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「うるさすぎて眠れない」神奈川県が緊急速報エリアメール夜中に十数回発信。通知オフ後の再有効化忘れずに

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
神奈川県だけ緊急速報の回数が突出している。ドコモより。画像は筆者加工。

 地震や津波などの災害を通知してくれる緊急速報「エリアメール」を、神奈川県が15日夜から16日朝にかけて何度も送ってくるため「うるさすぎて眠れない」との不満の声がSNSであがっています。

トンガ沖噴火による津波予想、神奈川県だけで600回以上通知

 問題の緊急速報は15日13時ごろにトンガ諸島で起きた大規模な噴火による津波を警告するもので、太平洋沿岸部に住んでいる多くの人が同じように目にしたことと思います。

 問題は、その緊急速報を通知する回数があまりにも多いことです。

 ドコモが提供しているエリアメールの全国の配信履歴を確認してみると、ほかの都道府県では多くても40回程度にとどまっているなか、神奈川県だけ600回以上も発信しています。

神奈川県の地域ごとの緊急速報の回数。ドコモより筆者キャプチャ。
神奈川県の地域ごとの緊急速報の回数。ドコモより筆者キャプチャ。

 しかも、この数字はいまも増え続けています。

 この「600」という数字は神奈川県全体のものですが、地域ごとで見ても多いところは20回も送られています。

 時間帯も0時16分から始まり、26分、39分、45分、50分、1時01分――そして5時30分と数分から1時間の間隔で緊急速報が鳴り続けているような状態です。

横浜市鶴見区で緊急速報が送られた時間帯。ドコモより筆者キャプチャ。
横浜市鶴見区で緊急速報が送られた時間帯。ドコモより筆者キャプチャ。

 これはさすがに「眠れない」と苦情が出ても仕方のないレベルでしょう。

緊急速報の通知オフにできるが、再有効化を忘れずに

 こうなると「あまりのうるささに緊急速報の通知をオフにする人」が出てきます。というかすでに「通知オフにした」との声を確認できます。

 ちなみに緊急速報「エリアメール」の通知は

  • iPhone:【設定】→【通知】→【緊急速報】(一番下にスクロールで表示されます)
  • Android:【災害用キット】→【エリアメール】→【設定】(ドコモの場合。基本的には検索バーで「緊急」「エリア」のキーワードを検索すると設定メニューを開けます)

 からオフにできます。

 複数の端末を所有しており、それぞれが鳴り出して困っている方はメインスマホ以外をオフにするとあちこちで緊急速報が鳴らなくなるのでおすすめです。

 スマホがメイン1台という人は、電源を切ったり、機内モードにしたりすることでも対応できます。

 ただ、これらの対処のなかで通知をオフにした人は落ち着いたころに「緊急速報の通知を再度オンにする」ことを忘れないようにしてください。

 たとえば寝る前にオフにしたのであれば、起きたあとは絶対にオンにしましょう。オフの状態のままではもしも災害が起きた場合、その通知を受け取れません。

 リマインダーアプリの活用やカレンダーにスケジュールとして登録するなど、緊急速報の通知の再有効化を忘れないようにしましょう。

神奈川県は緊急速報「エリアメール」の運用見直しを

 ただ、問題なのはやはり神奈川県による緊急速報の運用方法だと思います。

 今回のように夜中にあまりにも多くの緊急速報(しかも一度知ってしまえば不要な内容)を送ってしまっては、通知をオフにする人が出てきます。

 その人たちが再有効化するのを忘れていた場合、もしくは夜間に別の大規模災害が起きた場合、その通知を受け取ることができなくなるのです。

 その責任は夜中に緊急速報を何度も送り続けた神奈川県にあります。

 神奈川県と緊急速報の組み合わせと言えば、2020年5月にも「GW期間中の外出自粛要請」を緊急速報で送ってしまうという「誤った運用」がありました。

 今回の件で一番大きな3メートルの津波が予想された岩手県が40回なのに対し、なぜ神奈川県は600回なのか? 神奈川県の説明と今後の改善案が待たれます。

1月16日21時00分追記

 16日14時、神奈川県の黒岩知事が「委託業者が誤ったプログラムを設定していたことが明らかになりました」とTwitterで報告しました。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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