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核合意への道/イラン・アメリカ関係の軌跡(2)-善意を生まなかった善意

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

しかし、その後も関係改善への模索は続いた。1989年1月の就任演説でブッシュ(父親)大統領は、「善意は善意を生む」とイランに関係改善を呼びかけた。具体的にはレバノンで人質になっているアメリカ市民の解放のためにイランの仲介を期待した。アメリカ人を人質にとっている組織にイランが影響力を有していると感がられていたからである。イランとアメリカの水面下での間接的な交渉が始まった。仲介をしたのは国連のイタリア人職員のジアンドメニコ・ピコであった。イランの協力を得てレバノンに乗り込んだピコは、アメリカ人の解放に成功した。イランはアメリカに善意を示した。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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