営業マネジメントで必要な3種類の「現状確認」のやり方【法人営業大学】
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。目標を絶対達成させるうえで多くの秘訣があるが、軽視してほしくないのが「現状確認」だ。
「現状認識」が正しくないと謙虚に努力することができなくなる。そこで今回は、優秀な上司はどんな「現状確認」をするのか? そしてダメ上司はどんな風にやるのか? 3種類の「現状確認」のやり方を使いながら解説していく。
マネジャーのみならず、目標達成で困っているすべてのビジネスパーソンに読んでもらいたい。
■なぜ「現状確認」はそれほど重要なのか?
まず、なぜ目標達成するうえで「現状確認」がそれほど重要なのか? その理由を書く。
わかりやすいのが英語のテスト勉強だ。100点満点のテストで80点以上をとりたい。そのためにどうすべきか? まずは現状を知ることだ。
このままだと40点しかとれないのか? 60点とれるのか? それとも70点ぐらいはとれるのか? それによって努力の中身が変わってくる。リスニングで何点で、リーディングで何点か、この配分もしっかり把握しておこう。
だから現状認識、現状把握が重要なのだ。
「英語のテストで80点以上をめざすには、リスニングであと10点、リーディングであと20点上乗せする必要がある」
このように認識できたら、どう対策をとればいいか。容易にわかる。反対に、現状認識が甘ければ、やみくもに頑張る、ということになりかねない。目標達成には「仮説思考」が絶対に不可欠なのだ。
<参考記事>
■【大作】頭の回転が遅い人・速い人の違い 「仮説思考」を身につける6つの基本手順
■3種類の「現状確認」のやり方
組織マネジメントにおいても、同じだ。現状認識は極めて重要である。部下の目標を達成させられる上司は、正しく現状認識をしている。反対にダメ上司は、認識が甘い。
まずは「現状確認」のやり方には、以下の3種類があることを知ってもらいたい。
(1)行動の有無
(2)行動の程度
(3)成果の確率
わかりやすくするために、会話事例を使って解説しよう。
<行動の有無>
上司:「新規開拓をするために、いったい何をやってるんだ?」
部下:「展示会に参加しています」
上司:「他には?」
部下:「動画メールを送っています」
上司:「紹介キャンペーンはどうなってる?」
部下:「これから着手しようかと……」
上司:「ちゃんとやりたまえ!」
「やっている/やっていない」を確認するだけなのが「行動の有無」だ。ダメ上司は、「やっている」と言われれば安心し、「やっていない」と言われたら叱る。
<行動の程度>
上司:「新規開拓をするために、いったい何をやってるんだ?」
部下:「展示会に参加しています」
上司:「展示会は何回参加したんだ?」
部下:「今年になって3回です」
上司:「他には?」
部下:「動画メールを送っています」
上司:「どれぐらい送ってる?」
部下:「週に2回程度です。けっこうな会社に送っています」
「やっている/やっていない」だけでなく、どれぐらいやっているのかを確認しようとするのが「行動の程度」だ。
「行動の有無」も「行動の程度」も、こちら側の視点でしか考えていないので、仮説検証ができない。
<成果の確率>
上司:「3回の展示会に参加して、どれぐらい人と名刺交換するつもりだった?」
部下:「100人です」
上司:「実際は?」
部下:「60人にとどまっています。達成率は60%」
上司:「商談はどれぐらいを予定していた? 実績は?」
部下:「20を目標にしていて、実績は22です」
上司:「達成率は110%か」
このように、何をどれぐらいやって、
・どれぐらいの成果を得られるのか(仮説)
・実際にどれぐらいの成果を得たのか(検証)
この2つをセットで現状確認しない限り、仮説の精度は上がっていかない。やみくもに行動するだけでは、「努力した割には、うまくいかない」という不満ばかりが残ることになる。
いったんは頭の中で仮説検証サイクルを回し、次に実践を通じて仮説検証サイクルを回すことで、スピーディに仮説の精度は上がっていく。正しい現状確認のやり方に変えていこう。
<参考記事>