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まな板などにも使われる青森ヒバの驚異的な特性とは?

TOUYA化学系研究者

 1901年に本多静六がアスナロと青森県のアスナロとの間に違いを発見し、牧野富太郎が「ヒノキアスナロ」として命名しました。ヒノキアスナロは青森県を中心に北海道南部から関東北部に分布し、青森県では「青森ヒバ」と呼ばれ、県の木にも指定されています

 青森ヒバには、フィトンチッドのひとつ「ヒノキチオール」が多く含まれています。「ヒノキチオール」は抗菌、防虫、消臭、リラックス効果が確認されています。その名前から、ヒノキに多く含まれているように思われますが、国産のヒノキには殆ど含まれておらず、青森ヒバ、台湾ヒノキ(台湾)、ウエスタンレッドシダー(北米)など、一部の樹木にしか含まれていません

 ヒバは樹齢約200年から250年で、厳しい気候条件の下で成長するため、木目が緻密で美しく、歪みが少ない高品質の木材です。これらの特性から、ヒバは建築材として広く使用され、柱などの構造部材から、内装や建具まで多岐にわたり利用されています。防虫性にも優れており、昔から「総ヒバ造りの家には3年は蚊も寄り付かない」と言われるほどです。

 ヒバの抗菌性と耐水性を活かして、まな板や浴室用品などの日用品にも使用されています。入浴剤や石けん、化粧品や歯磨き粉などにも応用されており、その多用途性から多くの人々に支持されています。

まとめ:青森ヒバの驚異的な特性とその多岐にわたる用途

青森ヒバの持つ自然の力は、私たちの日常生活に深く根ざしています。その美しさだけでなく、機能性にも優れているヒバは、健康や美容に寄与する製品としても注目されています。これらの木材がもたらす多様な利点を知り、暮らしに自然を取り入れてみましょう。

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。化学に関連する記事を書いています。

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