブス)、ミルウォーキー・ブルワーズからFAになったジオ・ゴンザレスとウェイド・マイリーといったあたりは、まずないと思われる。