台風1号が発生する見込み 5月台風に注意
台風1号が発生する見込み
5月25日(土)午後3時現在、フィリピンの海上に熱帯低気圧があってゆっくりと西北西へ進んでいます。今後12時間以内には台風に変わる見通しです。この時間は雲の中心がフィリピン諸島付近で渦を巻いていて、ちょうど転向する段階です。この先は、進路を北寄りに変えて台風に変わり、その後北東方向へ進む見込みです。来週28日(火)から29日(水)にかけては、暴風域を伴いながら沖縄の南の海上を北東方向へ進む予想となっています。沖縄では、早めの台風への対策が必要です。
5月の台風
5月の台風の発生数の平年値は1.0個、そのうち沖縄地方への5月の台風接近数の平年値は0.4個となっています。(1991年から2020年の平年値)
去年は2015年以来8年ぶりに沖縄地方に5月に台風が接近しました。
2023年の5月台風は”猛烈な勢力”に
2023年の台風2号を振り返ってみますと、2023年5月20日午後9時にカロリン諸島で発生した台風2号は、発達しながら北上し26日午後9時にはフィリピンの東で中心気圧900hPa、最大風速60m/sの大型で猛烈な台風となりました。その後は勢力を弱めながら31日午前9時に沖縄の南で北東に進路を変え、6月1日午前3時には大型の台風となって先島諸島に接近し、6月1日から2日にかけて沖縄本島を通過しました。
台風の接近に伴い、宮古島付近では9mを超える猛烈なしけとなり、沖縄本島付近で6mを超える大しけとなりました。また、潮位については、南城市では6月1日に最大潮位偏差71cm、最高潮位126cmを観測しました。
南城市の糸数では、6月1日に南南東の風32.9m/sの日最大瞬間風速、那覇市安次嶺では南東の風22.3m/s日最大風速を観測し、6月1日から2日にかけて複数の地点で6月としての1位の値を更新しました。
【5月台風 被害額70億円超・過去最悪】
以前の記事でも触れましたが、5月の台風は沖縄では過去に農作物への大きな被害が出ています。
(塩害で収穫前の農作物に大ダメージ)
2011年、台風2号接近時の雨量は沖縄本島地方で50mm程度だったのに対し、那覇市の最大瞬間風速は5月の記録を更新し55.3m/sの暴風となりました。(南南西の風)
台風で巻き上げられた海水が農作物に付着したまま雨で流されず、塩害による立ち枯れで収穫が本格化する前の農作物、マンゴー、ゴーヤー、葉たばこなどに大きな被害が出ました。
時期外れの台風接近により農林水産被害額は夏の台風被害を上回り、過去最悪の70億円を超えました。(県・農林水産部発表)
今後の農業計画の見直しなども検討されています。
(それまでの台風による被害額トップは2003年の7月(台風14号)、65億9800万円。)