九州で総雨量500ミリ以上の計算も。災害級の大雨に厳重警戒。
過去に幾度となく豪雨が起きたパターン
こうなると、いよいよ本州付近の梅雨は本格化することになり、いつどこで大雨が降ってもおかしくない状況となります。
その大雨が早速やってきそうで、しかも災害をもたらすような危険度の非常に高い大雨(豪雨)となる予想です。
その大雨をもたらすのは本州付近に停滞する梅雨前線。
この前線に向かって、沖縄地方に梅雨明けをもたらした太平洋高気圧の縁を回り、非常に湿った空気が流れ込むため、前線付近で雨雲が発達するでしょう。
これは過去に幾度となく大雨災害が発生した天気図で、梅雨前線の上下動が小さければ、同じような場所で数日間にわたり、大雨が降り続くような危険度の高いパターンです。
線状降水帯発生のおそれも
雨は今夜以降、西日本を中心に強まる所が出てくるでしょう。
そしてあす日曜日のポイントはまず北陸での大雨。活発な雨雲の集団が北陸めがけて集中的に流れ込むため、危険度がかなり高い地域となります。
さらにもっと危険度が上がるおそれがあるのが九州。
上図赤丸の中に東西に寝たような雨雲がみられますが、これが活発化して次々に流れ込む、あるいは次々に発生するようなことになると、いわゆる線状降水帯と呼ばれる最も危険度の高い雨雲に発達してしまいます。
気象庁による説明では、線状降水帯とは「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」と定義されており、昨年の西日本を中心とした豪雨や一昨年の福岡県朝倉市などで発生した豪雨、また5年前の広島豪雨などでもその発生がみとめられました。
日曜日の九州は南からの暖湿流と北からの乾いた空気がちょうどぶつかり合い、しかも南北の上下動があまりない状況となりますので、この線状降水帯の発生も十分に考えられ、監視を強化しなければなりません。
九州で500ミリ超の計算も
ひとつの雨量計算モデル(GSM)では、あさって月曜日午前6時までの48時間雨量が上図のように計算されています。
東日本から西日本の広い範囲で100ミリ以上で、北陸や岐阜県、九州などは200ミリ以上の所がみられます。
特に九州は300ミリから400ミリ以上の所もあり、熊本県の阿蘇地方など山沿いでは500ミリ以上と計算されている所もあります。
さらに上述したような線状降水帯が発生してしまうと、わずか数時間で200~300ミリといったような豪雨となることも考えられ、状況によっては最大級の警戒が必要となるかもしれません。
気象庁からも多大な予想雨量が発表されていて、警戒が呼びかけられています。
月曜日以降は西日本の太平洋側で大雨か
月曜日の朝以降は梅雨前線がやや南下するため、九州南部から紀伊半島にかけての太平洋側に雨雲の主体は移る予想です。
ただ梅雨前線の上下動の予想は難しく、この予想通りとなるかはなんとも言えません。もしあまり南下しないような場合は、さらに九州北部などで雨量が増える心配もあり、最新の予想に十分な注意が必要です。
これから週明けにかけて、命に危険が生じるような大雨があちらこちらで降るおそれがあります。
気象庁から発表される情報はもちろん、自治体から発表される避難レベルの情報などにも十分注意をはらって頂きたいと思います。
避難場所の確認や早めの避難などが命を守る行動です。