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【驚き】韓国の”反日”元議員  新年にまた炎上 今の韓国の社会分裂までも「すべて親日派のせい」に

(提供:barks/イメージマート)

韓国の極端な左派の「反日おじさん」がまた吠えた。

新年早々(1日)、55年の伝統を有する韓国の一般社団法人「光復会」のキム・ウォヌン会長(76)が会員を対象に行った「新年の挨拶」(本稿末尾に全文訳掲載)。

抗日独立運動の功労者の権利を守る目的の会は、左派民族主義的な団体としても知られる。また、大規模な国家からの補助金、民間寄付金により運用されていることでも有名だ。

この会の約8200人の会員に向け、会長が言い放った。

「韓国内の75年来の社会分裂は、保革対立ではなく親日派のせい」。

保守系大手紙「中央日報」は「キム・ウォヌン『韓国の社会葛藤は親日勢力への抵抗によるもの…保守・革新の問題ではない』」と報じた。同じく保守系大手紙の「朝鮮日報」などもこの話題を報じた。

曰く2017年に実を結んだ「朴槿恵打倒デモ」もそうなのだという。なんで、近年の韓国国内の社会問題に「日本」が?

文在寅政権「黙認」の過激発言役

キム・ウォヌン氏とは、昨年8月15日以降「プチブレイク」した存在だ。光復節(日本の植民地統治からの解放記念日)の政府公式式典でのスピーチ(上の動画)で「今も国立墓地に親日派が眠っている」と発言。大いなる論争を巻き起こした。

これについて政府は黙認。文在寅派の左派与党「ともに民主党」代表に至っては「それくらいは思うものでしょう」と擁護した。その後「政権や与党に代わり、過激な思想を大きく発するアンプの役目」を果たしている。

本人の正体は元国会議員で、07年には革新系候補として大統領選出馬を目指したが挫折。一時は保守系与党にも所属した過去がある。2010年の国政選挙落選後は江原道で隠遁生活を送っていたが、2019年に会長選挙に当選。「政治サイドに近づく野心満々」な印象だ。

いっぽうで10月には会員から「両親が抗日独立運動家だったのか、確固たる記録がない」という点を指摘される一幕もあった。過激さゆえ、煙たがられる面もある。

「新たなる親日派財産の発見」「記念碑撤去」など…2021年の”反日トレンド”

今回の「新年の挨拶」ではキム会長はまず、日本統治下にあって独立運動を戦った医師ふたりの殉国100周年を称え、新年もこういった存在を知らせていく決意を語った。さらに「独立運動家100人の漫画プロジェクトと普及」、「独立軍歌」の盛んな斉唱を宣言した。

ここから、“親日派攻撃”の手法へと入っていく。

「更なる親日家財産の発見」

「全国に建てられている親日家人士の記念碑撤去」

「親日派の行跡案内板の設置」

「(キム会長が「親日派」とみなす)韓国国家の作曲者アン・イクテの歴史的審判」

いずれも実行されれば、日本でも報じられそうな話題だ。「親日家財産の新たな発見」はこれを没収し、国庫に還元することを目標とする。これにより「光復会の社会的地位を一層高めていき、何よりも光復会員の福祉向上のための光復会収益事業の活性化を試みる」とした。

この他のプランについても「自治体の条例制定、国会の法案改正に努める」のだという。

これらは、韓国の“反日トレンド2021”のようなものが見えてくる内容でもあった。

日本を直接叩くよりも、国内の対立勢力(右派・保守)を「親日派」として標的にする。文在寅大統領の師である盧武鉉政権(03年-08年)から盛んになった考え方だ。平たく言うと「日本よりも、日本に味方したヤツらが憎い」という考え方。ちなみに親日派のおおよその定義とはこういったところだ。

「日本統治時代に日本帝国主義者に協力し、当時の朝鮮人を搾取や暴力で苦しめた層」

「日本からの解放後も、当時の支配的立場を継続的に利用し既得権益を独占した層」

「親日派のせい」その内容とは?

今回の「新年の挨拶」のうち、韓国メディアに最も大きく報じられたのは、続いての「韓国の国内対立は、保革の争いではなく、親日派のせい」という発言だ。

過去75年間の私たちの社会の葛藤と分裂は、親日の未清算に起因します。解放後、大邸10月抗争、済州4・3抗争(中略)、ロウソク革命は、親日反民族権力に対する国民の抵抗として、すべて抗日独立運動の延長線上にあります

「ロウソク革命」とは、2016年から17年にかけて起きた「朴槿恵打倒デモ」。これもまた「親日派のせい」とは……

キム会長は、親日派への憎しみをこうも語っている。

「私たちの社会の上層部には親日に根を張り、分断に寄生して既得権益を増殖させてきた勢力が占領しています。私たちの社会の葛藤は、革新・保守ではなく、親日反民族勢力が不当な既得権を手放さないことに対する抵抗からのものです」

「私たちの社会の支配構造は危険なほどにいびつで、老化しました。私たちの世代が親日清算に失敗すれば、大韓民国は愛国の対象となることがなく、次の世代に絶望を引き継ぐしかありません。私たちがいま、親日反民族勢力にひざまずいたのなら、再び立ち上がることができるでしょうか」

