【続報・クリロナ韓国欠場問題】試合時のユーベ監督の”主張”「かなりタイトな日程。欠場判断は前日に」

26日のシアでのサッリ監督の言葉を紹介。写真は22日のシンガポールでの試合で(写真:ロイター/アフロ)

「まだまだ、この問題は尾を引いています」

韓国メディアの友人からこんなメッセージが入った。

ユベントスのクリスティアーノ・ロナウドの「欠場問題」だ。26日にソウルで行われたKリーグオールス―ターチームとの親善試合戦で、「45分以上プレー」の契約に反し出場せず。これが韓国内で大騒動となっている。29日の動きはこういったところだった。

■Kリーグ側がアクションを起こす。ユベントス、イベント主催代行のThe festa社(韓国)双方に対して。

「聯合ニュース」が報じた。ユベントス側に対しては、抗議のレターを送信。ここで新しい話が出てきた。Kリーグ側の抗議内容だ。

「(ユベントス側は)試合時間に遅れただけではなく、キックオフ時間の調整段階において、前後半を40分にしてほしい、ハーフタイムは10分に短縮など無理な要求をしてきた。これが受け入れられない場合は違約金を払って試合を中止するとのかなり強い主張だった」

現段階では法的な資料とは違い、レター形式での意見表明だけに、こういった一文も添えられている。

「The festa社よりもユベントスの名声を信じ、開催支援をしてきたが裏切られた」

いっぽうで、Kリーグは主催代行のThe Festa社に対し契約違反行為に対する違約金(The FestaとKリーグ間)の支払い項目についての確認に入った。項目はこう報じられている。

・クリスティアーノ・ロナウドが45分以上プレーしなかった点。

・この日プレーしたユベントスの選手のうち、トップチーム格(韓国語では「一軍」と表現)の選手の比率が低かった点。

・ユベントス選手によるファンミーティング(サイン会の)が不成立だった点。

など4~5項目。各項目の違約金は1億ウォン(1000万円)水準になるという。現状ではKリーグ側は「責任は韓国側のイベント代行会社に問う」というスタンスだ。「朝鮮日報」は今回のチケット収入だけで60億ウォン(約6億円)と報じているが、はたしてお金の行方はどうなるか。

試合当日の韓国のクリスティアーノ・ロナウドファンの様子を伝える動画

■韓国ファンが2000人規模の集団訴訟へ。

ユベントスとThe Festa社に対して。これは日本の他媒体も報じているのでそちらを引用する。

欠場騒動のC・ロナウドが詐欺容疑で告発される…激怒する韓国ファン、2000人超の集団訴訟も検討

■試合中継時に「不法看板」映る?

地上波KBSはThe Festa社に3億ウォンを支払い試合の中継権を得たが、ここにミソがついた。クリスティアーノ・ロナウドが出場しなかったばかりではなく、ピッチ横の広告ボードの内容に問題アリの可能性が生じた。

「海外の不法スポーツ賭博サイトの広告が出され、中継された。これは衝撃的な出来事」(スポーツソウル)

韓国国内の法で認められているのは、国民体育振興公団が発行する「スポーツトト」とその販売が認められた1サイトのみ。これに対しては同公団が情報把握の動きに入っている。違法とみなされた場合は、Kリーグ連盟とKBS側にも責任を問われる可能性があるという。

こうなると、The Festaなる会社の社長、ロビン・チャンという人物はいったい何者? という話になる。韓国メディアにとってもあまり知られた存在ではなかった。本名がチャン・ヨンアとされる45歳の女性で、会社自体は従業員4人の小規模だという。

「韓国経済新聞」もチャン社長と同社のことを報じる。2016年8月設立という

本人は過去に国内メディアのインタビューに応じたことがあり、「アメリカで財務系の仕事をしていた」「2001年9月以降にマンチェスター・シティーやリバプールのエージェンシーの経歴がある」「元々はサッカーを知らなかったが、夫がテレビを観ながらしてくれた試合解説が面白くハマった」「ユベントスからは過去に5度ほどオファーがあったが、ピンとこなくて断っていた」などと話しているという。

ユーベのサッリ監督「前日、筋肉の疲労のため試合に出ないほうが良いと判断」

問題が加熱し続けるばかりの韓国国内。

では、ユベントス側の言い分は? 日本時間の30日午後現在、ユベントス側が本件に際し公式的に発表した内容はない(韓国メディアが関係者を取材した、というコメントはいくつか出ているが)。

YouTube公式チャンネルでは試合の模様を報じている

唯一、ユベントス側からの正式なものがあるとすれば、当日の試合後のマウリツィオ・サッリ監督の発言だ。当日、韓国メディアとこういったやりとりがあった。「朝鮮日報」が内容を掲載している。

―クリスティアーノ・ロナウドがプレーしなかった理由は? 

