伊藤詩織監督作とKoki,出演作、オスカーに一歩近づく
伊藤詩織が自らの経験をドキュメンタリー映画で語る「Black Box Diaries」が、アカデミー賞に一歩近づいた。現地時間17日に発表された“ショートリスト”15本に食い込んだのだ。
アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門は5本なので、ノミネーションが発表される時には、ここから3分の2が振るい落とされる。 ショートリストに残った作品の中には、ベルリン国際映画祭、ヨーロッパ映画賞、ゴッサム賞、国際ドキュメンタリー協会賞(IDA)、ロサンゼルス映画批評家協会賞などを受賞した「No Other Land」、サンダンス映画祭で審査員賞を受賞した「Porcelain War」、サンダンスでドキュメンタリー監督賞、また放送映画批評家協会ドキュメンタリー賞を2部門で受賞した「Sugarcane」、Netflixが配信する「ドーターズ」、「ウィル&ハーパー」、「イベリン:彼が生きた証」、Amazonプライム・ビデオが配信する「フリーダ〜愛と痛みを生きた肖像〜」などがある。
「Black Box Diaries」は今年のサンダンス映画祭で初上映され、ニュージーランド、サンフランシスコ、サラエボ、チューリッヒなどの映画祭で賞を受賞。IDAにも作品、監督、編集部門でノミネートされた。アメリカではMTVドキュメンタリーの配給で10月に限定規模で劇場公開。来月にはParamount+で配信開始する。
同じく、国際長編映画部門のショートリストも発表された。日本からエントリーされた黒沢清監督の「Cloud クラウド」は入らなかったが、Koki, 、本木雅弘、中村雅俊らが出演するアイスランド映画「TOUCH/タッチ」が15本の中に入った。アイスランドでは5月、アメリカでは7月に公開され、日本でも来月24日に公開となる。監督は「エベレスト 3D」、「ビースト」のバルタザール・コルマウクル。
ショートリストに残ったほかの作品は、フランスの「Emilia Perez」、イギリスの「Santosh」、ブラジルの「I’m Still Here」、ドイツの「聖なるイチジクの種」、イタリアの「Vermiglio」、カナダの「Universal Language」、チェコの「Waves」、デンマークの「The Girl with the Needle」、アイルランドの「Kneecap」、ラトビアの「Flow」、ノルウェーの「Armand」、パレスティナの「From Ground Zero」、セネガルの「Dahomey」、タイの「How to Make Millions Before Grandma Dies」。
カンヌ国際映画祭で審査員賞と女優賞を受賞したジャック・オーディアール監督の「Emilia Perez」は作品、監督、主演女優、助演女優などを含むほかの部門でも大健闘が予想される。ウォルター・サレス監督(『モーターサイクル・ダイアリーズ』)の「I’m Still Here」も、脚色、主演女優部門などに入ってくる可能性がある。「聖なるイチジクの種」は、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞ほか複数の賞を受賞。この3本はかなり手堅いと思われる。また、せりふのないアニメーション映画「Flow」は、長編アニメーション部門にも候補入りしそうだ。
アカデミー賞ノミネーションの投票期間は1月8日から12日。ノミネーション発表は1月17日。アカデミー賞授賞式は3月2日。