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ハリウッドセレブがティム・ワルツ副大統領候補を祝福

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
副大統領候補に決まったティム・ワルツにハリウッドセレブが支持を表明(写真:ロイター/アフロ)

 副大統領候補にミネソタ州知事ティム・ワルツが選ばれたことで、ハリウッドがさらに盛り上がっている(注:Tim Walzは、正しくはティム・ウォールズと発音する。しかし、日本ではワルツと表記されてきているため、混乱を避けるため、それにならうことにする)。

 より有力視されていた候補者を制してワルツになりそうだとの報道が出たのは、現地時間6日朝。それは意外だったが、決定すると、民主党支持者の多くは納得。ソーシャルメディアには、民主党の有力な政治家だけでなく、ハリウッドセレブからも、祝福の投稿が続々寄せられた。

 前夜、有名コメディアンたちによるオンライン上のハリスの寄付金集めイベント「Comics For Kamala」に特別出演したばかりのマーク・ハミルは、このニュースを受け、「カマラ・ハリスとティム・ワルツからは、希望、エネルギー、結束が感じられる。喜びのフィーリングが。怒り、恨み、分断の政治をついに後にし、本当の意味でのユナイテッド(結束した)・ステーツ・アメリカにしよう」と投稿。「スター・ウォーズ」で知られる彼は、「#A New Hope」(新たなる希望)というハッシュタグも付け加えた。

 マーク・ラファロは、「ティム・ワルツは、人種、宗教、性的指向、性別に関係なく、労働階級の人たちのために戦ってきた。彼の持つアメリカのビジョンには、僕たち全員が入っている。彼は地上にいくらかの天国を持ち込んでくれるのだ」というメッセージを添えて、huffpost.comの記事をシェア。その記事には、ワルツが環境問題に熱心に取り組んできたことが書かれている。

 オスカー女優ジェイミー・リー・カーティスは、「LET’S GO AMERICA!」というキャプションを付け、ハリスとワルツの写真をインスタグラムに投稿。「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー監督も、「Harris/Walz, let’s kick ass!」と呼びかけた。

「SEX AND THE CITY」のミランダことシンシア・ニクソンは、ワルツの名前を引っ掛けて、「私は空を踊って(ワルツ)いる気分。カマラ・ハリス、ありがとう」と、この人選に感謝。アリッサ・ミラノも、ワルツの発言の数々を編集した動画を投稿し、「I love this guy」と評価した。

「サタデー・ナイト・ライブ」では誰が演じる?

 そんな中では早くも、「サタデー・ナイト・ライブ」で誰がワルツを演じるべきかという意見がちらほら見られる。

 長寿コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」は政治ネタが大得意。アレック・ボールドウィンはトランプのパロディで大絶賛され、プライムタイム・エミー賞も受賞した。過去に、ヒラリー・クリントンはケイト・マッキノン、バーニー・サンダースはラリー・デビッド、ジョー・バイデンはジェイソン・サダイキス、ジム・キャリー、ウッディ・ハレルソンら、ジョージ・W・ブッシュはウィル・フェレルが名演。ハリスが大統領候補になったことで、来る新シーズンには、マヤ・ランドルフがまたもやハリス役で復活するようだ。

ケイト・マッキノンはヒラリー・クリントンを名演(マッキノンのインスタグラムより)
ケイト・マッキノンはヒラリー・クリントンを名演(マッキノンのインスタグラムより)

 ワルツ役の候補について、X(旧ツイッター)で最もよく名前が見られるのは、スティーブ・マーティン。ふたりの顔写真を並べたものを見るとたしかに似たところはあるし、何しろマーティンはコメディの天才なので、彼が出てくることになれば、大きな話題になるだろう。マーティン自身、「サタデー・ナイト・ライブ」の出身者でもある。テレビドラマ「LOST」のクリエイター、デイモン・リンデロフは、「サタデー・ナイト・ライブ」のロゴとともにマーティンとランドルフの顔写真を並べ、「これで決まり」とインスタグラムに投稿した。

(デイモン・リンデロフのインスタグラムより)
(デイモン・リンデロフのインスタグラムより)

 一方で、「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」などコメディ映画を得意とする映画監督ポール・フェイグは、「マヤ・ランドルフのカマラと並んでクリス・ファーレイがティム・ワルツを演じるのを見たかった」と投稿した。1990年から1995年まで「サタデー・ナイト・ライブ」にレギュラー出演したファーレイは、1997年に33歳の若さで亡くなっている。

猫好きにもアピールできるか

 ところで、ワルツは猫好きのひとりだ。J・D・バンス共和党副大統領候補の「子無し猫好き女」発言に怒っていた人々は、早速、ワルツが愛猫と一緒にいる写真を投稿し、支持を表明している。彼のソーシャルメディアを見ると犬も好きなようで、その部分もある程度アピール要素になるかもしれない。

 しかし、「子無し猫好き女」であるテイラー・スウィフトは、今なお誰を支持するのか発言しないままだ。彼女は前回の選挙でバイデンを支持したが、選挙がかなり迫ってからだった。若者に対して最も影響力を持つ彼女が、どのタイミングで何を言うのかを、多くの人々が固唾をのんで見守っている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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