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イ・ボミもびっくり!? 全米大注目の17歳女子高生ゴルファー、ソン・ウンジョンってどんな選手?

金明昱スポーツライター
2016年の全米女子ジュニアと全米女子アマを制したソン・ウンジョン(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

メジャーでホールインワン達成

米女子ゴルフツアーのメジャー第1戦、ANAインスピレーションが30日に開幕した。日本では2年連続で大会に出場するイ・ボミや宮里藍ら日本勢に注目が集まるなか、初日から猛チャージを仕掛けてきたアマチュアがいた。

その名は韓国出身の17歳、女子高生のソン・ウンジョンだ。ソンのプレーに観衆が沸いたのは5番パー3(182ヤード)。6番アイアンのショットはピン手前の約5メートルに落ちてそのままカップインした 。ソンは1番、2番でも連続バーディーを奪うなど、アマチュアとは思えない落ち着きぶりが随所に光った。最終的にこのホールインワンと4バーディー、2ボギーの通算4アンダーで暫定2位の好発進を決めた。優勝争いにも食い込む勢いだ。

「韓国ツアーでは、色んな天候でプレーするので、風は気になりませんでした。去年、このコースで優勝したことがあるのでとても良い思い出があります」

同国出身のイ・ボミも後輩のホールインワンとそのプレーにきっと驚いていることだろう。

それにしても、ソン・ウンジョンとは一体、どんな選手なのか。実は彼女、米国ですでに“モンスターアマ”としてその名を轟かせている。その理由は、2016年の全米女子ジュニアゴルフ選手権と全米女子アマチュアゴルフ選手権の2大会を制しているからだ。この2大会を同じ年に制したのは米女子ゴルフ史上、ソンが初めてだ。ちなみに15年全米女子ジュニアも制している。

ショートカットのヘアスタイルに力強い目力。風貌はそれこそ女子アスリートそのもの。1999年10月生まれの韓国出身で、身長は174センチ、体重72キロ。恵まれた体格を生かしたドライバーショットの平均飛距離は280ヤード。圧倒的な飛距離でスコアを伸ばす典型的なロングヒッターだ。

ANAインスピレーションの初日に記録したドライビングディスタンスを確認すると283.5ヤードで、17歳の女子選手とは思えないほどのパワーは米ツアーでも十分通用することを証明している。

目標は2020年の東京五輪

ソンがゴルフを始めたのは7歳からで、同時にサッカーや水泳も経験した。本格的にクラブを握ったのは10歳からで、徐々にゴルフの才能を開花させていった。2011年の韓国女子プロゴルフ会長杯で優勝したあと、2011~2013年まで韓国ナショナルチームにも選出された。

すでにプロの世界でもその実力は認められており、昨年は韓国女子ツアーの「BCカード・韓国経済レディスカップ」で2位の実績を残している。

昨年11月、『韓国スポーツ経済』のインタビューで将来の夢をこう語っている。

「今年はプロの大会で優勝して、2018年には韓国ツアーで新人賞を獲得したい。2019年には世界ランキングを上げて、2020年の東京五輪に出ることが目標です」

近い将来、米ツアー進出も考えているというソン。今年10月で18歳を迎えるソンが晴れてプロに転向し、着実に成長すれば、3年後には東京五輪でその姿を見ることができるかもしれない。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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