2安打完封負けの中日戦 公式戦初先発の竹安は3回に被弾《8/12 阪神ファーム》
今週前半の筑後遠征から戻り、12日からは鳴尾浜で中日戦に臨んでいる阪神ファーム。8月は、先週末に行われた日本ハムとのファーム交流試合が2連戦だったのを除いて、他はすべて3連戦で休みなく公式戦が組まれています。この中日戦のあとも16日からソフトバンク戦(鳴尾浜)、オリックス戦(北神戸と佐藤薬品)と続き、26日から広島戦(鳴尾浜と姫路)、30日からオリックス戦(鳴尾浜)という日程。23日からの中日戦(ナゴヤ)以外は、すべて近畿での開催です。
きのうの鳴尾浜は、夏休み&お盆休み、甲子園での高校野球、さらに京セラドームでの1軍戦という条件が重なって入場制限がかかりました。それほど長蛇の列ではなかったようですが、炎天下での待ち時間は大変だったでしょうね。きょうももちろん、あす14日も暑さ対策は念入りにしてお越しください。
きのうは完封負けを喫したタイガースですが、きょう13日は6対2で勝っています。秋山投手が7回4安打無失点の好投!再びリーグ単独トップの9勝目となりました。7月30日から毎週土曜日に先発している秋山投手は、これで3試合連続(8回、7回、7回)の無失点です。もう次は1軍のマウンドでしょう。きっと。
1軍といえば、きのう鳴尾浜にいた中日・溝脇選手が、きょう1軍に昇格して京セラドームへ。きのう話をしたばかりですよ~。6月に甲子園で行われた試合でホームランなど4安打と大当たり、きのうもソロを含む2安打です。ホームランは2年ぶり、今回の1軍昇格も2年ぶりのはず。しかも即スタメンだったんですね!
1戦目は2安打完封負け…
さて、また1日以上遅れての記事ですみません。きのう12日の試合詳細をご紹介します。
《ウエスタン公式戦》8月12日
阪神-中日 23回戦 (鳴尾浜)
中日 002 010 001 = 4
阪神 000 000 000 = 0
◆バッテリー
【阪神】●竹安(1敗)-山本-榎田-鶴-伊藤和-桑原-歳内 / 小豆畑-清水(9回表)
【中日】○阿知羅(7勝)(5回2/3)-福谷(1回1/3)-浅尾(1回)-小川(1回) / 松井雅
◆本塁打 溝脇2号ソロ(竹安)
◆二塁打 藤井
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]右:柴田 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .268
2]左:緒方 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .266
〃打:俊介 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .248
3]三:陽川 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .292
4]中:横田 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .289
5]指:ペレス (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .303
〃打指:梅野 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .225
6]二:板山 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .221
7]一:西田 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .216
8]捕:小豆畑 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .214
〃打:上本 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .316
〃捕:清水 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .308
9]遊:植田 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 1) .130
〃打遊:坂 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .167
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
竹安 2.1回 41球 (7-0-1 / 2-2 / 6.00) 142
山本 1.2回 11球 (0-0-0 / 0-0 / 2.05) 136
榎田 1回 21球 (1-0-1 / 1-0 / 0.00) 140
鶴 1回 11球 (0-1-0 / 0-0 / 1.71) 143
伊藤和 1回 12球 (0-0-0 / 0-0 / 7.00) 144
桑原 1回 10球 (0-0-0 / 0-0 / 5.23) 145
歳内 1回 30球 (1-1-3 / 1-0 / 7.04) 140
試合経過
竹安は1回、2死を取ってから連打され一、三塁、さらに四球で満塁としながら、谷を左飛に打ち取って無失点。2回も簡単に2死を取ったあと9番・友永に右前打と盗塁を許しますが、亀澤は二ゴロで0点に抑えました。しかし3回は先頭の溝脇に初球をライトへホームランされ、続く藤井には右中間二塁打、野本の左前打で無死一、三塁として5番・松井佑の左前タイムリー。次の谷を右飛に打ち取ったところで交代です。
1死一、二塁の場面、代わった山本が7番・古本を初球で二ゴロ併殺打に仕留め、4回は三者凡退。5回は榎田が登板して先頭の溝脇に右前打、藤井へは四球、野本の二ゴロで併殺を狙ったショート・植田の悪送球で溝脇が生還。そのあとは外野フライ2つに切って取り、1失点のみ。6回以降は鶴、伊藤和、桑原が1イニングずつを三者凡退とキッチリ抑えています。
