超大型台風の襲来、JRの計画運休、それでも社員を出社させるべきか?
■ 台風15号の教訓を生かせ
9月9日に上陸した台風15号は、千葉県を中心に大きな被害を出しました。送電塔2本と電柱84本が倒壊。約2000本の電柱が損傷したといいますから、被害の甚大さがわかります。
その15号をはるかに上回る超大型台風19号が、週末にかけて日本列島を直撃する可能性があります。
10月10日(木)、JR東日本、JR東海は、在来線や新幹線の計画運休を実施する可能性があると発表。小田急電鉄も西武鉄道も追随し、運転本数の削減などを発表しました。
とくに首都圏では、過去に経験したこともないほど交通インフラが機能しなくなる恐れがあります。12~13日は、最大限の警戒が必要です。
■ 個人任せは危険だ
これほど被害が予想される事態ですから、企業側も対策を講じるべきです。不要不急の社員を週末に出社させるべきではありません。リモートワークできる社員は自宅など、安全な場所で仕事させるべき。店舗経営をされている事業主なら、店舗ごと休業させるぐらいでいい。
理由は、社員の安全を守る、という点だけではありません。
警察や医療従事者、自治体など、どんなに非常事態でも職場に移動しなければならない人たちがいるわけですから、その方々の移動をスムーズにさせるためにも、移動しなくてもいい人、移動を我慢できる人に対しては、出社させるべきではない。
企業側からの指示を、徹底すべきです。
個人の判断に委ねると、状況を読めない社員は「私は大丈夫です」と言って無邪気に通常出勤しようとするでしょう。中には、会社への忠誠心を示すうってつけのアピール材料になると受け止め、張り切って出社しようする社員もいるかもしれません。
ですから、企業は明瞭に指示命令すべきです。「君が出社することで、社会に迷惑がかかる」と。
■ 企業の社会的責任を考える機会
これほど交通インフラの機能が制限されるなかでは、よほど徹底させないと、すぐさま許容量を超えます。
先日も、スマホ決済のPayPayが大規模キャンペーンを実施した際、アクセスが集中してシステム障害が発生。これと同じようなことが首都圏で発生したら、大混乱です。
我々の経験上、どんなに大きな台風が来ると言われていても、「予想されているほど、大きな被害はなかった」という感想を持ったことが過去何度もあります。今回も「意外と大丈夫だった」という結果になるかもしれませんが、結果オーライの発想は持つべきではありません。
繰り返しますが、企業側の姿勢として、不要不急の社員、リモートワークできるような社員を出社させないようにすべきです。これも企業の社会的責任です。