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観客数約3万人!実は大人気のプロ野球OB戦の新しい可能性を上原浩治が提言

上原浩治元メジャーリーガー
懐かしの2007年の北京五輪予選。韓国戦はよく投げさせてもらいました。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 あれだけのお客さんに楽しんでもらえるなら、現役を退いてから数年が経過しても、まだまだ捨てたものではない。そんなうれしい気持ちが湧いてきた。

 7月22日、北海道のエスコンフィールドで、 WBC、五輪などで激闘を重ねてきた日本、韓国の代表OBによる「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」が行われた。イチローさん、大輔(松坂大輔氏)という投打の“主役”がいなかったのは、出場している私たちからしても残念だったが、日本が10―6で逆転勝ちした一戦は、2万9192人が観戦してくれたそうだ。

 私は先発マウンドを任され、1回を投げて1失点。引退後の投手、打者で比較すると、実は投手の負担のほうがはるかに大きい。打者は走ることは大変かもしれないが、元プロはゴルフを趣味にしている人も多く、スイング自体は普段から行っている。打球も飛ばすコツを忘れていないので、うまくとらえることもできる。

 一方、投手はストライクを入れなければならないのが大変だ。特に肩周りの筋肉は普段、使うことがほとんどないので、降板後はしばらく腕が上がらず、痛みは慢性的に続いている。ほかの投手の中にも、笑顔でプレーしているが、裏で痛み止めの薬を飲んでいる人も何人かいたほどだ。それでも、みんなマウンドに上がると、やはり投げたくなるもので、予定以上に投げた人もいる。

 今年は7月15日に、プロ野球90周年の節目を記念して、巨人と阪神のOBによる「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」も開催された。これは、巨人―阪神の東京ドームでのデーゲーム後の特別なイベントだった。SNSにアップしているが、たくさんのレジェンドたちが顔をそろえ、私も野球少年に戻った気持ちで、往年の名選手たちとの記念撮影に胸を躍らせた。

 また、今年で28回目を迎えた「サントリードリームマッチ」も8月5日に東京ドームで開催され、プロ野球のOBたちが、ザ・プレミアム・モルツ球団とドリーム・ヒーローズに分かれて熱戦を繰り広げる。私も光栄なことに声がかかっている。

 こうした試合は、私も含めて、「昔の名前」でプレーしているので、現役のプロ野球の試合とはレベル差も歴然としている。それでも、盛り上がってくれる要因を、私なりに考えてみた。

 やはり、懐かしさがあるだろう。当時の記憶とともに、例えば、自分の子どもや会社の同僚たちと試合を見に来ていたら、「あの時代のこの選手は・・・」などと思い出話ができることもあるかもしれない。今の若い人たちにとっても、名前をインターネットで検索してみると、かつてはすごい実績の選手だったなんてこともあって面白いのかもしれない。

 私のYouTubeチャンネル「雑談魂」の登録者数をみても、かつてのプロ野球を懐かしんでくれるファンがたくさんいて、トークだけではなく、OBたちが実際にグラウンドでプレーする試合(イベント)に一定のニーズがあることも興味深い。

 大胆な提言になるかもしれないが、プロ野球のオールスターを1試合に限定し、もう1試合はセ・パのOBによる「レジェンドマッチ」に代替できないだろうか。

 現役のオールスターもメジャーリーグのように1試合に限定することで、出場選手の価値がさらに高まる。OBたちも、出場可能な選手からファン投票のような形で選出すれば、オールスターのように楽しんでもらえる機会にならないだろうか。

 往年のファンの皆さんをはじめ、観客が盛り上がってくれるのであれば、私も選ばれれば、肩が痛いなどと言わず、頑張って腕を振りたい。皆さんはそんなオールスターの前夜祭があれば、見にきてくれますか?主催する12球団、NPBの皆さん、こんなアイデアはいかがでしょうか?

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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