「日帝の時代に天皇を守り、解放後に親日反民族権力の独裁を守り、私たちの国を南北に分け、強大国の国益である分断を守ったことを「護国」として美化してはいけません」

繰り返しになるが、現在韓国で政権を握り、かつ国会でも単独で過半数の議席を有する「左派」の極端な考え方はこういうところなのだ。国内で対立する右派の背後にある「日本」。

今回の新年の挨拶は、「とはいえ自国人同士憎み合うのはやめよう」「悪いのは親日派なのだから」という語りかけでもあったが、韓国国内の反応は散々だった。

ほとんどが「怒っています」

韓国最大のポータルサイト「NAVER」には、関連記事が10本掲載された。「NAVER」では、記事の最後には感想を表現するアイコンが5つ準備されている。

いいね、興味深いね、悲しいね、怒っています、後続記事に期待、だ。

今回のニュースに関しては全記事に「怒っています」の反応が圧倒的に多かった。

「ファイナンシャルニュース」…いいね7、後続記事に期待2、「怒っています」301、ほか0。

以下の記事もほぼ、「怒っています」以外が微々たるものだった。それゆえ「怒っています」の数のみを紹介する。

「TV朝鮮」2996

「朝鮮日報」2465

「朝鮮ビズ」355

「デイリーアン」844

「オーマイニュース」252

「聯合ニュース」39

…などなどだ。

また、関連記事の読者のコメント欄でもっとも目立った反応があったのが、「いいね」が247ついたこの発言だった。

「私は本当に気になるのだが、この21世紀に光復会がなぜ存在し、この人は何の資格で国家に対してああだこうだ言っているのか分からない。独立運動を本人がやったわけでもなく、ただの子孫なのであり、国家の待遇を受けているのに、国家の政策に対してあああだこうだ反抗しているのだが、誰がこの人にそんな権限を与えたのか分からない。国家の功労者への待遇の話でもないのに、なぜ、国家に対してあれこれ言うのか。何に抗っているのか。そして今、光復会がなぜ存在しなければならないのか」

結果として、対立する保守系媒体の報道を通じて「炎上」することにより、本人の発言が広まっているという面があるか。

(了)

以下、全文訳。

金元雄光復会長新年のあいさつ全文

辛丑年の新年、光復会会員の健康と家庭の穏やかな日々を心からお祈りします。

新年は朝鮮義烈バク・ジェヒョク医師との光復会のパク・サンジン医師の殉国100周年となる年です。光復会はこれからも逝去100周年となる烈士の存在を広く世に知らせていきます。

2020年から始めた「独立運動家100人の漫画プロジェクトと普及」をさらに活性化し、若い世代の愛国心培養をリードしていきます。

また、光復会が主催、主管するすべてのイベントで烈士たちが楽しみつつも力強く歌った「独立軍歌」を歌うことを一層強化してまいります。

全国に建てられている親日人士の記念施設を調査して管轄自治体に施設を撤去させ、親日行跡案内板の設置を系図する一方、盗作と親日・親ナチスの行為に染まった韓国国歌作曲家(安益泰)の歴史的な審判を行うこと、さらには変化した時代精神が込められ、歌えば歌うほどに私たち国民の愛国心と誇りを呼び起こすことができる「新国家(國歌)制定」のための国民的コンセンサスを光復会が造成していきます。

また、隠匿された親日財産を見つけて国庫に返還する努力を通じて光復会の社会的地位を一層高めていき、何よりも光復会員の福祉向上のための光復会収益事業の活性化を試み、自治体の条例制定、国会の法案改正に努めてまいります。

会員の皆様!愛国の価値は、民族共同体の生存と繁栄に向かっていく必要があります。民族を無視するような護国は「真の愛国」とはなりえません。日帝の時代に天皇を守り、解放後に親日反民族権力の独裁を守り、私たちの国を南北に分け、強大国の国益である分断を守ったことを「護国」として美化してはいけません。

過去75年間の私たちの社会の葛藤と分裂は、親日の未清算に起因します。解放後、大邸10月抗争、済州4・3抗争、旅順抗争、大邸2・28、大田3・8、4・19革命、釜馬抗争、5・18抗争、6月抗争、ロウソク革命は、親日反民族権力に対する国民の抵抗として、すべて抗日独立運動の延長線上にあります。

私たちの社会の上層部には親日に根を張り、分断に寄生して既得権益を増殖させてきた勢力が占領しています。私たちの社会の葛藤は、革新・保守ではなく、親日反民族勢力が不当な既得権を手放さないことに対する抵抗からのものです。私たちの社会の支配構造は危険なほどにいびつで、老化しました。私たちの世代が親日清算に失敗すれば、大韓民国は愛国の対象となることがなく、次の世代に絶望を引き継ぐしかありません。私たちがいま、親日反民族勢力にひざまずいてしまうと、再び立ち上がることができるでしょうか?

辛丑年の新年に光復会は独立運動の精神を転換期の時代精神とし、民族・民主団体の中心的な役割を継続していき、民族共同体意識の回復のための南北間の民間交流にも力を入れます。

計画が成果につなげるためには、変化した姿にふさわしい、会員すべてが努力する光復会が必要です。

ありがとうございます。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。フォローお願いします。https://follow.yahoo.co.jp/themes/08ed3ae29cae0d085319/

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