タイの禁酒日と禁酒時間・2025年はいつ?最新情報も!酒好きタイ旅行ライターがタイ禁酒日事情を解説
タイが大好きな筆者であるが、タイで唯一苦手な物がある。それが「禁酒日」と「禁酒時間」だ。愛するタイの文化なので存在自体を否定をすることはしない。しかし「バンザイ!」とは言い難い。
灼熱の国、タイ。お酒が好きな旅行者の立場から言うと、喧騒の首都バンコクでは散策の後は冷たいビールを飲みたい。話題のルーフトップバーをこれでもかと巡ってみたい。
筆者の場合、ビーチリゾートで優雅に、遺跡の町で歴史ロマンに浸りながら、ライブハウスやパブで盛り上がりながら、どんなシチュエーションでもタイではお酒が飲みたい(飲みすぎ)。同じようにお酒が好きな方は、タイ旅行の日程とは真剣に向き合った方が良いだろう。そして外食の時間もベストな時間を選択しなければならない。
今回はタイ旅行を計画する際に知っておきたい、タイの禁酒日や禁酒時間についてお伝えする。また、実際にタイの禁酒日はどのような状態になるのか、これまで身をもって現地で経験した状況や、どうしても禁酒日や禁酒時間にアルコール類を飲みたい人が取るべき対策、そして無類の酒好きの筆者が禁酒日に旅行がぶつかった時に採る苦肉の策も、こっそりとお教えする。
タイの禁酒日とは?
タイの禁酒日は、アルコール類を飲んではいけない日ではない。アルコール類を販売しない、購入してはいけないという日となる。
コロナ禍の制限中もアジアの先頭を切り、観光客誘致に動いたタイ。コロナ禍明けは更に積極的に訪タイ外国人旅行者数を増やす対策を打ち出すなど、東南アジア屈指の観光立国だ。実際にタイ旅行をしたことがある方ならわかると思うが、旅行者の多いエリアにあふれる大麻ショップの乱立(本来は2022年に医療目的での使用や家庭栽培の法律の簡略化を解禁したところ、禁止されていた娯楽での吸引に広がってしまい、2024年11月現在は取り締まり強化が進んでいる)、主要都市に存在する巨大な歓楽街を知ると、タイは「何でもありの国」だと勘違いしてしまう方も多い。
しかし、それは違う!タイは厳しいところは非常に厳しい。
旅行者に関わってくるタイの厳しい側面の一つが、この禁酒日だ。弾丸旅行1泊3日、2泊3日の短期旅行を計画している場合、その中の1泊に禁酒日が当たると、旅先でのお酒を楽しみにしているという方にはかなり辛い。
タイの禁酒日はいつ?
タイの禁酒日は主に2種類あり、一つはタイを愛する人間として、筆者もきっちりと守っているタイプの禁酒日だ。まずはそちらから紹介しよう。
仏教にまつわる禁酒日
タイでは仏教にまつわる重要な日は、0時から24時まで、丸24時間アルコールの販売ができない。
タイ国政府観光庁の公式サイトによれば、タイ国民は仏教徒が95%を占める。国民がほぼ仏教徒と言う環境から、日本では考えられないほど僧侶の存在が身近で、タイでは仏教は家庭の中に普通にあるもの。旅行中もほぼ毎日のようにオレンジ色の袈裟を着た僧侶の姿を見かけるはずだ。
その僧侶だが、一生僧侶で過ごすという方よりも、一時的に出家する方が多いのをご存知だろうか。
タイでは「一人前になるために出家する」という考えがあり、出家は15日間から可能。子どもの頃に出家する方が圧倒的に多いものの、社会人になってから何か志を全うするために出家する人もいる。いずれの場合も、家族の中から出家する者が出ることは大変名誉なことで、家族が出家する寺院の僧侶を呼び、親戚やご近所の方を招待。通りすがりの方まで招いてごちそうをふるまう。
そんな環境だからこそ、仏教にまつわる神聖な日に、酔っぱらうことなどもってのほか。特に熱心な方は日ごろから飲酒はせず、そこまでではない方も例え禁酒日にお酒を飲める機会があったとしても「あえてその日に飲酒をしない」と言う方も多いのだ。
2024年の仏教にまつわる禁酒日は以下
2月24日(土)マカブーチャ(万仏節)
5月22日(水)ヴィサカブーチャ(仏誕節)
7月20日(土)アサラハブーチャ(三宝節)
7月21日(日)カオパンサー(入安居)
10月17日(木)オーグパンサー(出安居)
2025年の仏教にまつわる禁酒日は以下
2月12日(水) マカブーチャ(万仏節)
5月11日(日) ヴィサカブーチャ(仏誕節)
7月10日(木) アサラハブーチャ(三宝節)
7月11日(金) カオパンサー(入安居)
