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前年30本塁打のスラッガーの全休に続き、代役も離脱。代役の代役に「ビッグネーム」が昇格する

宇根夏樹ベースボール・ライター
コーディ・クレメンス(フィラデルフィア・フィリーズ)Feb 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フィラデルフィア・フィリーズは、一塁手のリース・ホスキンスを欠き、開幕を迎えた。ホスキンスは、3月下旬に左膝の前十字靭帯を損傷。今シーズンは全休となる見込みだ。それについては、「昨年30本塁打&ポストシーズン6本塁打の一塁手が開幕直前にシーズン全休となる。代役の候補は…」で書いた。

 続いて、ホスキンスに代わり、開幕から一塁を守っていたダリック・ホールも、6試合目に離脱となった。4月5日の試合でヒットを打ち、それを二塁打にしようとした際、右手親指の靭帯を損傷した。こちらは、全休にはならないだろうが、いつ復帰できるのかはわからない。

 4月7日、フィリーズは、ホールを故障者リストに入れ、AAAからコーディ・クレメンスを昇格させた。サイ・ヤング賞を7度受賞した。ロジャー・クレメンスの四男だ。

 コーディは、2018年のドラフト3巡目・全体79位。デトロイト・タイガースに入団し、昨年5月にメジャーデビューした。昨シーズンは、メジャーリーグの56試合で、打率.145と出塁率.197、5本塁打。AAAの60試合は、打率.274と出塁率.327、13本塁打。今年1月にトレードでタイガースからフィリーズへ移り、スプリング・トレーニングで、打率.319(47打数15安打)と出塁率.385、3本塁打と5二塁打を記録したものの、開幕ロースターには入れなかった。

 昇格したその日、「8番・一塁」として出場したコーディは、2打数0安打に終わった。ただ、1打席目の四球は、次の打者、ブランドン・マーシュの押し出し四球による先制点につながった。

 コーディは、右の先発投手と対戦する試合に起用され、左の場合は、三塁手のアレック・ボームが一塁を守り、三塁にはエドマンド・ソーサが入ると思われる。

 一方、昨年11月にトミー・ジョン手術を受けたブライス・ハーパーは、4月5日の試合前に、ヤンキー・スタジアムで打撃練習を行った。もしかすると、予定よりも早く、7月どころか6月を迎える前に復帰できるかもしれない。外野の守備につかず、DHとして復帰の場合、守備に不安のある2人、カイル・シュワーバーニック・カステヤノスが揃って外野を守ることになるが、打線は向上する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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