30得点でクリッパーズを6連敗に突き落とした若き司令塔
試合終了のブザーが鳴る43.9秒前、ロスアンジェルス・クリッパーズのカワイ・レナードがドライブからのレイアップを決め、アトランタ・ホークスに追いついた。
スコアは108ー108。
Crypto.comアリーナに詰めかけた1万9068人のファンの多くは、立ち上がって絶叫する。
現在、西地区7位のクリッパーズは、負けてしまうと6連敗となる。ホームのファンの前で、それは避けたかった。
しかし、ホークスのポイントガード、トレイ・ヤングが、ここから勝負強さを発揮する。
残り時間33.1秒でジャンプショットを決めて110-108。続いて残り5.7秒にはマーカス・モリス・シニアのファールを誘い、フリースローを得る。その2本を危な気なく成功させ、ホークスは112-108でクリッパーズを下した。
ヤングのこの日の得点は両チームを通じて最多の30。2位がレナードの29であった。
2021年、ヤングにとって初となるPlayoffで、満身創痍となりながらもホークスを牽引した姿が印象的だった。同シーズンのアトランタが合言葉とした「Believe」は、今日も健在だと感じさせるような勝ち方だった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210625-00244465
あれから2年近くが経ち、すっかりスター選手の仲間入りを果たしたものの、ゲーム前に念入りにシュート練習する様は変わらない。
クリッパーズ後、「切り替えのスピードを意識した。そして走って、速いペースでプレーすることが大きな鍵だった」と語ったヤングは、今季がNBA選手として5年目。オクラホマ大学では1年プレーしたのみで、アーリーエントリーしてドラフト1巡目5位となったため、まだ24歳である。
接戦を制したホークスは、この勝利で、ホークスのネイト・マクミラン監督に通算750勝目をプレゼントし、マクミランは歴代4位となった。
とはいえ、19勝21敗で東地区10位とホークスが苦しんでいるのも事実だ。クリッパーズ戦をきっかけに、浮上できるか。ヤングのリーダーシップに期待したい。