全豪オープンで16歳の日本人が史上初の快挙達成
2月2日にオーストラリアのメルボルンで、大人気アクションゲーム”フォートナイト”の国際大会「全豪オープンサマースマッシュ2020」が開催された。
同大会で日本のプロチーム"Crazy Raccoon"所属のRuri選手(16)が第3試合で見事1位に輝いた。
フォートナイトの大規模国際大会で日本人が1位フィニッシュ(ゲーム内でビクトリーロイヤルと呼ばれる)するのは史上初のこと。
日本中のファンが歴史的瞬間に沸き立ち、ツイッターのトレンドにはRuri選手への祝福のつぶやきが溢れた。
”なぜ全豪オープンがゲーム大会を主催するのか”
テニススタジアムのコートの上に、ゲーム専用の大規模セットを組み上げ行われた。
同大会はテニスの四大大会、全豪オープン主催のチャリティ大会で今年で2回目を迎える。チャリティ大会ではあるが賞金総額40万豪ドル(日本円で約3000万円)を世界中から集まった選手たちが争った。今年も昨年同様に本家のテニスを凌ぐような盛り上がりを見せ、ネットでの配信も各国で同時に数万人が視聴した。
特に会場で目立っていたのは子どもたちの姿だ。見た目で中学生以下ぐらいの年齢層だろうか、多くの子供達が観戦に訪れ選手たちにサインを求めていた。
本家テニスの全豪オープン会場は、聖地ウィンブルドンと比べるとカジュアルな印象もあるが、依然として大人のたしなみであることは間違いないだろう。
しかし、ここでは10代の選手を同世代の子どもたちが応援していることに強い将来性を感じる。
「若い層を取り込みたい」という主催側のメッセージも透けて見えるような光景だった。
”ブラジルの人口より多い登録者数”
フォートナイトは米Epic Gamesが2018年に配信を開始し、全世界で2億5000万人以上が登録する超人気ゲームタイトルだ(2019年3月時点)。
PCだけでなくPS4、Xbox One、ニンテンドーSwitch、スマートフォンなど多様なデバイスで無料で遊ぶことが出来ることから、幅広い世代を中心に人気を博している。
”タイガー・ウッズやジョコビッチを超える16歳”
今回、日本人初の偉業を成し遂げたRuri選手本人も16歳という驚くべき若さだが、去年のワールドカップ出場など、すでに国際大会での経験も多い。
さらに、昨年そのワールドカップで世界一に輝いたアメリカのBugha(ブーガ)選手も16歳という若さで優勝賞金およそ3億3000万円を手にした。これは、同年にウィンブルドンを勝ったジョコビッチや、マスターズ優勝でカムバックを見せたタイガー・ウッズの賞金を凌ぐ単一大会での獲得賞金額だった。
当然、ジョコビッチとタイガーウッズが16歳だった当時の獲得賞金も上回っている。
今回のRuri選手の活躍で、そんな新時代のスーパースターが日本からも生まれる日も遠くないと確信した。
また、Ruri選手は今回の獲得賞金を全額オーストラリアの森林火災の援助に寄付すると発表。
「16歳の青年がゲームを通じ、世界を救っている」というまぎれもない事実。
昨今、子供向けのゲーム規制条例なども話題を呼ぶが、これを期に少しでもゲームの新たな側面を知って頂ければ幸いだ。
日本の代表として世界で戦う16歳の青年を応援しない理由がどこにあるだろうか。
これからRuri選手をはじめ、日本のフォートナイトシーンで活躍する若き選手たちには是非注目頂きたい。