10月7日(金) オーグパンサー(出安居)
選挙の日の禁酒
選挙権のないタイへの旅行者が、外国人として納得できない禁酒日が、選挙前日と当日の禁酒だ。前述の仏教にまつわる禁酒日は文化的に非常に理解しやすい上に、かなり前から判明する。しかし、選挙日は別。特に海外旅行は数ヶ月前に航空券やツアーを抑える人が多いだろう。どこの国もそうだと思うが「選挙がありそうだな」という動きは前もってわかっても、数ヶ月前に選挙日が決まることはほぼない。
使命感に燃え選挙日の禁酒時間設定をチェック(泣)
筆者は2023年のタイ旅行が、モロにタイの下院議員の選挙にぶつかってしまった。こともあろうに期日前投票日5月7日、そして本番の5月14日と2日もだ(気絶)!この選挙は日本でも報道され、タイの民意を問うものとして世界中から注目を集めた選挙だった。それもあり、タイ国民の皆さんの熱意に触れることができ、新しい体験ができたと思っている。それと同時に、貴重なタイの滞在時間、しかもビーチ滞在中に、長い時間「海を眺めてアルコールタイム」ができなかったことは、号泣に匹敵する。
タイにいる間に選挙日が当たったことは、10年以上ぶり。うろ覚えだった選挙日のアルコール販売禁止時間をしっかりと確認できたので共有したい。
選挙禁酒日のアルコール販売禁止時間:選挙前日の18時から、当日の18時まで丸24時間
筆者の場合は、期日前投票日と本番の投票日にぶつかったため、48時間、レストランで飲酒ができなかった計算になるのだが、実は「え?良いんすか?」という出来事があり、結局飲めてしまったので、それも後述する。
王族関連の記念日には飲酒自粛を促すことがある
禁酒日以外に「飲酒自粛」という旅行者にはどう判断して良いのかわからない日もある。
例えばタイで一般的な「飲酒自粛日」は、王族関連の記念日だ。しかしこの日はアルコール販売を禁止してはいない。チェーンのコンビニエンスストアや大型スーパーでビールやウイスキーなどアルコール類が購入でき、レストランやバーでもアルコール類のオーダーは可能。
個人店はオーナーの方針や、エリアによって自粛する、しないを決めていると思った方が良いが、タイに70回以上通っている筆者でも、未だに王族関連の記念日に「お酒はオーダーできません」と断られた記憶はない。断られた人もいるし、断られたことがない人もいる、不思議な日だ。
自粛が考えられる王族の記念日
・7月28日 国王誕生日
・8月12日 王太后誕生日
・12月5日 前国王誕生日
事前に行きたい店が決まっている場合、上記の日程に行くのであればアルコールを提供するか、確認をすると良いだろう。
また、あまり言うべきことではないが、王族の方に万が一のことがあった場合、自粛があることはタイに関する知識としてお知らせする。
2016年10月、タイ国民に大変愛されたプミポン国王が崩御された際は、30日間の楽しみを伴うイベントの自粛と、葬儀までの1年間は喪に服すという期間が設けられた。筆者は喪を意識し黒い服を多めに持参の上、2016年12月にタイを訪問。カウントダウンが含まれた時期だったが、その際は「自粛」の一任だったため、特に飲酒を禁止されるものはなく、タイ人の皆さんも海外からの観光客も静かに飲酒。完ぺきなまでの「自粛」を見た。
禁止されるものがない理想的な環境だった上に、きちんと守られた秩序。「真の自粛」とはこうあるべきなのではないかと感動したものだ。そしてタイをもっと好きになった。
タイの禁酒日は公共の場以外は飲酒が可能
前述してきたとおり、タイの「禁酒日」はアルコール類を飲むな、というものではない。アルコールの販売をするな、購入するな、という意味合いの日だ。つまり「飲むな!」とは言われていない。
販売できない、購入できない状態だとタイ旅行では何ができなくなるのか、詳しく見ていこう。
レストラン・パブ・バーでの酒類販売禁止
タイ旅行と言えば美味しいタイ料理を食べつつ、シンハ―ビールやチャーンビールを喉を鳴らしながら飲みたい。ルーフトップバーでバンコクの夜景を眺めつつグラスを傾けたい。
禁酒日はこれが両方ともできなくなる。
コンビニエンスストアやスーパーでの酒類販売禁止
レシートに記録が残る大手コンビニエンスストアやスーパーではアルコール類の購入ができない。
ホテルのラウンジサービスもハッピーアワーはソフトドリンクに!