プレーする予定ではあった。しかしコンディション、特に筋肉の状態がよくなかった。話をしてみて、”プレーしないほうがよい”と思い、試合出場させなかった。昨日のミーティングでもかなりの心配をした。この1週間、かなり苦しいスケジュールだった。シンガポールは湿度が高く、(24日に行われた中国・南京での)インテル・ミラノ戦も同じだった。大部分の選手のコンディションが良くなかった。翌25日の午前にトレーニングをし、午後に上海でファミーティングをした。(そもそも)中国では空港からの入国に12時間かかった※。今日の午後、もう一度チームのコンディションを確認した。プレーしないほうがいいと判断した。ファンミーティング(サイン会)については、知らなかった。昨日の時点で、(クリスティアーノ・ロナウドは)プレーしないとすでに決定されていた。

※現地メディア本文ママ。

――プレシーズンの日程を2週間消化したが、チーム状態は?

まだ合流できていない選手が多い。アジアツアーも忙しい日程だった。湿度が高く、暑かった。シーズンを準備するにあたり、プラスにはなるが技術的に評価できる部分はない。評価が難しい。コパ・アメリカのために休んでいる選手たちもここから合流する。難しいコンディションにも関わらず、一生懸命プレーしてくれた選手に感謝する。序盤20分間は悪くないプレーを見せてくれたが、体力が落ち、期待していた結果は出なかった(試合は3-3のドロー)。

ユベントスの24日-26日の行程。グラフィック:筆者 地図出典:Google
ユベントスの24日-26日の行程。グラフィック:筆者 地図出典:Google

――スタジアムに遅く到着したが。

中国の南京から、ソウルにくるまでかなりの時間がかかった。ソウルのホテルにチェックインしたのは5時15分だった。しばし休んですぐ出発したが、道が混んで予想していた40分よりも2倍以上の時間がかかった。スタジアムは素晴らしかったし、ピッチの芝生の状態もよく、また韓国のファンも情熱的に歓迎くださり、感謝している。

――契約条件ではクリスティアーノ・ロナウドが45分以上プレーするようになっていると聞いているが。

(通訳が代わりに)クリスティアーノ・ロナウドに対してはすべて話しました。ありがとうございます。

この際、通訳(韓国在住のイタリア人)が、サッリ監督の激しい言葉を訳さなかったという説まで飛び交っているが……。

相手は、トラブル続きの移動のために「気が滅入ってしまったモード」に入ってしまったイタリアだ。文化の違いのある相手に対し、韓国側は今後どう打って出るか。ちなみに韓国メディアでも「集団訴訟に仮に勝ったとしても、大きな補償は受けられない」との国内弁護士のコメントが紹介されている。

重ね、そもそもの問題はThe Festa側が組んだ「試合当日の韓国入り」の無理なスケジューリングだったのではないか。いっぽうで、チケット代が最高4万円というのに、ソウルワールドカップスタジアムに6万人超えの観客が集まった。サッカー熱は、かなりのものではないか。この試合で起きた出来事、その後の事態のすべてが悪い話ということでにないだろうに。

最後に、昨日は書ききれなかったが、26日のKリーグオールスターチームでプレーしたユベントスの選手たちにもリスペクトを。クリスティアーノ・ロナウドがピッチに立たなかったことばかりが切り取られているが、彼らは確かにゲームを戦った。試合に出場したメンバーは次の通りだ。

Starting XI: Szczesny,Cancelo, De Ligt, Rugani, Beruatto; Emre Can, Pjanic, Muratore; Bernardeschi, Higuain, Mandzukic.

Substitutes: Pinsoglio, Buffon, Bonucci, Matuidi, Rabiot, Coccolo, Mavididi, Pereira, Di Pardo. 

【クリロナ韓国欠場問題】韓国現地報道は「主催者批判」も。当事者の声「試合中、何度も意見したが…」