【岡山】「桃太郎伝説」の舞台、吉備津神社で古の歴史に思いを馳せる旅をしよう②
岡山県岡山市の吉備路に鎮座する吉備津神社。
ここは「桃太郎伝説」の舞台。
吉備津神社は「桃太郎」のモデルとされる大吉備津日子命(おおきびつひこのみこと)と「鬼」の温羅(うら)を祀った神社で、伝説に基づく史跡や神事が残る。
鳴釜神事
大吉備津日子命(以下「命」)は激しい戦いの末、温羅を討伐する。
桃太郎の物語はここでお終いだが、伝承には続きがある。
命が温羅の首を切ったが、温羅の生首は大声をあげ唸り響けた。骨になってもまだ唸り続け、ついには頭蓋骨を御竈殿の釜の下に埋めてしまったが、それでも唸り声がやむことはなかった。そんなとき、困り果てた命の夢に温羅が現れる。
これが吉備津神社で今なお執り行われている鳴釜神事(なるかましんじ)の始まりである。
鳴釜神事とは、吉備津神社の御竈殿(おかまでん)にて釜の鳴る音によって吉凶を占うという神事である。
竈の下には命に退治された鬼の首を埋めているという伝承があり、釜を通じて鬼の首が唸る。この音の大小長短で願いが叶うか否かを占うのだ。
鳴釜神事は一般の人も希望すれば受けることができる。
ただし、占いの結果は神官から伝えられるものではなく、自身の心で釜の鳴る音を感じ判断する。
古から続く神秘的な神事を体験してみてはいかがだろうか。
吉備津神社と吉備津彦神社
「桃太郎伝説」をテーマに吉備路を巡った場合、吉備津神社と吉備津彦神社は外せないスポットだろう。
ここで両神社の特徴を押さえておきたい。
古代の日本、吉備国。元々、吉備国には吉備津神社が鎮座していた。
645年の大化の改新のあと、吉備国は「備前、備中、備後」の三国に分かれることになる。
そのため神社も、備前の吉備津彦神社(岡山県岡山市北区一宮)、備中の吉備津神社(岡山県岡山市北区吉備津)、備後の吉備津神社(広島県福山市)の三社に分かれることになり、現在に至る。
名前が似ているのはそんな歴史が関係していたのだと初めて知ったが、縁の深い両神社、吉備路を巡る際はぜひ両参りをおすすめしたい。
御朱印について
今回は吉備津彦神社で受けた御朱印帳に書いていただいたので、桃の絵の透かしが入っている。
吉備津神社の桃太郎絵馬や桃守りなどの「桃」アイテムもとても人気のようだ。
最後に
今回「桃太郎伝説」をテーマに訪れた岡山の旅は、岡山の歴史や文化を知るきっかけになったように思う。
伝承を知り、数多くの史跡を巡っているうちに、この地に本当に桃太郎がいたのではないか、と感じるようになった。
幼いころからよく耳に馴染んできたおとぎ話を、ただのおとぎ話で終わらせずに、その基になった登場人物たちの生きた時代に想いを馳せながら町を歩いてみるのもおもしろい。
そのときは、目を輝かせながら昔話を聞いていた幼い頃の自分の尽きない好奇心も思い出してみたいと思う。
【基本情報】
吉備津神社
住所:岡山県岡山市北区吉備津931
アクセス:
*お車でお越しの場合
岡山駅より国道180号線で約30分
「岡山総社IC」より国道180号線で約15分
*バスでお越しの場合
備北バス(東総社経由「地頭」行き)で、「吉備津神社参道口」バス停下車、下車後徒歩約5分
*電車でお越しの場合
JR桃太郎線(吉備線)「吉備津駅」から徒歩約10分
*自転車でお越しの場合
備前一宮駅からレンタサイクルで、約15分
岡山市街地から、吉備路自転車道を1時間程度
駐車場:有(無料)
参拝時間:5:00~18:00
授与所受付時間:9:00~16:00
御祈祷受付:9:00~14:30
鳴釜神事:9:00~14:00(毎週金曜、5・10月の第2日曜、12月28日休み)
吉備津神社 公式ホームページ
【参考資料】
吉備津神社 配布パンフレット
『まっぷるマガジン まっぷる 岡山・倉敷 蒜山高原』2022年12月15発行 昭文社
「吉備路サイクリング」
吉備津神社 公式ホームページ 一部、記事内にて引用
岡山市 OKAYAMA CITY 公式ホームページ 「吉備津神社」