本当は怖い不安障害やHSPの不安の「共通点」とは?
こんにちは、精神科医しょうです。
人は「不安」を感じる頻度が多いほど、病を患う可能性が高くなってしまいます。
特に、私たち「日本人」は、他民族に比べて不安を感じやすいと主張する専門家もいます。
災害大国日本では、身を守るための対策を常に考えておく必要があったため、不安遺伝子が進化したのだとか。
真意は定かではありませんが、良くも悪くも日本人は不安を感じやすく、慎重になりやすい民族だと言えるようです。
しかし、同じ日本人でもさまざまなことを感じ取る程度に差があるため、不安を上手くコントロールできる人と、ストレスを溜め込み、病を発症してしまう人がいます。
そこで今回は、特に不安や恐怖を感じ取りやすい気質を持つHSPと不安障害について考えてみたいと思います。
HSPと不安障害について
HSPと不安障害の違いについて解説します。
<HSP>
HSPは、5人に1人の割合で該当すると言われています。
五感が優れていていることもあり、不安や恐怖を感じ取りやすく、わずかな刺激でも過剰に反応してしまいます。
しかし、HSPは自身の生まれ持った気質であり、病気ではないので治療法は特にありません。
上手くコントロールして生きづらさをその都度、解消していくことが必要です。
<不安障害>
不安障害は、何らかの要因で脳内の神経物質が異常分泌を引き起こした結果、発症する病です。
主なものとして、「パニック障害」「社会不安障害(社会恐怖)」「強迫性障害」「全般性不安障害」などがあります。
発症すると突発的に強い不安感情が沸き起こったり、動悸やめまい、息苦しさなどといった発作に悩まされたりし、社会生活を送る上で支障をきたしてしまいます。
HSPや不安障害の人が抱える不安やストレスとは?
HSPや不安障害を発症する人は、つい、頑張り過ぎてしまうことがあるのではないでしょうか?
その結果、不安や悩みを抱え込み、病を発症してしまいやすくしてしまうのではないかと思います。
では、HSPや不安障害を患いやすい人が抱える不安やストレスとは、主にどのようなものがあるのでしょうか?
いくつか取り上げたいと思います。
・人間関係を築くことが不安
人間関係に対する不安やストレスは、誰もが感じてしまうのではないでしょうか。
特にHSPの場合は「みんなと仲良くしなければならない」と自分に課してしまう面があるので、人間関係を築く上で、息苦しさを感じてしまいがちです。
また、人から嫌われることを過度に恐れる傾向があるため、他人の顔色を窺った言動が多くなり、そのことで精神的なストレスを抱え込んでしまうこともあります。
・仕事や学校で失敗することが不安
「新しく引き継いだ仕事はできるだろうか…」
「明日のテストで良い点数が取れるか心配」
など、社会人や学生は環境が変わるごとに不安が湧いてくると言っても、過言ではないのではないかと思います。
しかし、物事を達成するスピードは人それぞれで、一回で何ごとも完璧にこなせる人は、なかなかいないのではないでしょうか。
完璧主義な人は何でも一回で習得しようと自分を厳しく追い込む面があるため、失敗をした時に「無力感」を感じてしまいがちです。
・健康に関する不安
年齢を重ねるごとに体力が衰え、健康に自信が持てなくなったという声を多く聞きます。
しかし、身体に異常がみられないにもかかわらず、
「この先、自分はずっと健康でいられるのだろうか?」
「病気になったら、どうしよう…」
などと、心配し過ぎることは、かえってストレスにつながってしまいます。
また、体の不調を心配しているにもかかわらず、時間がないことや病院へ行きたくないことを理由に放置してしまうこともストレス要因になるだけではなく、早期発見を逃してしまうことにつながります。
もし、何か心身の不調を抱えているのではれば、まずは医療機関を受診し、明確な診断を受けるようにしましょう。
・将来に対する不安
未来のことを考えると、ネガティブなことしか思い浮かばず、気分がふさぎ込んだり、眠れない日が続いたりしてしまう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
特に、お金のことや老後について思いをめぐらせると結論が出ず、どうしたら良いのかわからなくなるという方も多いかと思います。
特に生真面目な人ほど、先々のことを考えて悪い結論を予測してしまうクセがあります。
もちろん、先読みする能力は悪い状況を回避することに、大いに役に立ちますが、ずいぶん先の未来まで考えが及んだ場合は、一旦、冷静になってみましょう。
まとめ
今回はHSPと不安障害について解説しました。
HSPも不安障害を患っている人も、どちらも不安感が強く、生きづらさを抱えている点で共通しています。
どちらの場合も、ストレスや心配を自分の中に溜め込んでしまう傾向があるため、考え方のクセを直したり、たまには人に話を聞いてもらったりなどして、負の感情を発散するように心がけてくださいね。
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