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バイデン大統領の愛犬がホワイトハウスから退去したが復帰へ...ファーストドッグに何が?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
ジル・バイデンさんとファーストドッグのチャンプちゃん(提供:Adam Schultz/White House/ロイター/アフロ)

世界のペット業界を引っ張っている感じがある米国で、それもバイデン大統領のファーストドッグが問題行動を起こして、ホワイトハウスから一時、退去したことは驚きです。ドッグトレーニングも獣医療も進んでいる米国で、超セレブの犬が、事件を起こしたのですね。

写真のワンちゃんは、もう1匹の「チャンプ」ちゃんですが、もう1匹のジャーマンシェパードの「メイジャー」ちゃんは、何をしでかしたのかを見ていきましょう。

「メイジャー」ちゃんが、起こした事件とは?

イメージ写真
イメージ写真写真:PantherMedia/イメージマート

CNNの報道によりますと、 米国のバイデン大統領夫妻の愛犬が、ホワイトハウスで問題行動を起こして先週、デラウェア州にあるバイデン一家の自宅に戻されました。

関係者によりますと、バイデン夫妻の愛犬2頭のうち、ジャーマンシェパード犬の「メイジャー」ちゃんが、ホワイトハウスの警備員をかむ騒ぎを起こしたそうです。筆者が想像する限り、ジェーマンシェパードは賢い犬なので、しつけの問題なのでしょうね。

かまれた警備員は軽症のため、近く東部デラウェア州にあるバイデン氏の自宅から、再びホワイトハウスに“復帰”すると明らかになりました。

バイデン大統領のファーストドッグとは?

ドナルド・トランプ大統領はペットを飼っていませんでした。その理由は、潔癖なのでペットが苦手だといわれています。ペットを飼っていない大統領は、ここ100年ほどで初めてだったそうです。

一方、バイデン大統領は、2匹のジャーマンシェパード「チャンプ」ちゃんと「メイジャー」ちゃんと一緒にホワイトハウスに移り住みました。

今回、問題を起こしたメイジャーちゃんは、2018年にデラウェア州の動物保護団体を通して、バイデン家に引き取られた保護犬です。保護施設出身の犬がホワイトハウスで飼われるのは初めてということです。

今回の問題行動とは、関係ない「チャンプ」ちゃんは、2008年から暮らし始めたそうです。ちなみに「チャンプ」ちゃんは、保護犬ではありません。「チャンプ」ちゃんの名前の由来は、バイデン大統領選が演説で、「たたきのめされたら起き上がれ、チャンプ!」と父親によく言われたと大統領選の演説で述べていたところから来ていて、バイデン氏のお孫さんたちがつけたものだそうです。

メイジャーちゃん訓練法

メイジャーちゃんは、3歳とまだ若いジャーマンシェパードです。しっかり訓練しないといけないですね。

攻撃性のある犬は、以下のような病気が隠れている場合があるので、訓練を受ける前に、診察をしてもらいましょう。

・脳腫瘍

メイジャーちゃんは、まだ3歳と若いのであまり考えにくいですが、急に攻撃的になる場合は、脳腫瘍なども考えられます。以前は、おとなしかったのに、なんか様子がおかしいときは、画像診断などもしてもらいましょう。

・甲状腺の疾患

犬には少ないですが、甲状腺機能亢進症などになると、やたら元気で攻撃的になります。その場合は、血液検査で甲状腺のホルモンを調べましょう。

・てんかん

てんかん発作が出ているときは、攻撃的になる子もいます。そのとき、動画を撮影しておき、獣医師に見てもらい治療方法を決めてもらいましょう。

これらの病気でないとわかれば、訓練をして人に攻撃をしない犬にする必要がありますね。ホワイトハウスは、来客も多いでしょうから、しつけは大切ですね。

・運動を十分させる

3歳の大型犬なので、運動をしっかりさせてあげてくださいね。そうじゃないとストレスがたまり問題行動する可能性が高くなります。

・家族がリーダーとして自覚を持つこと

犬は、群れ社会の動物です。家族である飼い主が群れのリーダーだと自覚をして、犬に群れの掟を教えてあげましょう。

・一緒に散歩に行き、犬がよくない行動をしたら阻止する

しつけがちゃんと出来ていない犬は、散歩に行くと先に歩いたり、自分の好きな方向に行きがちだったりでします。そんなときは、それはよくないと教えて、勝手な行動を阻止しましょう。

・来客が多いところなので、人慣れさせる

ホワイトハウスは、来客も多いでしょうから、人には慣れるようにしましょう。いろんな人に会わせて、人は大丈夫だということを犬に教えてあげましょうね。

なかなか個人でするのは難しいので、ドッグトレーナーや動物臨床行動学専門の獣医師に相談し、協力して噛み癖を矯正していきましょう。

歴代のファーストドッグ

少し歴代のファーストを見ておきましょう。トランプさん以外、歴代の大統領は犬を飼っていました。

バラク・オバマ大統領時代の犬

オバマ大統領のファーストドッグ
オバマ大統領のファーストドッグ写真:ロイター/アフロ

バラク・オバマ大統領時代は、ポーチュギーズ・ウオーター・ドッグのボウちゃんとサニーちゃんがいました。

このポーチュギーズ・ウオーター・ドッグは、日本ではほとんどお見にかかれない犬種です。古くからポルトガルの海岸で、漁師のために網を持ってきたり、魚を捕ったりする使役犬として活躍しています。抜け毛が少なく、穏やかで人が大好きなおっとりした性格です。

オバマさんの娘さんが、アレルギーがあるので、抜け毛が少ない犬にされたといわれています。

ビル・クリントン大統領時代の犬

クリントン氏とヒラリー氏の愛犬・バディちゃん
クリントン氏とヒラリー氏の愛犬・バディちゃん写真:ロイター/アフロ

ビル・クリントン大統領は、バディという名のチョコレート色のラブラドールと、ソックスと名づけた猫を飼っていました。

2匹はよくけんかし、米紙ニューヨーク・タイムズに掲載されていたそうです。ヒラリーさんは、『親愛なるソックス、親愛なるバディ』という本を出版までされていますので、動物好きなのでしょうね。

まとめ

ファーストドッグを通して、歴代の大統領の生活や考え方が垣間見えてなかなか興味深いですね。

メイジャーちゃんは、警察犬クレバ号のように再教育されて、立派な犬になってくれると思います。知的なジャーマンシェパードなのですからね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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