ホテルでは以下のサービスが中止になる
・ホテル内のダイニングやバーでのアルコール類の注文はできない
・ルームサービスでアルコール類を注文できない
・クラブラウンジでのハッピーアワーはソフトドリンクのみ
十数年ほど前までは、海外からの旅行者がホテルのバーやレストランで飲酒することが可能な時代があった。クラブラウンジでのハッピーアワーも法律がスルーされていた時代もあったのだが、もう時代が違う。
なぜかと言うと、当時のタイはまだホテルと言う空間は外国人観光客のものだという印象を持たれていたため、法の整備の手が届かない部分があった。
2024年現在は、タイでも中流層以上が増え、ホテルに宿泊して飲酒をしようと思えばできる。そのため、どんなに高級ホテルであっても、公共の場では飲酒はできない。
もしあなたが禁酒日に飲酒目的でラウンジアクセス付きの部屋を予約しようとしているのであれば、筆者は徹底的に止めるだろう(笑)。目的を変更した方が断然お得だからだ。
前日までに購入した酒類をホテルの室内で飲むことは可能
禁酒日は前もってわかること。お酒を飲みたい場合は前日までに購入し、ホテルの室内で飲むことは可能だ。
タイ人やタイ在住者も、選挙日の2日前には家酒のためにしこたまアルコール類を買いだめしているという話はよく聞く。
ただし販売禁止時間前までに購入したアルコール類を飲み、家でパーティーをする、という行為は禁止されており、選挙日の禁酒時間中に家でどんちゃん騒ぎをしていたタイ人が逮捕されたこともある。
以前から決まっていた結婚披露宴やパーティーでもアルコール提供ができない
以前から決めていた結婚披露宴やパーティーが急な選挙とぶつかることは意外とある話。その場合も、アルコール提供はできない。
ただこれに関しては主催者側にとっては非常にラッキー。タイは日本ほど多額の御祝儀を払わず披露宴に参加でき、どちらかと言うと主催者側の負担が大きい。
アルコール類を提供せずに済むと、圧倒的に披露宴の費用が安くなるということで、この日に当たることを願っているカップルも多いようだ。
タイの禁酒時間とは?
なるほど!禁酒日は理解した!自分の行く日は大丈夫だな!と意気込んでいる方にもう一つお知らせしておきたいことがある。タイには毎日禁酒時間がある。
タイでアルコール類販売や購入が可能な時間は
11時~14時
17時~24時
それ以外は禁酒時間だ。
こちらも前日に買っておいたアルコール類を冷蔵庫に冷やしておき、24時過ぎにキンキンの状態で飲んでも全く問題ない。
「あれ?でもその時間に販売しないだけで飲めるのであれば、そもそもこの法律って本当に意味があるのかな?」と「ぷへぇ、うまい」と飲みながら毎回思ってしまう。そういった部分は適当なのに、購入させない行為があまりにも...泣いちゃうくらい厳しい。その厳しさたるや、時間にルーズと言われる(実際は人による)タイ人が作った法律とは思えないほど正確で、1分・1秒でも過ぎたら購入できないし、1分・1秒前でも購入できない。
例えば外食してホテルに戻ろう、ついでにコンビニでビールを買ってもう1杯、などと考えギリギリセーフでレジにビールを持って行っても、コンビニのレジの記録が24時ならダメ。ただ、ホテルの近くのコンビニはほぼ毎日通いがち。レジ前で一度でも断られてしまうと、物覚えの良い店員さんに顔を覚えられ、24時直前に購入できた時はともに喜んでもらえたりする。それがタイの良いところだ(そうなのか?)。
まあ、とにかく前日購入できる時間にアルコール類を買っておけばいい話だけなのだが、日本にない習慣なので毎回忘れてしまう。
空港や飛行機内は24時間購入可能:空港は出国前エリアでも、出国後エリアでも酒が24時間購入可能だ。LCCの飛行機はアルコール類は有料だが、その場合も禁酒時間であろうが飛行機の中では購入可能。
タイの禁酒日・禁酒時間はなぜできた?
