コンビニでも手に入るようになった和菓子の数々。大福や最中、春には桜餅や和スイーツと呼ばれるようなデザートも豊富に並び、ついつい仕事帰りやトレーニング後に手に取ってしまうということもしばしば。

とはいえ、日々の癒しとして傍にいてくれるような和菓子にこそ、拘りがぎゅっとつまったものをというのもまた一興だと思うのです。

かつては天下の台所と呼ばれた大阪府。それは現在も変わらず、グルメが集う町として全国に名を轟かせていますが、個人的には和菓子も推したいところ。

創業1927年、天王寺に本店を構える「本まつばや」さんでは、和菓子の種類の中でもトップクラスの人気を誇るどら焼きの販売は月に1度、第三金曜日だけ。お取り寄せも可能ですが、全日までの予約必須です。

今回は本まつばやさんの「どら焼き」をご紹介。

男性の掌にはすっぽりと納まるような食べやすい大きさ。こんがりと色付いた皮は一見逞しそうではありますが、非常にふわふわ且つしっとりとしていて驚き。持ち上げる指先に力をこめると、へこんでしまいそうなほど。食感もまさしくそのままで、空気をたっぷりと含んでいて非常に軽やか。

驚くべきはあんこ！日本三大小豆と称される備中大納言小豆の中でも選りすぐりの「紅娘」という小豆を使用しているとのこと。一般的な小豆に比べ、赤みが強いのが特徴的です。

本当にお取り寄せで注文したもの？と首をかしげてしまうほどの水分量を保ち、瑞々しいという言葉だけでは物足りないのではないかと思うほど。お砂糖の甘さに頼り切ることなく、丹念に火取られたというのが伝わる甘味は、無駄をそぎ落とししているようで体にじんわりと染みていく味わいです。皮もさほど主張しすぎていないという点もあるかもしれません。

湿潤なあんこを繊細な皮によくぞこんなにたっぷり挟んでいるなぁと感心してしまいました。

普段なんとなく食べたいなと思ったり、手軽に入手できるどら焼きだからこそ、事前に予約をして月に一度の機会を心待ちにするというご褒美があってもいいですね。

販売情報は公式サイトや公式SNSから確認可能です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