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J1リーグの7月4日再開は、喜ばしい話なのか?

杉山茂樹スポーツライター
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 J1リーグの再開が7月4日に決まった。J2、J3はそれより1週間早い。現在の状況と、およそ1か月後と状況との間にどれほど違いがあるか、なんとも言えないところだが、もし選手や審判に感染者が出たらどうするつもりなのか。中止にするのか。中断して様子を見るのか。前代未聞の出来事なので、その時に判断するしかないと言われればそれまでだが、第2波の到来は必至と言われる中、見切り発車のように思えて仕方がない。

 プレーの特性を考えると、不安の総量はプロ野球より断然上だ。まさに多大なリスクを抱えてプレーする当事者である選手及び審判と、村井満チェアマン、原博実副チェアマンら上層部のお偉方は、どれほどコミュニケーションを交わしたのか。問題が発生した時、誰が責任をとるのか。

 たとえば、現在、欧州で唯一国内リーグ(ブンデスリーガ)を再開しているドイツ国民は、その再開を好意的に捉えている人の割合より、そうではない人の割合の方が多いという。ドイツと日本。どちらがリスクを抱えた状況にあるのか、定かではないが、これは当然といえば、当然の反応ではないか。

 筆者はこれまで、再開についてどちらかと言えばネガティブな視点で言ってきたつもりだが、その理由は分かりやすい。巷にそうした声があまりにも少なかったからだ。半々どころか「七三」でも「八二」でもなかった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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