旅行者にとっては困った法律でしかない選挙日の禁酒日と毎日の禁酒時間。この厄介な法律はどのように制定されたのだろうか。
選挙の禁酒日:選挙日当日、二日酔いで選挙に行けなくなることがないように、そしてしっかりと自分自身で考えて投票できるようにアルコール販売を中止したとする説があるが、実は他にも諸説ある。
この法律ができた頃は、立候補者が酒やご馳走をふるまい、自分に票を入れるように差し向けることもあったそうだ。それを避けるという説と、選挙日前日・当日に違う党に投票しようとしている者同士が感情的になり、ケンカをしないように制定したのではないかという説もある。
ちなみに筆者は衆議院選挙前日にワインをボトル1本半空けたけど、誰ともケンカせず、一人で選挙に行けたぞ!
禁酒時間:1972年に制定された法律の中にあるとされている。ところが2021年に当時タイ観光スポーツ省の大臣が「買いだめもできるのに、何のために午後の3時間アルコール販売を禁止するのか理由がわからない。」と、あまりにもごもっともな発言をし、2024年2月に緩和について議論された。うまくいけば撤廃されるのでは?と期待された時期もあったのだ。しかし、大臣クラスのタイ人が「理由がわからない」と素朴な疑問を抱く法律だというのに、緩和も撤廃も見送られた。残念だ!
こちらもなぜこのような法律があるのかというのは諸説あり。
「24時間酒が買えると、ずっと飲酒ができるから」というコントのボケのような理由説や「公務員が昼休みから酒を飲み、午後は仕事にならないという事案が続いたから」という、情けない説もある。しかし公務員説が正しければ昼休みは飲酒できる11時から14時の間のはず。辻褄が合わない。ますます大臣が言っていた「理由がわからない」が際立ってしまう不思議な法律だ。
ちなみに筆者は24時間酒が販売されていても、24時間酒は飲まない。いや、普通はそうだと思う。
日本ではOKな場所もタイでは飲酒できない場所がある
タイの飲酒に関わる厳しい側面は、もう一つダメ押しがある。心して読んでほしい。タイでは飲酒が禁止されている場所があるのだ。違反した場合、6ヶ月以下の懲役か1万B以下の罰金、またはその両方が科せられる。
旅行者でも理解できるタイで飲酒ができない場所
官公庁・寺院や宗教施設・学校・医療機関・ガソリンスタンド
日本ではお花見や縁日の際には神社で飲酒できる上に「お神酒」をいただくこともあるが、タイはお寺が圧倒的に多く、ムスリムの方も多く住んでいるためモスクも多い。
旅行者が驚くタイで飲酒ができない場所
電車・駅構内・バス・公立公園
タイ国鉄の旅は長時間の上に旅情もありついつい飲みたくなる。また、長距離バスでも飲みたくなるのだが禁酒エリアだ。
タイの禁酒日・タイの禁酒時間にも抜け穴がある?
これまでタイの厳しい禁酒日と禁酒時間について書いてきた。しかし不思議なことに、法律違反は断固として違反である日本の感覚とは違い「えっ?タイではそんな抜け穴があるの?」という不思議な方法で、アルコールが飲める場合がある。
ここから書くことは実際に筆者が体験した話だが、確実にどの都市でも、どの店でもそうなのかというと「そうだ」とは言えないので、あくまでも参考までに。
地元の担当警察署への賄賂のお陰だという噂のある店や、清算方法がアナログのままなので可能な店、観光客が多いエリアは見逃されているのでは?説など、私たち旅行者が踏み込めない摩訶不思議な抜け穴があるようだ。
ただ、場合によっては逮捕されることもあるので、店自体が「堂々と飲んでも大丈夫ですよ」と言わない限り、堂々と飲まないように。
個人商店では酒が買える場合あり
セブンイレブンやファミリーマート、タイでお馴染みトップスやヴィラマーケット、マックスバリューなどの大手チェーン店と異なり、個人で営む小さな商店はアルコール類の購入が可能な場合がある。
以前泊まったホテルの裏に商店があり「明日ビール買える?」と聞いたら「何本買う?取っておくよ」と言ってくれた。翌日買いに行ったら新聞紙に厳重にくるまれたチャーンビールを、黒いビニール袋に入れて密売(?)してくれた。何だかとても悪いことをしているように思えてスリル満点だった。
なぜか禁酒日でも飲める店がある
日本人が多く住むスクムビット通りの某ソイ(タイでは小路をソイと呼ぶ)には日本人向け居酒屋がたくさんある。その中には、禁酒日でも飲酒が可能な店がいくつか存在するのだ。筆者も何度かお世話になったが、居酒屋では2階の個室で息を殺してビールをすする同じ日本人同士、妙な連帯感が生まれた。
