おこづかい制は正解?小学生にはいくら与えるべきか/世界標準で考えてみる #子どもの金銭教育
「いくつになったら、子どもにお金のことを教えるべきか」
「どうやって、子どもにお金のことを伝えればよいのか」
こんな悩みはつきません。
日本ではお金のことをあけっぴろげに語ることはタブーとされてきました。「子どもにお金のことを教えるのは食卓で」ということになると、親が金融の職業についているなどで教えられる家庭とそうでない家庭とで大きな金融リテラシーの格差ができてしまいます。
私が住んでいるシンガポールではお金に興味関心がある国民が非常に多く、包み隠さずにお金のことを話す人が多いです。タクシー運転手に「家賃はいくらだ?」と聞かれることもよくありますし、奥様に「このバッグ、いいわね。見せて」と言われ、ベタベタ触られることも。最初は驚きましたが、しかし、マネーの情報を共有することによって、世間一般と比べて自分が損をしていないか(物やサービスを適正価格で買っているのか)を確認する効果はあると感じるようになりました。
私が子どもと子どもを持つ保護者や祖父母に金融教育を伝えたいと思ったきっかけとしては、シンガポールの学校や塾などで保護者や生徒向けに話す場をいただいたことがあります。非常に多くの質問をいただき、私自身が気づきになったことも多かったです。その中で大きなテーマとなったのが子どものおこづかいについてでした。
小学生のおこづかいの平均額ともらい方
小学生のおこづかいとして、高学年になると月に1回など頻度が安定し、金額も平均1000円程度と安定するようです。低学年の場合、親が付き添う場合も多く、その都度という機会も多く、高学年になると自分で行動をする機会が増えるという理由が予測されます。
おこづかい制のメリットとして、計画的にお金を使うことができます。予算内に支出を抑える工夫の仕方を学ぶことができます。他方で、稼ぐインセンティブを与えることができないデメリットもあります。
また、現在のようなインフレ時にはお金の価値が目減りするので、相対的に購入できる物やサービスの量が減ります。昨年は4%前後のインフレ率です。子どもの好きなスーパーのお菓子等の値段にも影響が出ました。自分のスーパーの底値を記録していて、「これはおかしい」と気がつくことができた子どもはセンスがあります。「4%分のおこづかいの値上げ」を親に交渉できるような子どもに育てることが重要です。
ポイント制を導入している家庭も
我が家では子どもが算数の勉強や読書をしたり、片付けを自分でするなどの良い習慣を行った時にポイントを与えるポイント制を導入しています。インド人の富裕層の家庭も同じくポイント制にしているようで、貯めたポイントでおもちゃなど好きな物を買ってもいいことにしているようです。ポイント制の長所としては子どもが稼ぐモチベーションを与えることです。
おこづかいは都度あげる方法
その他には都度あげるという家庭もあるようです。遠足や社会見学、イベントに子どもだけで出かける時には有益な方法でしょう。しかし、必要な時にいつでも都度あげていると、「お金が天から降ってくるもの」と子どもは勘違いをするリスクもあるために気をつける必要がありそうです。
我が家も子どもが学校で本を購入できる機会があったので、この方法を採用して20シンガポールドル(約2000円)を渡しました。しかし、20ドルでは一冊しか買えなかったようで、周りはもっとお金を持ってきていたようで文句を言われました。次からは子どもが貯めているポイントも加えて持たせるなど工夫をしようと反省しました。
このように子どもにお金を渡す方法は大きく分類して3種類あります。それぞれ、メリット、デメリットがあります。そのために、ポイント制と都度あげるのハイブリッドなど組み合わせを考えるのもよい方法です。
大切なことは子どもとコミュニケーションを重ねることです。一緒に買い物に行くときは子どもがお金について、買い物について、店員さんとコミュニケーションを学ぶよい機会です。子どもに店員さんと話をさせて、何が欲しいのか、それはいくらなのか、自分はいくら使えるのかを学ぶ機会を作るようにするのもよいでしょう。このように日常の中にお金について考える機会や題材を見つけて、親子で話し合いを重ねることが重要です。完璧になる必要はないので楽しみながら少しずつお金の使い方上手になっていけばよいと感じます。
【この記事は、Yahoo!ニュース個人のテーマ支援記事です。オーサーが発案した記事テーマについて、一部執筆費用を負担しているものです。この活動は個人の発信者をサポート・応援する目的で行っています。】