ノート(32) 元特捜部長らの立件を目指して着々と進む最高検の捜査状況
~解脱編(4)
勾留7日目
「前田検事、認める」再び
前日夜の取調べで自白調書にサインをした途端、この日からマスコミ各社の報道が一変した。当初は逮捕後の取調べで「故意ではなく過誤である」と弁解し、容疑を否認しているといったデタラメなものだったが、足並みをそろえたように一斉に「前田検事、認める。元上司の関与も」といったものに転じたのだ。
こうした情報漏れが生じた際、法務検察は「我々は絶対にリークなどしない。被疑者やその関係者、弁護人らが漏らしたのではないか」などと嘘を言い張る。しかし、僕には接禁が付いており、弁護人以外の者と接触することができない状態だった。
また、そうした新たな報道までの間、僕が弁護人と接見した事実もなく、「自白調書にサインをした」という極秘の捜査情報が僕の弁護人からマスコミに漏れるということも、時系列的に見てあり得ない話だった。
そればかりか、僕の弁護団の弁護方針は、記者対応を一切しないというものだった。結局、この情報漏れも、最高検の意図的なリークによるものにほかならなかった。
メディア・コントロール
捜査当局が捜査情報をマスコミに漏らし、意のままに報道させ、メディア・コントロールに及ぶ理由は様々だが、今回のケースでは次の3つの狙いが考えられた。
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