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1ヵ月前には10ゲーム差をつけられていたチームが地区首位に立つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤイナー・ディアズ(左)とジョシュ・ヘイダー Jul 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月19日、ヒューストン・アストロズは、3対0でシアトル・マリナーズを下した。これにより、ア・リーグ西地区の首位は、入れ替わった。アストロズの51勝46敗に対し、マリナーズは52勝47敗。ゲーム差はゼロながら、それぞれの勝率は.526と.525だ。

 アストロズは、過去7年とも、ポストシーズンに進出している。この間に地区優勝を逃したのは、短縮シーズンの2020年だけだ。この年は、オークランド・アスレティックスが地区を制した。

 ただ、今シーズン、アストロズは、6月18日を終えた時点で借金7を抱え、地区首位のマリナーズに10.0ゲーム差をつけられていた。その後の24試合は、アストロズが18勝6敗(勝率.750)、マリナーズは8勝16敗(勝率.333)だ。アストロズが急上昇し、マリナーズは急降下した。

 オプタ・スタッツによると、借金が5以上あり、首位から10.0ゲーム以上離されていたチームが、そこから25試合未満で首位に立ったのは、「ミラクル・ブレーブス」と呼ばれた1914年のボストン・ブレーブスに続き、今シーズンのアストロズが史上2チーム目だという。

 110年前に、ナ・リーグの首位から滑り落ちたのは、ニューヨーク・ジャイアンツだ。ブレーブスは、ワールドシリーズでフィラデルフィア・アスレティックスをスウィープした。当時、地区制はなく、ポストシーズン=ワールドシリーズだった。

 なお、アストロズに追い抜かれたマリナーズは、ポストシーズン進出圏内からも外れた。ワイルドカードを得るのは、地区優勝のチームを除く、リーグ12チーム中3チームだ。現在、ワイルドカード・レースの3位には、53勝43敗(勝率.552)のボストン・レッドソックスが位置し、マリナーズは、レッドソックスと2.5ゲーム差の5位にいる。

 マリナーズの課題は、はっきりしている。チーム全体の防御率3.46はリーグ・ベスト、379得点はワースト3位だ。

 一方、アストロズは、多くの先発投手を欠いている。ジャスティン・バーランダーは、このままいくと今月中に復帰できそうだが、ルイス・ガルシアランス・マッカラーズJr.は、戻ってこられたとしても、来月の後半以降だろう。ホゼ・ウッキーディクリスチャン・ハビアは、先月初旬に相次いでトミー・ジョン手術を受けた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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