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3つの台風と東京15年ぶりの大雨

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
自然は不思議? 等間隔に並んだ3つの台風(5日午前)

3つの台風(9号・10号・11号)の行方

台風9号・台風10号・台風11号、それぞれの予想進路について詳しく説明しましょう。

2015年台風9号・10号・11号の予想進路図(5日午前9時現在)
2015年台風9号・10号・11号の予想進路図(5日午前9時現在)

上記の予想進路図は5日午前9時現在のものです。

【台風9号】大型の台風となったものの、勢力は3日夜以降、変化がなく、現在も中心気圧990ヘクトパスカル、最大風速は23メートルです。

今のところ、急激な発達は見られませんが、7日(火)には強い勢力となる見通しです。

沖縄には9日(木)から10日(金)にかけ、かなり接近する可能性が高く、交通機関への影響も懸念されます。

【台風10号】フィリピンのルソン島にあり、ゆっくりとした速さで北西へ進んでいます。発達は見込まれていませんが、8日(水)頃から沖縄の与那国島や宮古島・石垣島などが影響を受ける見通しです。

【台風11号】4日発生したばかりで、現在はマーシャル諸島を西へ進んでいます。すぐには日本列島へ影響しないものの、台風9号よりも発達する可能性があります。10日(金)以降の進路に注意が必要でしょう。

東京15年ぶりの大雨

東京は今日で5日連続の雨です。7月1日からの雨量は107.5ミリに達し、7月1日-5日(5日間)雨量としては、2000年以来15年ぶりの多雨となっています。そのほか、千葉では177.5ミリと1966年統計開始以来、最も多く、横浜でも152ミリに達し、記録的な大雨です。

この大雨の原因は、長く停滞する梅雨前線です。今月になってもほとんど同じような場所に位置し、気圧配置がこう着状態です。また、沖縄付近に張り出していた太平洋高気圧が東へ退き始めたことで、これまでよりも関東地方に湿った空気が流れ込みやすくなっていることがあります。

今後、梅雨前線は北上(↑)し、雨の範囲は北へ
今後、梅雨前線は北上(↑)し、雨の範囲は北へ

今後は、台風9号の北上にともない、太平洋高気圧が東側で強まるため、梅雨前線は次第に日本海側へ北上する見通しです。そうなると、関東地方では雨が降りにくくなります。東京では明日(6日)まで雨ですが、その後はくもり空が続く予想です。

しかし、梅雨前線が動いても、湿った空気の影響は残るため、急な強雨が頻発するおそれがあります。また、一転して気温が高くなるため、暑さにも注意が必要です。

【7月1日ー5日(5日間)雨量】5日12時現在

東京:107.5ミリ 千葉:177.5ミリ 横浜:152.0ミリ

<3地点の記録について(同期間として)>

東京:1875年以降、第6位 千葉:1966年以降、第1位 横浜:1897年以降、第3位

【追記(7月6日)】

日降水量1ミリ以上の日を「雨の日」としました。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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