台風13号発生し南シナ海へ 沖縄へ接近する台風14号の可能性
台風13号の発生
9月6日15時、フィリピンの東海上で台風13号が発生しました。
台風13号は、北西進しながらフィリピンを通過し、南シナ海で発達する見込みです（図1）。
このため、日本への直接の影響はない見込みです。
令和3年（2021年）の台風
令和3年（2021年）の8月末までの台風発生数は12個と、平年の13.6個と平年より若干少なく推移していました（表）。
また、台風の中心が国内のいずれかの気象官署から300キロ以内に入った場合を「台風の接近」といいますが、8月までに8個接近しており、これも、平年の7.1個より若干少なくなっています。
これは、8月に台風の発生と接近が若干少なかったことが影響しています。
なお、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「台風の上陸」といいますが、これまで、台風8号が宮城県石巻市付近に、台風9号が鹿児島県枕崎市付近に上陸しています（平年は1.78個上陸）。
9月の台風
9月は、台風の上陸が一番多い月です。
と言っても、今年からの話です。
昨年まで用いられてきた平年値では、台風の上陸が一番多い月は8月でした。
近年、台風の上陸が遅くなる傾向があり、今年から使われている新平年値（昭和56年（1981年）から令和2年（2020年）までの30年平均）で、初めて9月が一番になったからです。
昔、9月の台風進路について調べたことがあります。
フィリピンのすぐ東で発生した台風は、北西進して南シナ海に入るものが多いのですが、フィリピンから少し離れた海域で発生した台風の中には、北上して南西諸島に接近したり、さらに北上を続けるものがでてきます（図2）。
気になるのは、台風13号の東海上にある熱帯低気圧の動向です。
気象庁は、この熱帯低気圧が24時間以内に台風になると発表しました（図3）。
台風になれば、台風14号です。
台風14号は、5日先までの予報しかありませんが、それから先が問題です。
発達しながら沖縄県の先島諸島に接近し、その時の予報円は非常に大きなものですから、最悪、東シナ海を北上する可能性まであります。
しばらくは、熱帯低気圧（台風14号）に関する情報に注意してください。
【追記（9月7日18時）】
台風13号の東海上にあった熱帯低気圧は、9月7日9時に台風14号になりました。
熱帯低気圧のときと予報は変わらず、発達しながら先島諸島に向かう予報です。
タイトル画像、図1、図3の出典：ウェザーマップ提供。
図2の出典：饒村曜・宮沢清治（昭和55年（1980年））、台風に関する諸統計、研究時報、気象庁。
