核合意への道/イラン・アメリカ関係の軌跡(2)-善意を生まなかった善意
しかし、その後も関係改善への模索は続いた。1989年1月の就任演説でブッシュ(父親)大統領は、「善意は善意を生む」とイランに関係改善を呼びかけた。具体的にはレバノンで人質になっているアメリカ市民の解放のためにイランの仲介を期待した。アメリカ人を人質にとっている組織にイランが影響力を有していると感がられていたからである。イランとアメリカの水面下での間接的な交渉が始まった。仲介をしたのは国連のイタリア人職員のジアンドメニコ・ピコであった。イランの協力を得てレバノンに乗り込んだピコは、アメリカ人の解放に成功した。イランはアメリカに善意を示した。
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