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南岸低気圧通過後は再び寒波襲来

饒村曜気象予報士
ブランケットに包まれる豆芝(写真:アフロ)

年末寒波

 平成30年(2018年)年の年末は、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、等圧線の間隔が狭くなって強い風が吹き、強い寒波が南下して全国的に寒くなりました。

 文字通りの年末寒波でした。

 東日本から西日本の平野部で初の冬日(最低気温が0℃未満の日)、初霜、初雪、初氷など、冬の現象を観測しています。

 東京では12月29日に今冬初の冬日となり、その2日後の31日には初氷となりました。

 正月三が日は、冬型の気圧配置が弱まり、等圧線の間隔が広くなっています。

 日本海側では雪や雨、太平洋側では晴れの天気が続いても、風が弱くなり、大雪にはなりませんでした。

 仕事はじめの1月4日は、大陸の高気圧の一部が移動性高気圧になり、その後を、東シナ海で発生した低気圧が本州の南岸を通過します(図1、図2)。

図1 地上天気図(1月4日6時)
図1 地上天気図(1月4日6時)
図2 予想天気図(1月5日21時の予想)
図2 予想天気図(1月5日21時の予想)

南岸低気圧

 南岸低気圧が通過するときには、南から暖気が入って気温があがりますが、その後は、西高東低の冬型の気圧配置となって、年始寒波が南下してきます。

 年末寒波より勢力はやや弱いのですが、大きく南下してきますので、東日本から西日本では年末寒波以上に寒くなり、それが続きます。

 東京でも、6日の最高気温が6度までしかあがりません(図3、4~10日は気象庁の予報、11日以降はウェザーマップの予報)。

図3 東京の最高気温と最低気温の推移(4日以降は予報)
図3 東京の最高気温と最低気温の推移(4日以降は予報)

 ただ、南岸低気圧の予想は難しく、東京の週間天気予報をみても、6日の信頼度はCです。  

 7日以降の信頼度がAですので、最新気象情報の入手が必要です(図4)。

図4 東京地方の週間天気予報
図4 東京地方の週間天気予報

 日本上空の約5500メートルには、氷点下30度以下の寒気が入り続けますので、全国的に寒い1週間となります(図5)。

図5 日本上空の約5500メートルの気温予想(1月6日夜)
図5 日本上空の約5500メートルの気温予想(1月6日夜)

 来週は年始寒波に注意が必要です。

図1、図2、図4の出典:気象庁ホームページ。

図3の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ資料をもとに著者作成。

図5の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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