オートバイのあれこれ『復刻すればヒットしそうなバイク選手権』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今宵は『復刻すればヒットしそうなバイク選手権』をテーマにお話ししようと思います。
1970年代以降、日本の二輪メーカーは急成長を遂げ、そのなかで多種多様なオートバイが現れては消えていきました。
大ヒットを飛ばして生産終了が惜しまれたバイクもあれば、マイナーな存在のまま消滅したバイクも当然あります。
そして今回私が注目したいのが、マイナーで終わってしまったオートバイ。
もう少し具体的に言うと「現役時代は流行や価値観に合わず脇役で終わったけれど、今ならスポットライトを浴びそうなオートバイ」をあらためて考えてみました。
今回から不定期で、私が思う“復刻すればヒットしそうなバイク”をいくつかご紹介していきたいと思います。
◆スズキ Goose350(250)
スズキが1991年(平成3年)にリリースした『グース350(250)』は、今発売すればなかなかのヒット作になるのではないかと思っています。
というのもグースは、
- ここ数年ホットなカテゴリーである普通二輪クラスのスポーツバイクに当てはまる
- 最近のバイクらしい軽量コンパクトな設計(=ダウンサイジング)となっている
- コスト意識の高い現代にも見合う設計(単気筒エンジンなど)となっている
からです。
【①の理由について】
最近はホンダ『CBR250RR』やカワサキ『ZX-25R』等、400cc以下のスポーツ系モデルの人気がひじょうに高い。
グースはスズキが「コーナリングを楽しむ」ということをテーマに掲げて開発したピュアスポーツモデルで、CBR250RRやZX-25Rに通ずる、いやむしろ、それらをも凌駕するくらいのスポーツ性を持っており、それが昨今のニーズをしっかり満たしてくれると思われる。
【②の理由について】
90年代頃までは「バイクはデカくてナンボ」「バイクは車格もパワーも大きいほうがエラい」というような風潮があったが、近年は主にいろいろな意味での“お手ごろ感“・“お気軽感”が求められている。
グースは車格に関しては2ストレーサーレプリカ並、また車重も乾燥重量で145kgと4ストロードスポーツにしてはかなり軽く、さらにエンジンパワーも33psとお手ごろで、「ダウンサイジングの好例」と表現して差し支えないパッケージとなっている。
【③の理由について】
世相的に財布のヒモがカタくなりがちな今日この頃。
空油冷のSOHC単気筒エンジン、余計な機能・飾りが排された車体など、プレーンな作りのグースは、維持管理を(4気筒マシン等と比べれば)ローコストで行えると思われる。
グースがデビューした平成初期の頃は、カワサキ『ゼファー』に端を発する“雰囲気重視”の4気筒ネイキッドモデルが人気の中心で、“スポーツ色の強い”グースはメインストリームになれませんでしたが、現在であれば、上で挙げたような理由から、もしかすると現役当時より売れるのではないでしょうか。
皆さんのご意見も、ぜひお聞きしてみたいところですね。