人間関係に悩んでいる人へ。ネルソン・マンデラの名言「恨みを持つことは…」英語&和訳(偉人の言葉)
こんにちは!ほんやく検定1級翻訳士の鈴木隆矢です。
今回はネルソン・マンデラの名言をご紹介します。ネルソン・マンデラ(1918~2013年)は南アフリカ史上初の黒人大統領で、1993年にはノーベル平和賞を受賞しています。
今回は人間関係に悩んでいる人に届けたいネルソン・マンデラの名言をご紹介します。
ご紹介する名言につきましては、BrainyQuote というアメリカのサイトに記載されているものをGoogleの書籍検索にかけ、それが英語圏の複数の書籍で使用されていることを確認の上、その人物の言葉として記事に掲載しております。
古い人物の言葉ですとそれが本当にその人物の言葉なのか確認が難しい場合もございますが、複数の書籍で使用されている言葉であれば、それがその人物の考えを反映した言葉であると判断できるのではないかという考えのもと記事を執筆しております。
人間関係に悩んでいる人へ。ネルソン・マンデラの名言「恨みを持つことは…」英語&和訳(偉人の言葉)
「恨みを持つことは、自分が毒を飲んで敵が死ぬことを期待するようなもの」
ネルソン・マンデラ(南アフリカ史上初の黒人大統領)
恨みを捨てる。人を許すのは自分のため。
私は2020年に仕事をクビになったのですね。契約社員のような形だったのですが、4年半雇ってもらって、自分にとっては初めての翻訳家としての仕事だったということもあって、クビになったときはショックだったのですね。悔しい気持ちもあって。それが段々恨みに変わっていってしまったのですよね。
今振り返れば、その経験があったから今がある。その会社がチャンスをくれなかったら今の自分はない。
何も知らなかったのですよね。それまでは父親の仕事の手伝いをしていたのですね。父親が土木の仕事をしていてその手伝いをしていた。翻訳家としての仕事を何一つ知らなかったのですね。請求書の出し方も分からない。領収書の書き方も分からない。それをその会社の担当の方が丁寧に教えてくれたのですよね。
恨んでいい理由などどこにもなかった。
十二因縁
仏教には十二因縁という教えがあるそうなのですね。
仏教には輪廻転生の考えがありますよね。人は生まれ変わるという。
動物が人間に生まれ変わることもあるそうなのですね。動物として徳を積む、善行を重ねる。それによって人間として生まれ変わることができるのだと。
では、人間になったらその先はないのかというと、そうではなくて「解脱」。解脱というのは輪廻転生のサイクルからの解放を表すと。
この世は修行の場なのだと。何度も生まれ変わり、修行を重ね、「もうこれ以上は生まれ変わる必要はありません」というところまで魂を向上させられると、その先にあるのが「解脱」。輪廻転生からの解放。
そこに到達することを目指して、人は何度も生まれ変わる。この世で修行を重ねる。
十二因縁というのは、輪廻転生のサイクルから抜け出すことができない原因を説いたものなのだと。
- 無明(むみょう)
- 行(ぎょう)
- 識(しき)
- 名色(みょうしき)
- 六処(ろくしょ)
- 触(そく)
- 受(じゅ)
- 愛(あい)
- 取(しゅ)
- 有(う)
- 生(しょう)
- 老死(ろうし)
十二因縁は「無明」を因として「行」という果をもたらす、のように前者を因として後者が果となるという形で展開していきます。
「無明」とは、物事の真理を知らないこと。
この世の一切は無常であり、自己という固定したものは存在しないこと、物事が思い通りにはならないこと。それを知らないこと、それが「無明」と。
「行」とは、無明ゆえに誤った行いを繰り返してしまうこと。「識」とは、無明を根底とした認識。
「名色」とは、精神と肉体。「六処」とは、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つの感覚器官。
「触」とは、六つの感覚器官が外の世界に触れること。外の世界に触れることで生じる「心地よい」「心地よくない」という感覚、それが「受」。
心地よい経験には渇愛が生じ、心地よくない経験には嫌悪が生じる。これが「愛」。
それが進むと「それがないと生きていけない」「それがどうしても許せない」と、そこにとらわれた状態になる。それが「取」。
そのとらわれによって、その人はこの世に完全に結びつけられた状態になる。それが「有」。
この世に結びつけられることで、その人は再びこの世に生を受けることになる。それが「生」。
そして、やがては老い衰え、最後は全てを手放し、再び死を迎える。それが「老死」。
無明(①)が執着(⑧愛・⑨取)を生み、執着が輪廻転生からの解脱を妨げるのだと。
自分のために許す
人を許す。恨みを捨てる。それは相手のためにするのではないと。自分のためにするのだと。
腹が立っているとき相手を許す。相手のために何かをする。それは簡単なことではありませんよね。腹が立っているとき、それは相手のことが大嫌いなときですからね。ただ、それは自分のためなのだと。相手を許すのは自分のため、自分を救うため。
腹の立つことをされて、それが恨みに変わって、その結果いつまでたっても輪廻転生から解脱することができない。そこで苦しむのは自分自身なのだと。相手にとってそれは痛くもかゆくもない。
人間関係に悩んでいる人へ。「怒り」に関する世界の偉人の名言3選
いかがでしたでしょうか?今回はネルソン・マンデラの名言をご紹介しました。
私が運営しているブログ『ほんやく検定1級翻訳士の【英会話フレーズ集】』の『ネルソン・マンデラの名言集【英語原文と和訳】』(外部リンク)という記事では、今回ご紹介したものを含めて、ネルソン・マンデラの名言を15句ご紹介しております。興味のある方はそちらもご覧ください。
また、私のブログ『ほんやく検定1級翻訳士の【英会話フレーズ集】』の『「怒り」に関する名言集【英語原文と和訳】』(外部リンク)という記事では、「怒り」に関する世界の偉人たちの名言を14句ご紹介しております。興味のある方はそちらもご覧ください。
では、最後に「怒り」に関する世界の偉人の名言を3句ご紹介します。
「怒りについて罰を受けるのではない、怒りによって罰を受けるのである」
ブッダ(古代インドの宗教家)
「波の立たない心には全宇宙が降伏する」
老子(古代中国の思想家)
「感情は言葉にすると無駄になってしまうと思います。感情は全て結果を生む行動に蒸留すべきです」
フローレンス・ナイチンゲール(イギリスの看護婦)
お読みいただき、ありがとうございました!