9回は歳内と清水のバッテリー。先頭の古本に四球を与え、続く松井佑の左前打とレフト緒方の後逸で、古本が一気に生還。松井雅も二塁へ進みます。友永の犠打で1死三塁、2死後に連続四球を与えて満塁のピンチを迎えるも、最後は途中出場の三ツ俣からハーフスイングで空振り三振を奪って、最少失点で終えました。
打線は、中日の先発・阿知羅に3回までパーフェクトピッチングを許し、4回に先頭の柴田が内野安打したのがチーム初ヒット。これを捕ったサード・谷の送球エラーで柴田は二塁まで行き、1死後に陽川の中飛でタッチアップして三塁へ滑り込みました。しかし横田は一ゴロで得点ならず。5回は連続三振で2死となったあと西田が四球、6回も2死後に緒方が四球を選んだだけ。7回は福谷、8回は浅尾の前に三者凡退です。
9回は小川に対し、1死から代打・俊介が三ゴロエラー(三ツ俣の悪送球)で出て、続く陽川の左前打で一、二塁としましたが、横田はバットを粉々にされるピッチャーライナー。そして代打・梅野は二ゴロで試合終了。内野安打1本で終わらなくてよかったと言うべきかどうか…。結局2安打のみの完封負けでした。
竹安は公式戦初先発
竹安投手は4日のオリックス戦(鳴尾浜)以来の登板で、先発は7月27日の社会人・和歌山箕島球友会との交流試合についで2度目、公式戦はプロ初です。なお試合後の練習を終え、そのままウエートトレーニングに入って18時を過ぎても会えなかったため、竹安投手本人のコメントは残念ながら聞けずじまいでした。すみません。
久保投手コーチは「まだまだですねえ。彼本来の、“150キロの右腕”がまだ出いないんで。プロで1年間投げないとね。休み休みで150キロというわけにはいかないでしょう。体力がまだ順応できていないかな。毎日投げて、高い技術力やパフォーマンスが要求されるから」と話しています。
「でも手術のリハビリ後で、この1年間はある程度の時間をかけてやるということで言えば、進んでいますよ。ことしはそういう年です。今季後半、それとフェニックスリーグでどんどん投げて来年の足がかりとなるものを作りたい。もちろん1軍も狙いたいけど。経験できれば、それに越したことはないですからね」。現状としては「まだ体に勢いをつけて投げている。どこかで(その勢いを)消して投げないと」とのこと。
掛布監督も、竹安投手には「まだまだじゃないかな。ひと回りしたら、きつくなった」と、久保コーチと同じ見解です。まとめると、ボールの強さだけでなく、気持ちの強さがマウンドで感じられない。逆に歳内投手は、打たれたものの“もがき続けていた”。そういう気持ちをマウンドで出してほしい。まだ自分のボールに自信がないのかも、という話でした。
その歳内投手は、味方エラーによる失点で自責0だったものの、この日も3四球と制球に苦しむ現状です。久保投手コーチは、まだ途上かと聞かれ「そうですね。力みまくって投げているのは、ああしないと力が出ないから。次へいくために。ゲームでそう力まずにボールがいくとか、どこに力を集約すればいいかとか。もがかないと答えは出ないもの」と分析しています。
実戦復帰の榎田
次に、左内転筋を痛めて7月20日に登録抹消、リハビリを続けていた榎田投手。「ヒット1本打たれましたが、それは(ボールが)甘かったからで、それ以外は真っすぐでフライも取れたし、バッターとの距離をつかめたかなと思います。僕としては、めった打ち食らわなければ、と思っていました」
味方エラーで1点失ったあと、フライ2つで追加点を与えず。「中日は調子がいいと聞いていたけど(自分にしては珍しく)ポップフライが多かったので、よかったかも。もうちょっと低めでゴロアウトを取れた方がよかったのかなとも思いますが」と振り返りました。1軍について聞かれると「そういうことより、まずは僕の調子を上げていくだけです。痛めていた部分の予防もしつつ、段階を踏んで上げていければ」と榎田投手。
走って滑って泥んこの柴田
野手陣は…なんといっても柴田選手の内野安打と、陽川選手の左前打の計2本で完封負けだったため、話は特にありません。でも真っ黒のユニホームで引き揚げてきた柴田選手に声をかけ、少しだけ聞いています。
泥んこになったのは4回で、着替える時間はあったと思うんですけど。「ありましたよ~。着替えも持っていってたし。でも着替えなかった。ま、いいかなと思って」。4回はサード内野安打と送球エラーで二塁へ進んだ柴田選手。次の緒方選手の打席で「牽制されて戻った時、真っ黒になった!」。そして1死後、陽川選手の中飛でタッチアップし、三塁へ滑り込んで「ちょっと滑りすぎて慌てて戻ったら、さらに真っ黒」と笑っていました。
もう1人、小豆畑選手には、竹安投手が打たれたホームランのことを尋ねたところ「ツーシームです」と。真っすぐかと思っていました。「曲がらなかった…。ツーシームで内野ゴロを打たせられるかどうかで、大きな違いですよね。まあ、それならスライダーでよかったのでは、ってのもありますけど」。自身のリードについては、試合後も考えることがいっぱいです。
ボークのはずがフォアボール?
最後に、5回の榎田投手のピッチングで藤井選手が四球を選びましたが、その直前に「ボーク」という審判の声があったのです。スタンドのお客様も聞いていらっしゃたでしょうね。でもそのボールは取り消されず、そのまま四球で出塁したので「あれ、ボークは?そのボールもカウントされるの?」と不思議に思っていました。公式記録員の方に聞いてみたところ、認識不足を反省。
ボークのコールは塁審から確かにありました。なので普通なら、その投球はなかったことになります。ただし四球とか安打とか、いわゆる打者にとって有利な結果だった場合は、そちらが優先されるそうです。そしてボークは取り消し。もし打者が打ってアウトになったり三振した場合は、ボーク判定が残り、その球はカウントされないってことですね。なるほど。また1つ勉強させていただきました。