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ジス&ボヒョン交際 韓国で報じられていること 「なぜ事務所は認めた?」「ボヒョンへのプレッシャー」

BLACKPINKのジス 今年2月のファッションブランドのイベントにて(写真:REX/アフロ)

BLACKPINKジスと俳優アン・ボヒョンの交際報道が韓国でも大きな話題となっている。

なにせ芸能枠を超えて一般ニュースでも上位ランキングに入っている。

韓国最大のポータルサイト「NAVER」では4日付の媒体別デイリーニュースランキングで「韓国日報」1位、「ヘラルド経済」で4位に入った。芸能ニュースが一般ニュースも含めた全体のランキング入りすること自体が異例で、さらに1位を獲得することもまれだ。

もともとの交際報道は、3日にインターネットメディア「ディスパッチ」がスクープしたもので「スケジュールを調整して二人が海外で会ってきた」「最近はソウルの家でも会っている」「ジスは演技にも関心があり、その点もフィーリングが合う」といった点を報じた。

過去には「ヒョン・ビン&ソン・イェジン」などの熱愛スクープを報じ続じてきた同紙。日本の写真週刊誌と同じく、丹念に行動を追い、ツーショット写真を押さえ、その後事務所側に事実確認を行うという記事内容だ。

交際の事実もさることながら、今回、韓国で大いなる注目を集めている点がいくつかある。

まずは「両事務所が事実を認めた」という点だ。つまりは、なぜジスの所属事務所YG ENTERTAINMENTが「お互いを知っていく関係にある。見守ってほしい」とコメントを発したのか。

韓国各メディアの「後追い報道」はこの点に集中しているといってもよい。これまでもBLACKPINKのメンバーたちには熱愛報道がたびたびあったが、すべてを否定してきた。昨年5月にはジェニーはBTSのVと一緒にいる写真がハッカーによって漏洩したが、事務所は交際を否定。また、今年4月にはロゼと俳優カン・ドンウォンに噂が立ったが、YG側は「所属アーティストのプライベートの話は確認が困難」とノーコメントに近い立場を取りつつ、噂が大きくなるにつれて「事実無根」であると発表していた。

写真:REX/アフロ

「変化」の理由は海外メディアの引用に頼る

とはいえ、韓国メディア側も関心こそあれど「なぜ認めたのか」を探ることは簡単ではない。

そこで多く報じられているのが、今回の交際報道についてアメリカCNN、イギリスBCCが記した分析だ。海外メディアの目から「時代の変化」を伝えている。

8月5日、「News1」はこう報じた。

「BLACKPINKのメンバーであるジスと俳優アン・ボヒョンが公開恋愛を始め、国内外のファンから大きな注目を集めている。この過程で、YGがジスの恋愛をすぐに認めたため、国内外のファンは皆驚いている状況だ。海外の反応も同様である。当日(現地時間)、CNNは今回の報について『韓国芸能界の典型的な秘密主義から脱却したもの』と報道した。BBCは『10年前であれば、韓国芸能事務所は新人歌手のデートを禁止したり、携帯電話を持たせなかったりした。恋人関係を認めることはタブーとされた』として、変化した恋愛の噂への対応方法を取り上げた」

BBCは「K-POP産業がますます成熟している証」「アーティストたちが過去の制約を押しのけるほどの自信を得ている」と論じた。

アンに突如巻き起こった猛批判

もうひとつ、多く見られるのがアン・ボヒョンへの“過度の注目”だ。

3日に熱愛発覚後、8月5日までにSNSのフォロワーが爆増。451万人にまでなった。アメリカやイギリスのメディアのメディアではアン・ボヒョンを「シンデレラ」に例えて「アンデレラ」と呼ぶ向きもあるという。

いっぽう、国内では意地の悪い視線も投げかけられている。

国内で影響力の強いネット掲示板では、2021年に放映されたドラマ「ユミの細胞たち」のメイキング編集版が公開された。そこで女性のメインキャストが現場でインタビューを受けている際に、後方で映っているアン・ボヒョンの姿に厳しい声が浴びせられたのだ。

台本を読むアン・ボヒョン。しかし、本人は台本を持たず、女性スタッフに持たせている。

これに対して、一部ネットユーザーはこんなコメントを書き込んでいる。

「台本は自分で持たないと」

「まさか台本持ちの代行?」

いっぽうで

「前後の状況がわからない」

「人格を判断するのは早計」

「魔女狩り」

という反応も。

8日には「OSEN」が、上記2021年のドラマメイキング映像時に台本を持っていた女性が「アン・ボヒョン担当だったヘアメイクアーティストだった」という点を報じた。それも2015年のアン・ボヒョンの俳優デビュー時から仕事をしてきた関係だという。だからどうしたんだ、という点が記されていないこの記事…それでも同メディアは「スクープ」として伝えている。世界的なスター、ジスの彼氏も楽ではない。

「朝鮮日報」系の「朝鮮Biz」は過熱する状況についてこう論じている。

「現在、アン・ボヒョンを取り巻く問題のほとんどが前後の状況が把握できていない断片的な内容だ。(批判ではなく)非難に近い。ジスとの恋愛で注目を集めるなか、彼に関する否定的な問題が明らかにされ、非難されている。ジスとアン・ボヒョンの側の(交際を認めた際の)言葉通り、お互いを少しずつ理解し始めている二人だ。肯定的な感情で応援すべき時ではないだろうか」

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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