「大葉」って商品名だったの!?
冷奴やそうめんの薬味に使うのは「大葉」ですか?それとも「しそ」ですか? 鶏の「大葉」のはさみ揚げを食べ、サラダに「しそ」ドレッシングを掛けます。
調理方法で呼び名が変わるのか?それとも「大葉」と「しそ」は別物なのか? もしかしたら、「春菊」と「菊菜」のように関東と関西での呼び名が異なるだけなのか?今日は「大葉」と「しそ」についてのお話です。
「大葉」と「しそ」の関係
突然ですが、ドライアイス、ホッチキス、セロテープ、タバスコ、タッパーという言葉は同じルールでまとめた言葉です。これらは一般名詞と思われがちですが、商品名なのです。「ホッチキス」の正式名称は「ステープラー」。「ホッチキス」という名は商品名なのです。野菜にもあります。例えば「プチトマト」も同じく商品名で、「ミニトマト」の一種です。
「大葉」のネーミングが大ヒット!
「大葉」と「しそ」も同じような関係で、「しそ」の葉を束ねたものを「大葉」という商品名で売ったことから大葉という呼び名が浸透したといわれています。ただし大葉は「青じそ」の葉だけを指す言葉で、「赤じそ」を大葉とはいいません。薬味や、巻いたり挟んだり料理に「青じそ」の葉を食べる場合「大葉」と呼び、ドレッシングなどに使う場合、「しそ」と呼び、呼び名を変えていることが多く見られます。
<葉だけ>という強調をしたのには理由があります。しそ(紫蘇)は古くから伝わる代表的なハーブの1つで、葉だけでなく、実、芽、穂など全ての部分を使用できます。赤いアントシアン系色素があると「赤じそ」、色素がない場合「青じそ」になります。
「紫」の葉で「蘇らせる」
しそは漢字で「紫蘇」と書きます。「紫蘇」という名前の由来はその昔、カニを食べて食中毒を起こした子どもに、紫色のしその葉を食べさせたところ元気を取り戻したことから、「紫」の葉で「蘇らせる」という意味でこの葉を「紫蘇」と呼ぶようになったという言い伝えがあります。そのことから分かる通り、元々「しそ」とは「赤じそ」のことを指します。
「花穂じそ」
「花穂じそ」とは、しその花穂のことです。刺身、天ぷら、和え物などに用いられ、華を添えるあしらいや、薬味として利用されます。小さな花の色は赤じそのものは紫色、青じそのものは白色をしています。一般的には紫色のものがよく利用されます。花の部分をしょうゆに入れ、刺身を食べると刺身の美味しさを引き立てます。またパスタやサラダなどにも合います。
「赤じそ」
赤じそは赤じそジュースやふりかけ、梅干しを作る際に使われます。梅の成分であるクエン酸によって鮮やかな赤色になります。
「しそ(紫蘇)」というのは、本来「赤じそ」を指す言葉でしたが、【大葉】というネーミングが大当たりした「青じそ」が形勢逆転!
「ボンド」「セロテープ」「マジック」「テトラポッド」「宅急便」「フラフープ」「フリスビー」「オセロ」「チャッカマン」「シャーペン」「バンドエイド」・・・商品名ですが、通称として使われている商品がたくさんありますね。