クリスマスまで南下している冬至寒波で大雪 太陽が生き返る一陽来復の日に運が重なる食材「冬至七草」
地軸の傾きが季節を作る
地球は1年間かけて太陽のまわりを公転しています。
地球と太陽の距離は同じではなく、北半球の夏に1億5210万キロと遠くなり、冬に1億4960万キロと近くなります。
つまり、北半球の冬は夏に比べて太陽に近く、その分だけ太陽からのエネルギーを多く受けています。
北半球で太陽から多くのエネルギーをもらっている冬が寒いのは、地球の回転軸が23.4度という傾きをもって太陽の周りを公転しているからです(図1)。
太陽の光が斜めから入射する場合と、真上から入射する場合では、単位面積当たりの光の量が違いますが、地球の回転軸が傾いていることにより、より真上から太陽の光を受けることで暑くなる時期と、より斜めから太陽の光を受けることで寒くなる時期ができます。
北半球の冬は、太陽の光が斜めに当たって寒くなる時期にあたっており、太陽が近くなって暖かくなる効果を打ち消しています。
冬至七草
12月22日は冬至で、太陽が一番斜めに入射し、夜が一番長くなります。
冬至の日は、この日を境に日はまた伸びることから「一陽来復」とも言われますが、気温が一番低くなるのは冬至以降です。
冬至の日には、「ん」が重なってつく7種の食材を食べると、「ん」が「運」になるということで、新年に向かって縁起が良いとされています。
「ニンジン」「レンコン」「インゲン」「ギンナン(銀杏)」「ナンキン(かぼちゃ:タイトル画像)」の5つに、地方によって違いますが、「キンカン」「カンテン」か「ハンペン」「ウントン(うどん)」を加えた7種です。
「いろはにほへと」が「ん」で終わることから、「ん」には、一陽来復の願いが込められているという説もあります。
ただ、「冬至七草」は、体を温める根菜類が中心ですので、これから寒さが本番となる冬を乗り切る体力をつけるのに適した食材ということから、縁起だけではない昔の人の知恵を感じます。
新たな年に向かうにあたり、健康と社会の平穏を願って、「冬至七草」を食べませんか。
ただ、今年は、冬至前に強い寒波が南下しています。
冬至寒波
強い寒気の目安として、上空約5500メートルの気温が使われます。
上空約5500メートルで気温が氷点下30度以下なら強い寒気、氷点下36度以下なら大雪の可能性があるというものです。
現在、上空約5500メートルで氷点下30度以下の範囲は東北から北陸まで南下しています。
また、氷点下36度以下の範囲は東北北部まで、氷点下42度以下という真冬でもめったにない強い寒気も北海道まで南下しています(図2)。
北日本から西日本は日本海側を中心に、西高東低の冬型の気圧配置が強まる見込みですが、等圧線の混んでいる所が強い寒気が南下している所ですので、12月22日は西日本、23日は北日本を中心に寒気が南下してくると思われます(図3)。
日本付近の上空には真冬並みの寒気が流れ込んでおり、北日本や北陸で大雪となっている所がありますが、23日(土)にかけての強い寒気流入で、北日本から西日本は日本海側を中心に大雪となる所がある見込みです(図4)。
積雪や路面の凍結による交通障害に警戒し、電線や樹木への着雪、なだれに注意してください。
12月21日に最低気温が0度を下回った冬日を観測したのは604地点(全国で気温を観測している914地点の約66パーセント)、最高気温が0度を下回った真冬日を観測したのが213地点(約23パーセント)でした。
そして、冬至の12月22日には冬日が710地点(約78パーセント)、真冬日が262地点(約29パーセント)と、一段の冷え込みになりそうです(図5)。
特に西日本の寒さ
冬至寒波は、西日本を中心に南下していることから、西日本の冷え込みが顕著です。
例えば、福岡では、12月15日に最高気温23.7度を観測した後気温が急降下し、17日以降は最高気温が10度以下という日が続いています(図6)。
平年の最低気温以下の日まで予想されています。
福岡で最高気温が平年を上回るのは、クリスマス後の12月26日以降で、そのあと、暖かい年末年始を迎えます。
ここ数日の寒さに警戒してください。
図1の出典:饒村曜(平成26年(2014年))、天気と気象100、オーム社。
図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:気象庁ホームぺージ。
図5の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図6の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。