カープ優勝目前、真っ赤に染まる広島──写真で見る広島のいま
1991年以来、25年ぶりの優勝を目前とした広島カープ。マジックはあっという間に2まで減った。
広島だけでなく、全国ニュースでもその熱気は伝えられているが、実際のところはどうなのか。優勝目前の広島の様子を追ってみた。
カープレッドに染まる広島
広島がカープによってさらに盛り上がるようになったのは、7年前の2009年にマツダZoom-zoomスタジアムが開場してからのこと。2013年には16年ぶりのAクラスとなりはじめてクライマックスシリーズに進出、そして2015年にはまさかの黒田博樹と新井貴浩の復帰と、そのボルテージはどんどん高まっている。そして今回の優勝が目前という状況だ。
そんな広島の街は、いたるところがカープレッドに染まっている。
なかでも他の都市と大きく異なるのは、書店だ。ほとんどの本屋にはかならずカープコーナーがある。しかも単にカープ関連の本を置いているだけではない。そこには多くのカープグッズも陳列されている。主要選手のユニフォームも売っているほどだ。また、カープコーナーではないのに、なぜか菊池涼介と丸佳浩の等身大ボードが置かれてもいる。
駅ビルやデパートもカープ一色だ。広島駅ビル・ASSE(アッセ)には、アパレルなのに自社ブランドではなくカープのユニフォームを着ている店員もいるほど。大丈夫なのだろうか。
広島駅そばのデパート・福屋広島駅前店には、吹き抜けに大きなカープのタペストリーが飾られている。その下の大時計は、選手の写真に囲まれており、ボードのマジックが徐々に減る仕様だ。このようなマジックボードが街のいたるところに掲げられている。
こうしたカープの浸透は、コラボレーショングッズの多さも関係しているだろう。デパートに行くと、さまざまなグッズが置かれていることに気づく。たとえば先日もL.L.ビーンのバッグのコラボが発表されたばかりだが、それ以外にも、赤いギターやベビー用品までさまざまなコラボグッズがある。日常的にカープに親しみを持てるようになっている。
吠える黒田がいる本通商店街
広島の中心にある本通は、アーケードのある商店街だ。旧・広島市民球場の向かいにある原爆ドームあたりから、東に向って1キロほどの長さだ。そこでもいたるところでカープレッドを見ることができる。ソフトバンクショップの店員さんもユニフォームを着ており、献血募集の看板を持ったひとまでユニフォーム姿だ。広島で輸血された血は、カープレッドということだ。
また広島発のパン屋であるアンデルセン本店は、被爆建物としても知られる。現在は改修中だが、その前に今年のカープの闘いを追った朝日新聞社の大きなボードが飾られている。ここで写真を撮っていくひとも多い。
また、本通には黒田博樹の母校である専修大学の大きな広告も掲示されている。吠える黒田の大きな写真は、新たな広島名物という印象だ。
とは言え、そんな広島市内は優勝までのマジックが一桁となった今週は、人通りが少ないという。福屋デパートに入っているあるショップ店員(筆者の高校時代の同級生)は、「今週はお客さんが少ない。みんなテレビで観とるんじゃろうね」と話していた。どうも、試合の時間になると多くの市民は家やお店で試合を観戦しているので、街からひとがいなくなるようだ。
そんな中心街よりもよりカープレッドが目立つのは、マツダスタジアムの最寄り駅である広島駅周辺だ。試合の日は、昼過ぎから多くの店が出て、土産物屋の店員の多くもユニフォームを着ている。
その一方で、広島を代表する観光地のひとつである宮島は、それほどカープレッドは強くない。カープ的だったのは、厳島神社に繋がる参道にあるサンリオショップにあるカープキティちゃんくらいだった。とは言え、そもそも厳島神社の大鳥居そのものがカープレッドという説もある!
優勝はもう目前!
さて、カープの優勝はもう目前だ。
25年ぶりで、しかも驚くほどマジックの減り方が早いこともあり、多くのカープファンはちょっと戸惑っているところもある。心の準備が追いついておらず、少々ふわふわしているところもある。また、7年前に球場が移転したこともあり、どこがもっとも盛り上がるのか、だれもわからない状態だ。
歓喜の瞬間は、今週中には間違いなく訪れる! カープ、もう少しだ!