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佐藤天彦九段、横歩取りに誘導 藤井聡太竜王、堂々と受けて立つ 棋王戦挑決二番勝負第2局開始

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月27日10時。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定二番勝負第2局▲藤井聡太竜王(20歳)-△佐藤天彦九段(34歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 長いトーナメントもいよいよ本局が最終戦。勝者が渡辺明棋王(38歳)への挑戦権を獲得します。

 第1局は振り駒で先手は藤井竜王でした。第2局も改めて振り駒がおこなわれ「歩」が3枚、「と」が2枚出て、先手は藤井竜王と決まりました。

 10時。

「それでは時間になりましたので、藤井先生の先手番でお願いいたします」

 両対局者は「お願いします」と一礼。持ち時間各4時間(ストップウォッチ形式)の対局が始まりました。

 藤井竜王は紙コップに注がれたお茶を口にしたあと、しばし瞑想。そして初手、飛車先の歩を突きました。

 対して佐藤九段もしばし目を閉じます。消費時間は1分。佐藤九段は2手目、角道を開けました。

 藤井竜王はスーツの上着を脱ぎ、グレーのセーター姿となります。

 佐藤九段はもちろん、事前に十二分に作戦を練ってきたのでしょう。本局では横歩取りに誘導。対して藤井竜王はいつもの通り、15手目、堂々と横歩を取りました。

 16手目。佐藤九段は桂を跳ねます。勝者組決勝・羽生善治九段戦において、佐藤九段が初めて採用した戦型です。

 どちらかといえばマイナーな形において、佐藤九段がなにかしら、新たな鉱脈を見出したということなのでしょう。

 藤井竜王の今年度成績は、未放映のテレビ対局をのぞいて33勝7敗(勝率0.825)。現時点では徳田拳士四段に次ぐハイアベレージです。

 今夜は銀河戦決勝も放映されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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