【NHL】カナダからプレーオフへ一番乗り!でもウィニペグジェッツには乗り越えなくてはならない壁がある
NHLのレギュラーシーズンは、あと二週間を残すのみとなりました。
終盤戦を迎え、イースタンカンファレンスでは、タンパベイ ライトニングと、ボストン ブルーインズの両チーム。
一方のウエスタンでも、ナッシュビル プレデターズが、プレーオフ進出を決めたのに続いて、昨夜(現地時間)の試合で連勝を5に伸ばした ウィニペグ ジェッツ が、3季ぶりのプレーオフ進出を決定!
カナダをホームタウンとする7チームの中で、ポストシーズン一番乗りを果たしました。
▼今季のカナダ最強チーム
当サイトで元日に公開した記事でも触れましたが、今季のウィニペグの強みは「攻撃力」
昨夜の試合を終えた時点での平均得点は「3.33」。この数字はベガス ゴールデンナイツと並んで、ウエスタンでナンバーワン。
イースタンに目を転じると、同じくカナダにホームタウンを置く トロント メイプルリーフス が、平均得点「3.40」と、わずかにリードしていますが、両チームの得失点差を比較すると、
ウィニペグ → プラス52(リーグ3位) トロント → プラス42(同6位)
となり、終盤戦を迎えても、ウィニペグが「今季のカナダ最強チーム」だと言えるでしょう。
▼乗り越えなくてはならない大きな壁
しかし、ウィニペグには乗り越えなくてはならない大きな壁があります。
それは、「プレーオフの試合で勝利する」ことです。
NHLの歴史を振り返ると、「ウィニペグ ジェッツ」という名前のチームが二つあります。
一つは、1972年創設の「(旧)ウィニペグ ジェッツ」
こちらは、NHLのライバルリーグとして誕生した WHA(ワールドホッケーアソシエーション)に加盟していたチーム。
WHA創設2季目から参戦し、3度の優勝を飾るなどした強豪チームでしたが、リーグの運営が安定せずWHAが8季で消滅したため、1979年からNHLへ加盟。
その後、1996年からはアリゾナ州へホームタウンを移し、フェニックス コヨーテス(現在はアリゾナ コヨーテス)と名前を改めて戦っています。
▼ウィニペグの前身はアトランタ
では、現在のウィニペグ ジェッツは、どのように誕生したのかと言うと、アトランタから移転してきたチームなのです!
NBAのホークスと同じフィリップス アリーナでホームゲームを行っていた アトランタ スラッシャーズ は、NHL28番目のチームとして1999年秋から参戦。
平昌(ピョンチャン)オリンピックで金メダルを手にした イリヤ・コバルチャク(FW・34歳/現スカ サンクトペテルブルグ)らの活躍で、創設8年目(ロックアウトによるシーズンキャンセルの年も含む)にはディビジョン優勝を達成し、初めてのプレーオフ進出を果たしました。
しかし、この年のプレーオフでは、カンファレンス クォーターファイナル(1stラウンド)で、ニューヨーク レンジャーズに4連敗を喫して敗退。
さらに、その後の4季は、いずれもプレーオフに勝ち進むことができず低迷。
そのためスポンサーの獲得やチケット販売にも悪影響を及ぼしたことから、NHLチーム再招致の気運が高まっていたウィニペグへの移転交渉が進み、2011年5月31日に、現在のウィニペグの運営企業が、アトランタの買収を発表したのです。
▼新生・ウィニペグの最初のプレーオフも4連敗
このような経緯で新生・ウィニペグが誕生し、アトランタから移転して4季目には、(新生チームなって)初めてのプレーオフに臨みましたが、アナハイム ダックスにスウィープ(4連敗)を喫して敗退。
それだけに、今季から加盟した ベガス ゴールデンナイツを除けば、
「ウィニペグ ジェッツは、チーム(前身のアトランタ)が創設して以来、唯一プレーオフで1勝もしていないチーム」
なのです!
▼熱狂的なファンの前で
市の中心部にある ベルMTSプレイス(ホームゲームの会場)は、以前から(NHLの一つ下のリーグに相当する)AHLチームの試合が行われてきたとあって、収容人員も少なく15000人あまり。
しかし、アリーナの定員に対する観客数を示す観客動員率では、トロントを上回りカナダのチームで最高の「102.1%」
そんな熱狂的なファンの前で、今季のウィニペグはホームゲームで「29勝」を記録。
これは2年続けてスタンレーカップを勝ち取っている ピッツバーグ ペンギンズの「28勝」を上回り、アメリカも含めた全チームの中で、最も多い白星です。
今度は熱狂的なファンの前で、初めてのプレーオフでの白星と、初めてのプレーオフシリーズ勝利を手にすることができるか !?
プレーオフ進出を決めたウィニペグの選手たちの前には、乗り越えなくてはならない壁が待ち受けています。