オートバイのあれこれ『スポンサーカラーが鮮やかだった!』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今朝は『スポンサーカラーが鮮やかだった!』をテーマにお話ししようと思います。
近頃の新しいオートバイではもうほとんどありませんが、オートバイの歴史を遡ると、かつてはレーシングマシンを模したスポンサーカラーを新車購入時に選べた時代がありました。
今回は、かつて有名だったスポンサーカラーを、それが配色されたオートバイとともに振り返ろうと思います。
◆『ロスマンズ』カラー
「ホンダのスポンサー」と聞いて、最近のMotoGP(ロードレース世界選手権)などを観ている人であれば『Repsol(レプソル)』がまず頭に思い浮かぶかもしれません。
ただ、こと1980年代のホンダにいたっては、『Rothmans(ロスマンズ)』が最もメジャーだったと言えるでしょう。
ロスマンズは過去に存在したイギリスのタバコおよびビールメーカーで、二輪・四輪問わずモータースポーツを幅広く支援していた実績がありました。
二輪レースでは、1985年(昭和60年)から世界グランプリにてホンダをサポートし、当時のホンダのワークスレーサー『NSR500』等はネイビーとホワイトの2トーンを基調としたロスマンズカラーをまとっていました。
そして、ホンダは88年リリースの市販レーサーレプリカモデル『NSR250R』(MC18型)のSP仕様へこのロスマンズカラーを採用。
レーシーなカラーリングに加え、このSP仕様のNSRはホイールが市販量産車としては史上初のマグネシウム製となっており、その特別感から人気を博しました。
現在もロスマンズカラーに愛着を抱いているバイクファンは少なくないようで、お金をかけてロスマンズカラーに塗ったカウルや、ロスマンズカラーが施された社外品のカウルを愛車に装着している人もたまに見かけますね。
今のこの時世、タバコの銘柄がドーンと配されたオートバイなんて登場するはずもなく、ロスマンズカラーはまさに“当時だからこそ成り立った車体色”だと言っていいでしょう。