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「韓国人が選んだ今年のK-POPアーティスト」 BTSが各世代で圧倒…続くIUもスゴい!

(写真:REX/アフロ)

12月下旬のこの時期、「今年の振り返りモノ」が韓国でも話題になっている。

そんな折、興味深いデータが飛び込んできた。「2021年 今年を輝かせた歌手」。韓国の民間世論調査会社「韓国ギャラップ」が20日に発表したデータだ。

同社が韓国に暮らす10代から60代に対し、エンタメ各分野の「今年の(象徴となる)人物は誰?」との項目でアンケート調査を実施。「歌手部門」が20日に発表となった。この調査は07年から続いている、ちょっとした伝統のあるものだ。

これで何が分かるのかというと「韓国人がK-POPをどう見ているのか」。K-POPが世界で人気、という話題はすでに多く報じられているが「自国ではどう見られている?」という点は意外と知られていないのではないか。

調査は今年の7月、9月、11月の3度に分け、韓国内在住の5103人に対し「聞き取り」の方式で進行。回答者は1人あたり3人(あるいはグループ)まで「今年を輝かせた歌手」について自由に返答した。回答者の年代が上がっていくにつれ、「POP」ではなく、2020年以降流行しているトロット(韓国版演歌)歌手が多くなるのだが…はたして「韓国人の見方」はどんなものか。

結果は以下の通り。

13歳~18歳

1位 BTS (防弾少年団/58.6%)

2位 IU(35.5)

3位 BLACKPINK(14.3)

4位 イ・ムジン(10.2)

5位 aespa (8.3)

6位 AKMU(6.7)

7位 TWICE(6.6)

8位 OH MY GIRL/Red Velvet(6.2%)

10位 BRAVE GIRLS(6.2%)

  • 10位のBRAVE GIRLSがバズるきっかけとなった動画

今年上半期に旋風を起こしたBRAVE GIRLSが唯一、この13歳~18歳でランクインした。これは元々2017年発表の楽曲だ。「軍人向けの営業活動のステージで、客席の男たちが熱狂する動画」からブレークしたもの。主に30代以上の男性にとって「この曲、懐かしい」という”エモい”ものだったのだが…本来の趣旨を超越して、10代に強いインパクトを残したようだ。

19歳~29歳

1位 BTS(42.9%)

2位 IU(33.6)

3位 BLACKPINK(10.2)

4位 イ・ムジン(9.0)

5位 aespa(8.2)

6位 TWICE(6.9)

7位 AKMU(5.9)

8位 テヨン(5.2)

10位 OH MY GIRL(3.8)

10位OH MY GIRLの「Dun Dun Dance」(2021年5月)

上位陣の顔ぶれは10代と変わらない。2020年デビューのaespaが高い認知度、人気を得ていることがよく分かる。またOH MY GIRLがこの世代でもベスト10入り。他のグループが主に女性層のファンが多いなか、唯一「かわいらしい系」で「男性ファンの比率も多いグループ」が入っている印象だ。

30代

1位 BTS(40.3%)

2位 IU(28.3)

3位 イム・ヨンウン(12.6)

4位 イ・ムジン(8.8)

5位 BLACK PINK(8.2)

6位 MSG Wanna be(6.4)

7位 テヨン(5.4)

8位 ヨンタク(4.5)

10位 AKMU/aespa(3.5)

  • オーディション番組から発掘された新人イ・ムジンの「Traffic light」

40代 

1位 イム・ヨンウン(26.1%)

2位 BTS(23.0)

3位 IU(17.7)

4位 ヨンタク(11.9)

5位 チャン・ユンジョン(8.4)

6位 イ・チャノン(5.8)

7位 イ・ムジン(5.1)

8位 ナフナ(5.0)

9位 チョン・ドンウォン/イム・チャンジョン(4.7)

  • 40代、50代に人気のあるイム・ヨンウン。高視聴率のアマチュア歌手参加型番組「明日はMr. トロット」で発掘された

50代

1位 イム・ヨンウン(36.3%)

2位 ヨンタク(20.5)

3位 チャン・ユンジョン(15.4)

4位 ナフナ(10.3)

5位 BTS(10.0)

6位 チャン・ミノ(9.8)

7位 イ・チャノン(9.0)

8位 ジンソン(8.9)

9位 チョン・ドンウォン(8.6)

10位 ソン・ガイン(8.0)

2021年、韓国では「2強」だった

30代以上から、トロット歌手がぐっと増えてくるが…ズバッと結論を言ってしまおう。

韓国では「2強」だということが分かる。

まずはBTSが圧倒的にスゴい。10代から30代までは圧倒的に2位を引き離してのトップ。40代でも1位と僅差の2位。そして50代でも5位に(調査は60代までを対象に行われたが、ここではベスト10には入らずだったが…)。

調査した「韓国ギャラップ」は、BTSについてこう評している。

「2013年にデビューした防弾少年団は、世界のポップミュージック史の新たな記録を刻む、最も影響力のあるグローバルアーティストに成長した。今年発表された『Butter』 は、米ビルボードのマスターシングルランキングでトップに。英米の大手メディアから『2021年ベストソング』に選ばれた。また、同じアルバムの収録曲『Permission to Dance』は、インターナショナルな手話ダンスで世界の人々に暖かいエネルギーをもたらしている。最近では、2021年のAMAでアジア初の大賞受賞歌手となり、来年早々の第64回グラミー賞での受賞可能性にも関心が集まっている。韓国ギャラップの本調査では2018年から4年連続1位だ」

その次に「IUがスゴい」。

IU。写真は2014年当時のもの
IU。写真は2014年当時のもの写真:アフロ

「韓国ギャラップ」は「韓国での見方」をこう記している。

「2008年にデビューした彼女は、ドラマでの演技とバラエティ出演も同時に続けるシンガーソングライターとして、本調査では2011年からずっとベスト10入りしている。2014年と2017年には1位となったこともある。今年は自身が作詞した新曲『LILAC』、AKMU(悪童ミュージシャン)とのコラボレーション『NAKKA』が高評価を得た」

同調査ではまた、2021年の「今年の曲」ランキングも発表している。ここでもBTSとIUの強さが目立った。10曲のうち、じつに6曲が両者が関わる楽曲となっている。

1位 Butter(BTS) 26.6%

2位 Dynamite(BTS) 9.6%

3位 LILAC(IU) 9.3%

4位 Traffic light(イ・ムジン) 8.1%

5位 NAKKA(AKMU with IU) 6.4%

6位 Next Level(aespa) 5.1%

7位 Weekend(テヨン) 3.6%

8位 見ているだけ M.O.M(MSG Wanna be)/Permission to Dance(BTS) 3.5%

10位 Through the Night(IU) 3.1%

(了)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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