「徴用工最終判決」を前に原告支援団体が最高裁に日本企業の資産現金化の保留を求めた外交部に謝罪を要求!
元徴用工らに差し押さえられた日本企業の資産強制売却(現金化)を巡る韓国大法院(最高裁)の最終結論が迫る中、原告の元徴用工を支援する団体が相次いで大法院に強制売却執行の決定を促す記者会見を開き、気勢を上げている。
日本が半導体輸出厳格化措置を取った2019年に対抗措置として日本製品不買運動を展開した民族問題研究所や日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯(「正義連」)など610の在野・市民団体が集合して結成された団体「韓日歴史正義平和行動」は先月25日に資産現金化の即時決定を求める記者会見を開いたが、今日(9月1日)は全羅南道・光州の支援団体「日帝強制動員市民の会」が光州市議会市民連絡室で記者会見を開き、外交部が大法院に最終判断の留保を求める意見書を提出したことについて謝罪と撤回を公式に求めることにしている。
「市民の会」は昨日発表したプレスリリースで「外務省が崖ぶちに立たされている被害者に背を向け、戦犯企業の三菱重工業に与した『意見書』を大法院担当判事に提出したこと自体が被害者に対するもう一つの国家暴力であり、日本の圧力に屈した外交的恥辱である」と外交部を糾弾し、続いて「意見書を提出したことについて外交部は謝罪し、遅きに失した感もあるが、意見書を撤回せよ」と強く求めていた。
韓国外交部は7月26日に3級の秘密に分類される2ページの「意見書」を大法院の担当判事に提出したが、その中身については政府が日韓両国の共同利益に合致する合理的な解決案を模索するため外交交渉を行っていることや官民協議会を通じて原告を含め経済人、法律家ら国内各層の意見を集約するなどして努力していることを伝え、大法院に対して現金化判決の留保、もしくは遅延の申し立てを行ったものと推測されている
「市民の会」は意見書について「明示的な表現はないが、事実上、担当判事に判決を『保留してもらいたい』との趣旨になっており、「(韓国側の努力に対する)日本側の対応には全く触れておらず、外交部は『関係回復』に汲汲となり、一方的で漠然とした期待感だけで時間を与えてもらいたいと催促している」と否定的に受け止めている。
また、外交部が判決の保留を求めた理由として「民事審議会」を挙げたことについても「これは三菱重工業側が10月20日と29日に担当判事に提出した『再控訴事由付記』に示された趣旨と相通じている」として「三菱側の主張を後押している」と批判した。
「市民の会」はプレスリリースでは朴振(パク・チン)外交部長官(外相)が「近い内に被害者と直接面会したい」と表明したことについては回答を避けていたが、朴外相との面談はおそらく意見書の謝罪と撤回が前提条件となっているようだ。
なお、外交部が主導し、設置した官民協議会には当初、ソウルで新日鉄、三菱重工業、不二越など日本企業を相手に訴訟を起こしている原告代理人団と被害者支援団(「太平洋戦争被害者支援団」)が加わっていたが、外交部が何の相談もなく、一方的に意見書を大法院に提出したことに抗議し、官民協議会から離脱し、3月9日に開かれた3回目の会議をボイコットしていた。
大法院はすでに昨年9月に三菱重工業の商標権(6件)や特許権(2件)の差押えを決定しているが、三菱重工業が再抗告したこともあって現金化には至らず、大法院は4月19日から現金化命令を審理していた。
三菱重工業の資産強制売却(現金化)の審理を担当している主審の大法官(最高裁判事)が4日に退官することから一両日中にも最終結論が出るものと取り沙汰されている。
仮に現金化が決定した場合、「国際法違反である」として日本は報復措置を示唆している。そうなれば、韓国も対抗措置を取らざるを得なくなり、日韓は報復の応酬という最悪の状況を迎えることになる。