ゆっくり南下する秋雨前線と残り少ない残暑
秋雨前線
秋雨前線が日本列島に停滞し、全国的に曇りや雨の日が多くなっています(図1)。
夏から秋へという季節の変わり目に現れる秋雨前線は、春から夏への季節の変わり目に現れる梅雨前線と似ていますが、違う所もあります。
梅雨前線は、沖縄付近に出現し、次第に北上します。
季節が進むとともに気温が高くなり、水蒸気も多くなりますので、梅雨初期より梅雨末期のほうが豪雨になります。
秋雨前線は、北日本に出現し、次第に南下します。
季節が進むとともに気温が低くなり、水蒸気が少なくなり、大雨の可能性が少なくなります。
秋雨前線で大雨になるのは、秋雨の初期、つまり今頃です。
気象庁は早期注意情報を発表し、5日先までの警報の可能性についての情報を「高」「中」の2段階で発表しています(図2)。
これによると、9月18日は、北海道南部から九州北部まで日本海側を中心に大雨の可能性があり、秋田県や山口県および九州北部では特に大雨の可能性が高くなっています。
これは、前線に向かって暖かくて湿った空気が流入するため、大気が不安定となっているためです。
日本海側の地方では、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒・注意し、竜巻などの激しい突風や落雷、降ひょうに注意してください。
16日先までの天気予報
秋雨前線は、ときどき南北変動をしますが、大きく見ると日本付近に停滞しています。
このため、これからも曇りや雨の日が続きます。
例えば、東京の16日先までの天気予報を見ると、半数以上の日に傘マーク(雨)があり、ほとんどの日に黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)があります。
お日様マーク(晴れ)や、白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)の日はほとんどないという予報です(図3)。
なお、東京の16日先までの天気予報は、降水の有無の信頼度が、5段階で一番低いEとか、二番目に低いDの日が多いという信頼度の低い予報です。
東京の最高気温を見ると、8月は最高気温が35度以上の猛暑日が出現しており、9月の上旬までは最高気温が30度以上の真夏日が出現していました。
しかし、9月中旬以降では、9月18日(予報)を除いて、真夏日はなくなっています(図4)。
最高気温が25度以上の夏日が続き、平年より高い日が多いとっても、平年値自体が低くなっています。
また、最低気温が25度以上の熱帯夜も、9月中旬以降では、9月18日(予報)を除いて、熱帯夜もなくなっています。
9月18日が最後の残暑?
東京以外の地方でも、気温に関していえば、似た傾向を示しています。
猛暑日は9月中旬以降の観測はありませんし、真夏日も9月中旬以降、大きく減っています(図5)。
真夏日は、9月17日に少し増えていますが、そのあとは減る見込みで、事実上は、9月18日が最後の残暑となりそうです。
熱中症や夏バテは、気温は非常に高いものの十分な対策が行われている真夏より、気温が下がり始めた初秋に多いといわれています。
暑い季節もあとわずかといっても、油断しないでください。
タイトル画像、図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ資料をもとに著者作成。
図5の出典:ウェザーマップ資料をもとに著者作成。