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【カウンセリングでうつ病が治るのか?】を精神医学に詳しい心理カウンセラーが徹底解説いたします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「カウンセリングでうつ病が治るのか?」というテーマでお話しいたします。

はじめに、
うつ病とは何か?」というお話をしていきたいと思います。

うつ病は、気分障害の一つです。1日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状と共に、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じる心の病です。

うつ病の人は、次のような症状を示すことが多いです。
 1.表情が暗い。
 2.自分を責めてばかりいる。
 3.涙もろい。
 4.反応が鈍い。
 5.落ち着きがない。
 6.飲酒量が増えた。
 7.食欲がなくなった。
 8.性欲がなくなった。
 9.眠れない。
10.身体がだるい、疲れやすい。
11.原因不明の頭痛や肩こりに悩まされる。
などなどです。

うつ病は、100人に約6人がかかる病気です。
日本では、100人に約6人が、生涯のうちに1度以上、うつ病を経験している…という調査結果があります。←諸説あります。
また、女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いことが知られています。女性は、ライフステージに応じて、妊娠や出産、更年期、等と関連の深い、うつ状態やうつ病を起こす可能性が高いので、注意が必要となります。

うつ病の発症の原因は、今のところよくわかっていません。
感情や意欲を司る脳の働きに、何らかの不調が生じているものと考えられていますし、精神的ストレスや身体的ストレスなどから、うつ病になることもあります。

続いて、うつ病の治し方ですが、


1番目は、ストレスから離れ、しっかり休養をとることが大切です。
どうやってストレスから離れるか? しっかり休養を取るためには、何をどうすればいいのか? に関しては、精神医学に詳しいカウンセラーの存在が役に立つだろうと思います。

うつ病の治し方、2番目は、薬物治療です。
うつ病は、脳という臓器の病気なので、薬物の使用が効果的です。
お薬は、病院に行かないと手に入れることができません。そう、薬局で普通に買うことが出来ないのです。(薬局で普通に買えるうつ症状に効くお薬は、効き目が弱いことがほとんどです)うつ病の薬は、基本、医師の処方箋がないと手に入れられないのです。どうぞお近くの、精神・神経科、心療内科にお出掛けください。

うつ病で、主に使われる薬は、抗うつ薬なのですが、うつ病に似た双極性障害の場合は、使われる薬が大きく違うので、このあたりは、専門家による慎重な判断・区別が非常に重要です。←ここは、非常に重要です。

うつ病の治し方、3番目は、カウンセリングです。
うつ病がストレスから生じたものである場合は、カウンセリングが効果的です。逆に言うと、ストレスとは関係なく、脳内神経伝達物質の異常によるうつ病の場合は、カウンセリングがあまり効きません。もちろん、全然効かないことはなく、特に治りかけのうつ病の方に関しては、カウンセリングはよく効くことが予想されるのですが、内因性、ストレスに関係なく発生したうつ病には、カウンセリングがあまり効かない…というわけです。

私の印象ですが、現在、メンタルクリニックへ通われてらっしゃる方の8割は、お薬だけではよくならないと思います。環境が変わりストレスが減るか、もしくは、考え方や認知が変わり、ストレスをストレスと感じなくならない限りは、よくならないと思います。←ここも非常に重要です。

よって、今日の記事のテーマである「カウンセリングでうつ病は治るのか?」ですが、そのうつ病がストレスから生じているのであれば、カウンセリングで十分に良くなりますが、そのうつ病が脳内神経伝達物質の異常から生じているのであれば、カウンセリングだけでは良くなりません。このあたり、カウンセラーには、クライアントの状態を見極める目が必要となってきます。

世の中には、薬物に否定的なカウンセラーもいらっしゃいますが、私はどちらかと言うと、薬物に肯定的なカウンセラーです。薬物は、忌み嫌うことなく、依存することなく、上手に利用するものだというのが私の考えです。

というわけで、今日は、「カウンセリングでうつ病が治るのか?」というテーマで、お話させていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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