ひんやりとろり「生くりかん」小布施堂さんのなめらかな栗餡で喉を潤す、とある夏の日
長野県小布施町に本店を構える栗菓子の名店「小布施堂」さん。小布施町は栗の名産地として国内にて高い評価をうけており、室町時代から栽培されていたといわれる栗は、江戸時代には小布施栗といわれ、大粒のものは江戸幕府への献上品としても重宝されていたというほど。
さて、一年を通して栗鹿ノ子や羊羹、さらにはモンブランやパウンドケーキといった和洋問わず多彩な栗のお菓子を手にかけていらっしゃる小布施堂さんは、毎年9月から10月にかけて1年間使用する栗を収穫し、新鮮なうちに加工されるとか。約2か月の間に、1年分を収穫というのも圧巻ですね。
そんな小布施堂さんには、栗を使用した羊羹が3~4種類、もしくはもっと販売されているのをご存知でしょうか?ねっとり、ほくほく、しっとり…加工方法によって異なる表情をもたらす栗の羊羹でも、今回は冷やして美味しい「生くりかん」をご紹介。
カップ入りの生栗かん。プラスチックカップの側面や掛け紙の下には、小布施堂さんの商標でもある栗のシルエットが。こういった細やかなサプライズもちょっと心が浮き立つ仕掛けだと思うのです。
蓋を剥がすと、まろやかな甘い香り。栗、というよりは、「栗餡」のような香りです。色合いはややくすんだ黄土色ですが、それがよりナチュラルな風合いに感じられ、期待値が上がります。黒い粒が、仄かな野趣を演出しているようですね。
スプーンを受け止める感触は、非常に柔らかであるもののどこかねっとりとした強かさが伝わるのも事実。そのまま口へ運んでみると、滑らかでねっとりとした舌触り。長期保存可能な羊羹のようにほろほろとして身が引き締またったような印象ではなく、とろりと溶けていくような不思議な食感。
小布施堂さんには賞味期限が製造日より約半年の、缶入りの水羊羹もご用意されているのですが、賞味期限が製造日より約2週間の生くりかんに比べてもっとずっしりとした重厚感のある味わい。双方冷やしていただくのがおすすめとのことですが、生くりかんそのものがまるで冷たい飲み物のような印象をもうけます。
ほんのり甘く、そのあとふんわり花開く香ばしくて濃密な栗の魅力。これからますます厳しくなる暑さではありますが、ひとつ先の秋の味覚で喉を潤してみてはいかがですか。
こちらはオンラインストアからも購入可能です。