欧米人の多いパブでは、コーヒーカップでビールやワインが供され、まるであたたかいコーヒーを飲んでいるような演技の元、酒を飲んだ。禁酒時間明けに客と店員全員で「やったー!」と盛り上がる様は、さながらパーティー。今思い出しても心がほのぼのする。
外国人の多い特定エリアでは法律がスルーされている場合がある
バンコクのコンビニエンスストアチェーンや大手スーパーでは絶対に販売してくれないのだが、なぜかバンコクから車で2時間のリゾート地、パタヤのファミリーマートで、ビールが購入できた。
「なぜ?」と尋ねると「海外のお客さんしか来ないから」と言われた。
しかし同じパタヤでも、買えないファミリーマートもあったので、未だに謎。
更にタイ王室の避暑地(日本で言えば葉山のような存在)ホアヒンビーチでは禁酒日の禁酒時間中に2回、アルコールが飲めるチャンスがあった。
王族ゆかりのビーチリゾートと言うことで、プーケットやパタヤなどと比較すると厳しいと思っていたのだが、とあるバーに入店した際「明日選挙だけど飲めるよ」と教えてくれ、事なきを得た。
同じくホアヒンにあるカオタキアップビーチでは「暑い...選挙日でなければビールを飲むのに」としゃがみこんでいた所、商店の前にイスやテーブルを出しているような小さな店の店員さんに「冷たいビールあるよ。めっちゃ冷えてるよ!」と声を掛けられた。
更にはチェンマイではピン川沿いのかなり目立つ店で15時頃ビールを注文したが、ビールもワインも飲めた。チェンマイでは他にも飲酒できた店が数店あり、観光客が多いエリアには、今も何かルールがあるのかもしれない。
禁酒日・禁酒時間に飲むために筆者が取る苦肉の策
さて、タイ渡航70回超の筆者が禁酒日や禁酒時間にどう対応しているかお教えしよう。
ウイスキーを持ち込む
筆者はいついかなるタイ旅行でもアルコール類を持ち込むようにしている。
タイはアルコール類の持ち込みが非常に厳しく、関税不要で持ち込める量は、どの種類のアルコール類でも1リットル以下だ。ワインだと2本持ち込めない微妙な量なので、割り切って1リットルのウィスキーを持ち込む。
禁酒日には眺めの良いバルコニー付きの客室に泊まり、部屋飲み一択。これが最高だったりする。
深夜営業のパブでは24時直前にボトルをオーダー
禁酒日は避けられたとして、眠らない町バンコクやパタヤで24時以降もまだ飲みたい場合、法令では24時を過ぎたらアルコールの注文ができない。しかし、そこまで悩むことはない。
例えば朝までやってるようなクラブやライブハウスでは、23時59分に最後のお酒をオーダーする。朝まで営業の店に行く場合は大抵複数で行く訳だから(深夜に一人でクラブやライブハウスにいる方は相当のツワモノだと思う...ただ、欧米人はこの手の方をよく見かける)最後にボトルのウィスキーをオーダーすれば、朝まで持つ。ミキサーや氷は常にオーダーできるから安心だ。
禁酒日でも飲める馴染みの店をキープ
バンコクでは逮捕されるかもしれないという恐怖と戦うほどハラハラするが、タイは一時期、特に観光客の多いエリアのみ、禁酒時間でも飲酒できる特例があった。その名残があるのかもしれない。特に外国人観光客の多いリゾート地や観光都市では堂々と禁酒時間でも禁酒日でもアルコールが提供されている店もある。何故大丈夫なのか、理由は全く不明。
とはいえ、前述通り、完全に安全だとは言い切れないのがタイのファジーさ。筆者はどうしても我慢できないという時のために、お酒が飲めた店をインプットし、メールやSNSのDMで確認の上、うかがうようにしている。
お酒が飲めないタイ旅行なんて
飲酒ができない、または体質的に合わない人にとっては、本当にどうでもよい話にお付き合いいただき感謝する。しかし、旅先で飲む酒をこよなく愛する人々にとっては、旅行先でアルコール類が飲めないのは死活問題(大袈裟すぎる!)。タイはとにかく料理が美味しい!そんな食の充実したタイで、美味しい酒が飲めないなんて、カレー粉の入っていないカレー、肉の入っていない肉じゃがみたいなものだ。あれ?やっぱり言い過ぎかな。
ただ、禁酒時間に関しては、2024年は見送りとはなったものの、タイ政府も緩和や撤廃の議論を度々行っている。この法案がいつか通り、緩和され、できれば選挙日に関しても、パスポートさえ提示できれば外国人観光客が堂々と飲酒できる制度ができたらいいなぁ、と思ってしまう自分がいるのだった。