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韓国の大谷翔平ファンクラブ会長が振り返る「感激」 そして「気になった開幕前夜の一平さんの表情」

(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

大谷翔平が韓国での8日間の日程を終え、ロサンゼルスに戻った。

韓国の大谷翔平ファンクラブ「SHOWTANI FANCLUB」の会長として日本人スター選手を迎えたイ・ジェイク氏(48)はこの日々をどう見たのか。

本職はラジオディレクターおよび作家。氏は2015年に目にしたプレミア12日韓戦で先発登板した大谷翔平に大いなる関心を持った。「なぜこの童顔が剛速球を投げる?」と調べていくうちに夢中になり、メジャーリーグ移籍後は「ほぼ全試合をライブで見る日々」。プレミアムグッズ収集にも没頭し5000万円のお宝グッズを所有するほか、大谷と同型のポルシェも購入。そのオタクライフを書籍としてまとめたりもした。

そんなイ・ジェイク氏が感じたのは実物の大谷翔平を見た「感激」と、開幕戦前夜にホテルで会った元通訳の水原一平氏(以下、一平さん)の「表情」だった。本人に語ってもらった。

筆者撮影
筆者撮影

事件発覚前夜 一平さんは「何を語りかけてボーっと」

あまりにも多くの感想がある日々でしたね。ずっと感情が急変するような時間で。

3月15日、生まれて初めて翔平の姿を生で見ました。無宗教の僕が「祈りが通じた」とさえ感じた瞬間でしたよ。西洋人を圧倒するような巨大な肉体。想像を超える力とスピードを持った破壊力のある体なのに、その顔はニコニコ笑顔で。僕は彼のことを「温かいアイスコーヒーのようだ」と表現してきましたが、まさにそんな感じですよね。少し難しい表現かもしれませんが「矛盾」という意味が含まれた言葉です。アイスコーヒーは冷たい。温かいはずがないじゃないですか。でも大谷からはそんなことを感じるんですよ。活躍は熱いけど、ふだんはクールで優しい。ストイックなのに、他人への配慮ができる。

試合での活躍も嬉しかったですよ。パドレスとの開幕戦では手術後のシーズンにもかかわらず、マルチ安打に盗塁までする姿を見せてくれて。

しかし、その後には一平さんのギャンブル事件で感情が一転しました。僕もとても心配して、とても悲しかったですね。

彼の事件が発覚する前日の夜、開幕前日の夜のことです。彼とホテルのエレベーターでばったり出くわしました。僕、彼が通訳時代に最後に写真を撮った大谷ファン、ということになったと思います。ドジャースが韓国滞在中、僕は同じホテルに部屋を取ったんですよ。宿泊客だと「外に出てください」と促されることもありませんでした。

僕のスマホで一緒に写真を撮ったのですが、表情がとても暗くて驚きました。その写真を見た僕たちのファンクラブのメンバーにも共有したのですが、みんなもとても驚いていて。

彼に会う前に、他の選手たちともたくさん会いました。僕はメディア関係の仕事もしているのでドジャースGMともインタビューして。韓国での出来事をすごく喜んでくれていました。大谷ファンクラブが韓国にあるのも新鮮に感じたし、入国時に空港で歓迎してくれて嬉しかったと言ってくれた。全員ニコニコ笑いながら明るく楽しく話して、写真も撮らせてくれたんです。

でも一平さんだけは別でした。先ほど話したようなことを僕が嬉しそうに伝えても、ただ「分かった、分かった」という感じで、どうしたものかと。

その翌日、事件が大々的に報じられたのでした。話を聞いて、前日の暗い表情の理由がようやく理解できました。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。フォローお願いします。https://follow.yahoo.co.jp/themes/08ed3ae29cae0d085319/

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