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NCTテヨンはどうやって海軍軍楽隊に入ったのか クリアした2つの条件 入隊後は「演奏以外の任務も」

(写真:Splash/アフロ)

18日、K-POP人気グループNCT127のメンバーテヨンの兵役の概要が所属事務所SMエンターテインメントから発表となった。

4月から韓国海軍軍楽隊に入隊するという。

これがどうやって決定したのか。結論から言うと「枠が空いていた」「自分から志願した」「今年1月に試験を受け合格した」というところ。

韓国兵務庁サイトからその足跡を辿ってみよう。

まず、軍楽隊は軍人のなかでも「技術兵」または「専門特技兵」と呼ばれ、一般の兵役志願者とは違う入隊過程がある。

まず、兵役志願者全員が受ける身体検査「兵役判定試験」を受ける。そこまでは一般兵と同じ過程だ。

その後「志願者が望む任務に空き枠があること」が前提。そして「試験」がある。

一般兵が入営所での約5週間の基礎軍事訓練後に本人の意向も聞きつつ配属が決まるのとは少し違いがある。

今回テヨンが海軍の軍楽隊を指定して希望したかは定かではないが、そのほかにも陸軍、空軍、海兵隊、また国軍直属の軍楽隊が存在するため「海軍に空き枠があったから応募した」という可能性もある。募集は国防庁公式サイトの「今月の募集計画」で随時発表されるからだ。時期は決まっていない。

韓国兵務庁のサイトからはテヨンの「志願決意時期」まで推定できる

志願後には試験が待っている。兵役判定検査での判定を受けた後に、志願してこれを受けている。

まずテヨンには受験資格があった。

18歳以上28歳以下
兵役判定検査の結果、身体等級1級〜4級の判定を受けた現役兵入隊対象者
楽器関連の専攻及び特技保有者
色を識別できる視力があること

このうち「楽器関連の専攻及び特技保有者」については、出身のソウル公演芸術高等学校が2008年に韓国で芸術系特殊目的高校設立認可を受けた点もプラスに作用したと思われる。

また、試験の時期は韓国国防庁のサイトで「今年4月入隊の者は3か月前の1月の試験を受けること」と記されている。だからテヨンが、「1月に試験を受けた」という点はほぼ間違いない。

韓国兵務庁のサイトより 海軍軍楽隊志願者は「志願書受付日から3か月以内に入営」と記されている
韓国兵務庁のサイトより 海軍軍楽隊志願者は「志願書受付日から3か月以内に入営」と記されている

テヨンはどんな試験に合格したのか?

ではこの1月に実施された試験はどういったものだったのか。

◆面接、実技評価、身体検査、犯罪経歴調査

実技評価の点数を優先して選抜し、実技評価で楽器演奏の実力が一定水準に達しない場合、募集計画人員にもかかわらず最終選抜されない場合がある。

◆面接は一般技術・専門技術兵基準を適用

楽器別の重複応募不可、実技評価時に身分証及び個人楽器を持参、自由曲1曲を準備。

◆失格及び最終未選抜基準

面接評価要素のうち、1分野以上で「0点」評価を受けるか、評価結果の点数合計が「50点」未満の者

海軍軍楽兵実技評価時に該当分野別の実力が一定水準に達しない場合、募集計画人員にもかかわらず未選抜処理

  • ドラムでの志願者が過去に合格した際のパフォーマンスをYouTubeで公開している

つまり「上位何%が合格」という形式ではなく、「その人が何点取るのか」が重要な試験だった。そして一つの楽器をしっかりと極めていることを確認されたのだ。

テヨンが入隊する海軍軍楽隊は数ある軍楽隊のなかでも演奏レベルが高いとされており、音大生のなかでも高実力者が志願する傾向がある。また他軍の軍楽隊と比べても「演奏以外の楽隊運営業務が多い」と韓国では言われている。テヨンもまた、日程を決めたり、演奏時のセッティングをしたりという任務もこなす日々となりそうだ。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。フォローお願いします。https://follow.yahoo.co.jp/themes/08ed3ae29cae0d085319/

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