家全焼も。NITEも注意喚起「電子レンジの危険な使い方」
先月2024年3月4日に愛知県東郷町で木造2階建ての家が全焼するという火災が発生しました。住民の女性から「電子レンジを使用していたところ、爆発した」と消防に通報があったそうです。
製品事故の公的な原因究明機関であるNITE(ナイト)も新生活をはじめる人が多いこの季節、「春に気をつけるべき製品事故」の一つとして電子レンジの使い方について注意喚起しています。
簡単に食品を温めることができる電子レンジは、今ではどこの家庭にもある調理家電であり、危険を感じながら使っているという人もいないでしょう。しかし事故は実際に起こっており、筆者が利用しているコンビニエンスストアの電子レンジ横にも「カップ麺を温めないでください。先日発火する事故がありました」と張り紙がされています。
今回は身近な家電だからこそ知っておかなければならない、電子レンジの誤った使い方についてご紹介します。
金属製品は電子レンジで使ってはいけない
電子レンジでは基本的に金属製品は使うことができません。近年の電子レンジはオーブン機能も備えているものが多く、オーブン機能では金属製品が使えるので混同してしまう人もいるようですが、金属製のものは電子レンジから出る電磁波を反射して火花を出し電子レンジの故障や発火の可能性も出てきます。電熱線の熱で加熱するオーブンと電磁波で加熱する電子レンジとでは、加熱の仕組みが違っているのです。
ステンレス製のボウルや食器はもちろんのこと、呑み口に金線が施されているティーカップなども使えません。見落としがちですがお弁当のおかず入れに使うアルミカップも危険です。
またNITEの注意喚起にもありますが、金属ワイヤーが入ったビニール紐やワイヤー入りのマスクなども電子レンジで加熱することはできません。
プラスチック製品・ガラス製品は耐熱温度をチェック
食品保存容器として使われていることが多いプラスチック容器。食品保存容器のプラスチック製品は電子レンジで使えるものが多いので、すべてのプラスチック製品が電子レンジで使えると思ってしまうかもしれませんが、電子レンジにいれると溶けてしまうものもあります。
プラスチック素材のものには、PP(ポリプロピレン)とPS(ポリスチレン)があり、ポリプロピレンは耐熱温度が140度あるので電子レンジで使うことができますが、ポリスチレンは耐熱温度が70度なので電子レンジでの加熱には向いていません。
食品保存容器などは裏に耐熱温度が書かれているので確認するようにします。耐熱温度が書かれていないプラスチック製品はメーカーホームページを確認するか、電子レンジでは使えないものと思っておいたほうが安心です。
ガラス製品は耐熱温度によって電子レンジで使えるか使えないか違ってくるので、確認するようにしましょう。
木製の食器類は電子レンジで使えない
木製のお皿や曲げわっぱなどのお弁当箱も電子レンジで使用することはできません。
油分の多いものや食品の加熱し過ぎも電子レンジで発火の原因になる
電子レンジ対応している食品保存容器を使用しても、唐揚げのように油分が多いものを加熱しすぎると容器の耐熱温度を超えてしまい保存容器が溶けることもあります。
またNITEの公式YouTubeにもありますが、食品自体を電子レンジで加熱しすぎて発火するという危険もあります。
電子レンジ庫内の汚れで発火することもある
電子レンジの庫内に飛び散った汚れをそのままにして使い続けると汚れが炭化し発火することもあります。電子レンジ庫内はまめに掃除するようにしましょう。
メーカー想定外の使い方をしない
以前の記事【注意が必要!SNSで散見する危険な掃除術】でも紹介しましたが、掃除用の洗剤をボトルごと電子レンジで加熱しているなど危険な動画が出回っています。電子レンジメーカー側も洗剤メーカー側も想定していない使い方は決してしないようにしましょう。
身近な家電だからこそ気を緩めがちですが、頻繁に使う分、危険を排除して使わなければなりません。今一度、電子レンジの使い方を確認することをおすすめします。